宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

海幸山幸うまいもの

春。海の魚の多くは産卵を控えて身が充実して旨みが増す。マダイをはじめ春においしい魚は多い。また、南の海からは回遊魚もやってくる。魚好きにはうれしい季節の到来だ。宮崎の海に春を告げるのは、黒潮にのってやってくるカツオやトビウオだ。トビウオは春から秋にかけて4、5種類のものが次々に宮崎沖を通るため、季節ごとに大きさや味わいの違うものが楽しめる。

桜の季節にはマダイやアジが旬。アサヒガニやトラガニといった宮崎名産のカニも、市場に出回る。八十八夜を過ぎるとキスの季節。砂底が多い宮崎沿岸はキスの良い漁場になっている。

新緑の頃、川ではヤマメが釣れる。宮崎県は九州で最良の渓流をもつ土地なので、山の旅館などで味わいたい。野のものではまずタケノコ。これも孟宗竹、大名竹、と種類ごとに味わい深い。ほかにメロンやマンゴーなどの果物も出回る。おだやかに暮れる春の宵に、季節のご馳走を味わいたい。

トラガニ

トラガニ

味わい濃厚な黒潮育ちのカニ。宮崎が誇るワタリガニの逸品。
初夏になると、市場にぼつぼつトラガニが登場する。漁獲量が少なく値段も張るが、ワタリガニの仲間で一番うまいと評価する人が多い。味わいは濃厚で、いかにも黒潮育ちのカニといった雰囲気がある。

たらの芽の天ぷら

たらの芽の天ぷら

ほくほくとした甘みと、ほのかな苦味が楽しい春山菜の主役。
春の陽射しに誘われて山歩きをしていると、タラの新芽を見つけることがある。天ぷらにすると、かすかなえぐ味が油の高温で旨みに変わり、奥深い味わいだ。県内では栽培もされ、全国に一足早く春を届けている。

春ガツオのたたき

春ガツオのたたき

黒潮に乗ってやってくる春ガツオ。さっぱりとした若々しい味わいを楽しむ。
初鰹として賞味される春のカツオは、黒潮に乗ってやってくる。日向灘はカツオの通り道だ。脂ののりもほどほどで、さっぱりとした若々しい味わい。醤油に漬けてカツオ茶漬けにしてもおいしい。

都井のウニ

都井のウニ

料理人の間で評価される南国のウニ。
身は小粒だがうまみ豊かな、知られざる名品。

料理人の間で高く評価されている都井岬周辺のムラサキウニ。身は小粒だが色あざやかで甘みも強く、全国的にもひけをとらないという。価格も比較的安いので、知られざる名品を贅沢に楽しみたい。

つわぶきのあっさり煮

つわぶきのあっさり煮

潮風と温暖な気候で育つ、つわぶき。
独特の香りと風味は、焼酎にもよく合う。
つわぶきは、温暖で海に近い土地によく育つ。宮崎県南部はうってつけの条件で、日南市ではあざやかな黄色の花が市花に選ばれ、栽培も盛んに行われている。独特の香りがあり、あくが強いのだが、そのかすかな苦味と歯ざわりは焼酎の肴にも最適だ。

 

取材協力/和DINING 楽ぜん
宮崎市中央通7-2 TEL 0985-26-0246