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掲載開始日:2025年1月21日更新日:2025年1月21日
知事室へようこそ
ここから本文です。
年内最後の定例記者会見となりました。今年も大変お世話になりまして、ありがとうございます。今年1年を振り返りつつ、最近の話題等について触れていくことができればと考えております。
まず、発表事項の1点目としまして、今年1年を振り返った県政トピックスについて、このように画面でもスライドで整理しております。こちらをご覧いただきながら、この1年間を振り返ろうと考えております。
まず、今年元日の能登半島地震、またさらに能登豪雨災害等もありました。全国的にも災害が多かったところですが、本県では8月に日向灘での大きな地震、そして台風10号による被害もございました。また10月には、線状降水帯の発生により、残念ながら2名の方が亡くなるという大きな自然災害にも見舞われたところであります。特に8月の日向灘での地震では、初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表され、本県のみならず全国的にも緊張が走りました。また、観光関連では、宿泊も含めてお盆の書き入れ時の前での発生ということで、初めての臨時情報への対応で、戸惑いもあったかと思います。宿泊予約のキャンセルが出て、経済活動にも大きな影響が及んだのがこの日向灘での地震だったと考えております。南海トラフ地震臨時情報のあり方については、しっかりと啓発しながら、県民の皆様に正しく理解をいただきながら、今回高まった緊張感、そして「防災の備えを」という意識を可能な限り持続していただくような取組を進めてまいりたいと考えております。
台風10号についても、災害救助法の適用、さらには早期の激甚災害への指定も実現したところであります。今回特に竜巻、突風による被害が多く、住家被害として千数百棟の被害が発生しました。また、竜巻による住家被害の認定のあり方として、今現在の基準では必ずしも十分に捕捉できていないのではないかといったことを国にも提言しました。改めて早期の復旧・復興にしっかり取り組みながら、次なる災害への備えもしっかりしていきたいと考えております。
個人的には元日の能登半島地震等も踏まえながら一念発起して、防災士の研修を受けて、まだ認定証はいただいておりませんが先日合格通知までは届きました。自分なりにも防災に対する意識を改めて高めた、そういう年だったと振り返っております。
またこれに加えて、10月2日には宮崎空港での不発弾の爆発がありました。「常在危機」という意識の徹底を呼びかけておりますが、改めて自然災害も含めて様々なリスクから安全・安心を守っていくことの大切さも感じられた今年1年でありました。
それから明るい話題等にも触れると、スポーツに関して言うと、ラグビーの日本代表合宿が断続的に行われ、しっかりキャンプ地としての役割をまた果たすことができました。同じようなことで言うと、プレミア12を前にした侍ジャパンのキャンプも行われ、これまでのように優勝まではできなかったところでありますが、キャンプ地としての役割を果たしながら、いよいよ2年後にはWBCもまた巡ってまいります。まだ宮崎でのキャンプが決定しているわけではございませんが、こうした実績を積み重ねていくこと、これは「日本一挑戦プロジェクト」におけるいろいろな合宿誘致にもつながってまいりますのでしっかり取り組んでいくということと、アマチュアの最高峰の大会である全日本サーフィン選手権大会が宮崎で3年連続開催されました。サーフィンのいわば聖地としての宮崎のブランド力をさらに高める取組がなされました。資料に小さく書いておりますが、九州全体で連携してサイクルツーリズムにもつなげるべく取り組んでいるのが「ツール・ド・九州」です。これまで福岡・熊本・大分の3県でこの2年間は開催されておりましたが、いよいよ来年は本県、それから長崎県も加わると先日発表され、延岡市から佐伯市の県境をまたがる区間でのレースもさらに楽しみでございます。
本県ゆかりの選手の活躍について、昨年のWBCでの活躍に対して、戸郷選手に「県民栄誉賞」を1月に贈呈しました。ジャイアンツのエースとして迎えた今シーズンも素晴らしい活躍で、プレミア12でも大活躍され、本県出身選手で今、輝いている選手であろうかなと思います。それからパリ五輪のメダリストたち3人の選手に対して「県民栄誉賞」等の顕彰を行いました。
