宮崎県グラフ誌「Jaja」じゃじゃ

 

Jajaバックナンバー

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牛を慈しみ、育てる
グランドチャンピオン。

和牛肥育農家 蓑毛稔治さん(日南市北郷町)

蓑毛稔治さん(日南市北郷町)

JAはまゆう肉牛部会で部会長を務める蓑毛稔治さん。枝肉の品質を競う宮崎県畜産共進会で、過去に二度グランドチャンピオンを獲得した和牛肥育のプロフェッショナルだ。
「高校生の頃、父が和牛肥育を始めました。それがきっかけで牛を飼い始めたところいい肉がとれて、両親が喜んでくれまして。私は獣医になるつもりだったのですが、浪人時代に『やっぱり牛飼いをやろうかな』と」

いい牛を育てるには、いい子牛を選ぶこと、しっかりした胃を作るために粗飼料をたくさん与えることなど技術的な面に加えて、飼い主の生活が穏やかであることが大切だという。
「農業全般にいえることだと思いますが、夫婦仲や家族仲がいいことがとても大切ですね。牛はこちらの状態を察知しますので。生後10か月の子牛を買ってきて、出荷まで22か月ほどともに暮らします。衛生面や精神面も含めて、牛にストレスを与えないことが、何よりも大事だと思います」

人並みの子牛を買ってきて、人並み以上の牛に育てるのが私のやり方という蓑毛さん。輝かしい実績のわりには、その哲学は控えめだ。
「あせらず、じっくりとやればいいんですよ。もとが宮崎産の黒毛和牛なんですから、ていねいにやっていれば、きっといい牛に育ちます。気の長さが必要な仕事ですが、その点、宮崎の人は牛飼いに向いているのではないでしょうか」

蓑毛さんの牛舎風景
ゆったりと餌を食む牛たち。大きな牛は一日に12kgもの飼料を食べるという。

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