宮崎県グラフ誌「Jaja」じゃじゃ

 

Jajaバックナンバー

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みやざき地頭鶏(じとっこ)

南九州に伝わる「幻の鶏」がルーツ。
柔らかな歯応えに旨みがほとばしる。

地頭鶏

灼熱の七輪に網を被せ、鶏のもも肉やむね肉を焼く「鶏の炭火焼」は宮崎の名物料理としてよく知られる。炭火で焼き上げた鶏肉は、炭の香りがよく、肉の旨みを閉じ込めつつ、余分な脂が適度に抜けて、なんともいい按配になる。

中でも「みやざき地頭鶏」の炭火焼きは、格別の味わいだ。思いがけず柔らかな歯ごたえの後、軽やかな香ばしさとともに、鶏本来の旨みがほとばしる。また、もも肉やむね肉だけでなく、ササミ、砂肝などあらゆる部位がおいしい。また肉を取り去った後の骨を煮込むと、コクと旨みが凝縮された最高の鶏ガラスープが完成する。

みやざき地頭鶏のルーツになっているのは南九州一帯で古くから飼われていた地頭鶏(昭和18年国の天然記念物指定)という在来種だ。ほとんど幻になっていたこの品種をもとに、ホワイトプリマスロック種と九州ロード種を交配して、平成2年、宮崎県畜産試験場川南支場で開発されたみやざき地頭鶏は、かつて地頭職に献上されたという格別の鶏のうまさを、現代に蘇らせることになった。

素ひなが厳重に管理されていることから、生産羽数が限られ、また飼育密度も「1平方メートル当たり2羽以下」と非常に厳しい基準が設けられていることから、需要に生産が追いつかない状態が続いていたが、近年、少しずつ生産量も伸びてきた。

地鶏文化圏といえるほど、古くから地鶏と親しんできた伝統と、改良にかけた人々の情熱から誕生した「みやざき地頭鶏」。飲食店などで幟をみかけたらぜひ試していただきたい。

地頭鶏ナンバーワン!