それからスポーツ関連で言うと、いよいよ3年後の国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会の開催が正式に決定されました。実行委員会等の体制も改めて本格化し、大会イメージソングもできて、機運醸成も図っていきます。さらには、県山之口陸上競技場は施設自体は既に完成しておりますし、県プールは明日、施設自体が完成し、それぞれ来年から稼働する予定でございます。しっかり準備を進めてまいりたいと考えているところでございますし、今月30日には、国スポの開会から1000日前を迎えるということであります。「1000日というとまだまだ遠いかな」と思うかもしれませんが、あっという間であろうかと考えております。年が明けたらいよいよ開催まで2年ということで、国スポ・障スポに向けての本格的な準備、それから機運醸成、そのような年になっていこうかと考えております。
「ひなたフェス」は、今年行われたイベントの中でも非常に印象深いものであります。特に冒頭で触れたように8月に地震・台風があって、様々な宿泊予約のキャンセルや、観光等にも影響があった中で、県内外から4万人のファンの皆様である「おひさま」が集まりました。その経済効果については、宮崎大学の試算では29億円、九州経済調査協会の調査によると、九州全体で43億3000万円、宮崎だけでいうと32億7000万円といった大きな効果がありました。この数字に表れたような直接の経済効果に加えて、今申し上げましたようないろいろな災害続きであった宮崎から明るいニュースを発信することができたというのは、観光の復活、また、地域経済の復活という意味でも非常に大きかったと考えております。日向坂46とは、その後も県や県内市町村とのコラボということで、2日間のイベントのみならず、その後の県内の周遊にも結びついています。九州経済調査協会の調査の中でも指摘がありましたけど、こういったエンターテイメントと地方が連携することによる新たな価値共創の取組だったのではないかという評価もいただいているところであります。改めて関係の皆様に感謝申し上げます。しかも、サンマリンスタジアムを野球以外で初めて使うということも関係の皆様のご尽力をいただきながら実現して、この2日間のイベントのみならず、また次につながるイベントであったかなと考えております。
エンタメとの価値共創で言うと、この前高千穂町に行ったときに高千穂町長が非常に力説しておられましたけど、「推しの子」とのコラボで高千穂町への聖地巡礼、さらには関連グッズの売り上げ等も非常に好調だということで、観光誘客等にも結びついていて、これも今後の楽しみな展開であろうかと思います。
交通・物流ネットワークについて、陸から言うと、高速道路の整備が進んでおり、東九州自動車道で唯一残っていた「南郷~奈留」間の新規事業化の決定、そして同じタイミングで九州中央自動車道の「平底~蔵田」間についても新規事業化の前のプロセスである計画段階評価に着手するということで、この両路線について2つ同時に大きく前進するこのような決定をいただいたのが今年でございました。
また、港で言うと、コロナ前に用意していたものでありますが、海外からの最初の寄港地となるファーストポートです。これは寄港数から言うとファーストポートの寄港地にはなっていませんが、特例で認められたファーストポートの受け入れが初めて今回実現しました。受け入れの拡大に今後結びついていくものではないかと期待しておりますし、宮崎~神戸航路の10周年や、宮崎港・細島港についても、堺泉北港との「パートナーシップ港」提携の締結など、港に関してもいろいろな動きがあった年でした。さらにはやはり特に航空路線では、台北線が4年9ヶ月ぶりに再開したというのもとても嬉しいニュースであります。週1便でありますが、これも増便を目指していきたいということで、先日も要望活動を行ったところでありますし、ソウル線にいたっては就航以来、初めてのデイリー運航がこの冬ダイヤから始まりました。インバウンドについては、長引く円安、また、渡航先としての日本の人気によって、ゴールデンルートを中心に全国的にはオーバーツーリズムと言われるぐらいインバウンド客がとても来ておられて、そうしたお客様にこれまで以上に地方を訪れてもらうのが全国的な課題となる中、本県としてもこの国際定期便が本格的に復活し、受け入れができるようになりつつあるというのが今年の動きであろうかと思います。
