平成30年度知事とのふれあいフォーラム分野版(第2回)
内容
開催日時等
開催日
平成30年8月29日(水曜日)午後1時30分から午後3時
場所
県庁講堂
テーマ
高齢者等が住み慣れた地域で安心して暮らすために~地域包括ケアの推進~
参加者
地域の高齢者を支える関係機関や事業所、市町村行政職員の皆さん計7名
知事
ふれあいフォーラムの内容
知事挨拶
- 少子高齢化、人口減少が進む中で、地域において高齢者が安心して暮らすことができる地域をつくるためには、さまざまな面で課題がある。
- 地域包括ケアについて先駆的な埼玉県和光市等に学びながら、高齢化が全国に先駆けて進む本県においても、課題解決に向けての取組も進め、しっかりとしたモデルをつくりたい。
- 今日は、それぞれの分野で活躍しておられる皆さまから、忌憚のない御意見をいただき、出てきた課題を県政全般に広げていきたい。
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フォーラムの様子



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主な意見等
1.地域包括ケアの推進について
- 医療と介護をつなぐ社会保障制度の推進には、ケアマネージャーは非常に重要な職種である。また、独り身でも住み慣れた地域で、安心して最後を迎えることができるようになる仕組みづくりが必要であり、地域で支える人を支える支援が重要。さらに、国が施策として推進している在宅医療を担うためには、「看取りの文化」を培わなければならない。
- 多くの人は、介護保険を今のまま提供し続けると、将来資源がなくなり、自分が介護を受けられなくなるという危機的な状況をほとんど理解していない。自分が歳をとったとき、人口が減ったとき自分自身の生活のあり方がどう変わるのかを、イメージできるように啓発をしていく必要がある。
- 地域の関係よりも親族との関係性が希薄になってきている。
また、和光市の取組を参考に地域ケア会議を進めているが、会議をするにあたり、地域や利用者の問題などを整理するのに時間がかかる。
- 民生委員としては、山間部に住む方をどのようにして医療機関に送っていくか、買い物に連れて行くかが課題となっており、町の福祉課やケアマネージャーと解決に向け、地域ケア会議をおこなっている。
また、ケアマネージャーと一緒に地域の方を訪問し、介護保険に繋いだり、居場所づくりに誘ったりしている。外に出たがらない人をいかに外に連れ出すかが、力の見せ所と感じている。
- 行政としては、在宅でも個人にあった配食サービスや服薬のための訪問など、特別養護老人ホームと同等のサービスが受けられる環境の整備を目標に、重症化の予防に力を入れている。また、自立支援型の地域包括ケア会議をおこなうことで、利用者に対しての課題が見えてくるので、その都度必要なサービスをつくっていく作業を繰り返しおこなっている。
- 介護保険を利用し始めたとたんに、これまで気にかけて家まで来てくれていた人が、大丈夫だと思って来なくなるなど、地域と切り離されることに疑問がある。地域の中で見守り体制をつくっていく必要がある。
自分の地域は、認知症の方に向き合うための勉強会や徘徊模擬訓練をおこなっていたので、認知症カフェの立ち上げの力にもなった。しかし、後を継いでくれる人がいるのか不安もある。
- 住民の方に、2025年問題や人口動態といったことを言ってもぴんとこない。しかし、身近な住民の方が生活に課題があると分かると支援してくれるケースもあるので、地域住民の方の協力を得るために、生活に根ざした啓発が大切。私たちは、こうした努力をしながら移送や自宅での軽度の生活支援などの仕組みを、一つずつつくっている。
2.高齢者が安心して生活できる地域をみんなでつくっていくために
- 在宅医療の推進をしていく上で、医師へのつなぎが難しい。そこで、医師の立場としては、医療的な知識を持つケアマネージャーがもっと身近にいてほしいと感じている。そのため、ケアマネージャーを育てる役職にある主任ケアマネージャーを育てる仕組みづくりに取り組んでほしい。また、地域包括センターに力を注いで、地域の底上げを図っていかないと、介護保険制度の維持ができない。
- 地域包括ケアを推進する上で、ケアマネージャーの存在が大きいが、ケアマネージャーの業務が多すぎるので、担当者会議の簡素化や業務の効率化をしてほしい。
また、認知症になった後ではなく、認知症になる前に発見できるような通いの場を増やし、気づいたことを包括センターにつなぐなど、予防策を強化してほしい。
- 電動カートは介護保険制度を利用すると、要介護2の方からしか借りることができないが、要介護2の方はカートがあっても買い物に出かけることは困難である。特例で要介護1の方に貸し出すことで、買い物に頻繁に出ることができ、介護度が上がることを防げるので、宮崎の交通の便の悪さに配慮した交通と介護のマッチングをお願いしたい。
- 認知症サポーターの養成はされているが、ボランティアが少ない。実際に認知症カフェでボランティアをしてもらうためには、もう1ステップ認知症に関する学習をしていただく必要があるので、行政で認知症サポーターにボランティアとして活動していただく方を増やしてほしい。
- 介護の世界は、人数が固定されている中で新たな業務が始まり、ますます激務になっている。介護保険制度に地域格差が生じないよう、県からバックアップしてほしい。
- 県の取組として、市町村毎に担当者を配置し、市町村担当者からの相談窓口となっていることが、「宮崎モデル」として全国で脚光を浴びているようだ。
- ケアマネージャーは医師、看護師、薬剤師などを動かす車のハンドルキーパーのような役割であり、その動かし方によって利用者の人生が決まってくる大変重要な職種であるため、主任ケアマネージャーの底上げを図らないといけない。
- 介護福祉人材が不足しているので、介護現場のアピールを県でもおこなってほしい。
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知事総括
- 今日はいろんな現場や専門的な立場からご示唆いただき感謝。
- 介護保険制度をつくって終わりではなく、利用者の自覚を高めていく必要性や、いろんなネットワークや連携が重要だと感じた。
県としていろんな形で市町村やその他の職種のサポートをしながら、県民一人一人の意識を高め、支え合いの機運や社会づくりを進めていきたい。
- これからもいろんな課題が出てくるが、実践をとおし、成果を出していかなければならないと感じているので、皆さんの御理解と御協力をお願いしたい。
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