文化で言うと、神楽のユネスコ無形文化遺産への登録を目指していきます。後ほど触れますけど、焼酎も含めた伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録されたわけでありますが、神楽もそれに続けとばかりに本県が音頭をとって、全国40の国指定の重要無形文化財になっている神楽の皆さんに呼びかけて、一緒に登録を目指していこうと取り組んでおります。これまでもご説明しておりますが、早池峰神楽と佐陀神能は既に個別で登録されておりますので、拡張登録として、そうした団体も含めて40団体が一体として拡張して登録を目指していこうということで、早池峰神楽は既に「全国神楽継承・振興協議会」に参画いただいていましたが、佐陀神能についても今年、「一緒にやりましょう」と、いろいろ我々が働きかけや説明をし、ご理解・共感をいただいて、拡張登録を目指していこうという動きに賛同され、協議会に加入いただきました。我々としては非常にうれしい動きでありました。実際の登録を目指してということになりますと、まだまだハードルは高いものがあります。既に書道が、今申し上げました伝統的酒造りの次を目指していこうということで、国の方で検討が進められておりますし、さらには温泉文化というものも非常に熱心に取組が進められております。先日、ホテル・旅館の生活衛生同業組合青年部の全国大会が行われましたけど、ああいったところでも署名活動を全員に呼びかけをするとかそういったことを熱心に業界の皆様がしておられたところであります。あくまで、ビジネスではなく、この文化をちゃんと保存していこうということであって、我々も胸を張って大事な神楽をしっかりこれからもアピールしていきたいと考えております。
農林水産物に関して、宮崎牛のトップセールスを行いました。資料の写真は、ミヤチクのトップシェフがカッティングセミナーを行った様子であり、宮崎牛を食べてもらって、私もPRのプレゼンを行いましたが、それだけではなく、ロースやヒレなど使える部分以外の部位も、こういうカッティングでこういう調理をすれば食べてもらうことができるし、皆さんにとっても儲けにつながりますよと少し踏み込んだ説明をしたのが、このセミナーのポイントであろうかと考えております。宮崎牛に関しては、アメリカも含め台湾・香港等へ順調に輸出を伸ばしております。さらに力を入れていきたいと考えております。
日本一の関係では、スギ素材(丸太)生産量、それから近海かつお一本釣の漁獲量、それから本格焼酎の出荷量は10年連続で日本一になりました。伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録され、焼酎もしっかりこれを生かしながら日本酒のように海外への輸出をこれからもどんどん伸ばしていきたいと考えております。宮崎牛にもつながりますが、ハラール対応の食肉処理施設の竣工、そしてハラール認証も取得したところでありまして、イスラム圏のみならず海外へ輸出しやすくなるというメリットがございますので、どんどん攻めていきたいと考えております。
また、スタートアップについても、関係機関との連携のもとでいろいろな取組を行っております。先日、スタートアップ関係の皆様と意見交換をしましたけど、本当に面白かったなと思いました。若いということだけではありませんけど、社会の問題解決、課題解決のためのわくわくするようないろいろな提案やビジネスが地域社会、そして経済をまた元気にしていくだろうなと実感したところであります。
ラピスセミコンダクタ宮崎第二工場が試作レベルの稼働を開始したと報告を受けております。電気自動車の販売の世界的な立ち止まり感を受けての出荷の調整がありますが、いよいよ年が明けたら本格稼働でありますし、今後10年の経済波及効果が3兆3559億円と試算されております。これは熊本県のTSMC、JASM関連の経済波及効果をはじき出した方法と同じ計算方法で行っており、ちょっとピンとこない数字ですし、県内の他の立地企業でこういった試算をしたことはないわけでありますが、JASM、それから関連の経済波及効果が10年間で11兆円超という数字に対して、このラピス単体でこれだけの数字があることは大変ありがたいことであろうかと思います。いずれにしても様々な形で円滑な稼働をサポートするとともに、さらなる半導体関連も含めた企業立地をしっかりと進めてまいりたいと考えております。今日たまたまでありますけど、資料の写真と同じスーツとネクタイを身につけております。ロームのコーポレートカラーが赤だから赤のネクタイを着けていこうと思ったら、ラピスはブルーでしたねとそんなことを思い出しております。今日はクリスマスバージョンということで赤を着けておりますが、たまたま重なりました。これは余談でございました。
その他、県立延岡病院の「心臓脳血管センターハイブリッド手術室」が完成しました。県立延岡病院は、公立病院協議会から優良病院の表彰も受け、大変ありがたいことであります。現場の皆さんの頑張り、また、さらにこうした体制強化を行っております。それから不登校も全国的に問題となっておりますが、県教育支援センター「コネクト」を県内で初めて設立しました。さらには東京の一等地にある東京ビルの再整備もとても重要なプロジェクトであろうかと考えております。それから全国規模の大会として、地域づくり団体全国研修交流会宮崎大会と全国民生委員児童委員大会宮崎大会が開催されました。地域づくり団体全国研修交流会宮崎大会が25年ぶりで、全国民生委員児童委員大会宮崎大会は31年ぶりに本県で開催されました。今年は「日本一挑戦プロジェクト」本格展開の年でありまして、それぞれ予算的に資料のような対応を図りながら、こうした項目について取組を進めてまいりました。それぞれ打つ手が順調に着実に進められておりますが、大事なことはそれを成果に結びつけていくことでありまして、しっかり成果の出具合を見極めながら、来年度の当初予算編成に向けての作業が本格化していますが、またさらに次に打つ手を検討していくことも大事であろうかと考えております。その中で特に「子ども・若者プロジェクト」については、これまでも報告しておりますとおり少子化対策にしっかり力を入れていくということで、自然増減対策に取り組んでいますが、社会増減対策として、若者や女性から選ばれる地域づくりも全国的にとても重要な課題です。東京一極集中の是正を図っていく中で、地方としても若者・女性の定着を図る取組をより強化していくということで、このプロジェクトの中にそのプロジェクトを別途立ち上げて、先日、私もその関係で意見交換を行ったりしたところでございます。そういう声を踏まえながら、さらにそういう社会減対策にもぐっと軸足を踏み込みながら、来年以降も継続的に「日本一挑戦プロジェクト」を進めてまいりたいと考えております。
最後に、今年4月に本県知事として初めて九州地方知事会会長に就任しました。大変光栄に思い、また、重責を感じ、同時にやりがいも感じているところでございます。先ほど申しましたように半導体関連の立地が進んで、九州全体として新生シリコンアイランドを目指していこうという取組が進み、さらにフードアイランド、アジアのゲートウェイなど、九州は今とても元気で活発で、また「九州から日本を動かしていこう」を合い言葉に、経済界とも連携しながら、いろいろな取組を進めているところでありまして、しっかりその旗振り役を努めてまいりたいと考えております。また、そのことを宮崎の発展につなげていくことも意識しながら、仕事に取り組んでまいりたいと考えております。
また、今年は全国の25都道府県の比較的若い知事で構成されている「日本創生のための将来世代応援知事同盟」が毎年持ち回りで行っているサミットを宮崎で開催し、18の府県から知事や代理の副知事に参加いただきました。特に地方創生についての議論を毎年行っておりますが、今回は人口減少問題に焦点を絞って、強い危機感のもとに「みやざき声明」等を発表し、担当大臣等へ緊急要請も行ったところであります。人口減少の問題、少子化の問題、それから東京一極集中の問題はこれからも継続的に、また、喫緊の課題として力を入れていきます。本県として、また九州として、そして全国として最重要課題であろうかと考えております。九州を考えたときに、合計特殊出生率も全国で比較的上位に位置していることや、先ほど社会減対策について申し上げましたが、他のブロックと比べても、福岡県が人口のダム機能を果たしており、九州全体で考えると、地方創生や人口減少対策で比較的全国をリードできるような存在だという思いのもとで、九州地方知事会議、また九州地域戦略会議などでも議論を行い、様々な発信や取組も進めているところでございます。今後とも九州各県、それから全国との連携を深めながら、こういった重要課題への取組、それから冒頭申し上げましたような防災への取組なども進めてまいりたいと考えているところでございます。長くなりましたが、1点目の県政トピックスについて、この1年を振り返りながらということで、以上でございます。
もう一点、冒頭の報告がございます。お手元の資料をご覧いただければと思います。台中市との友好交流協定でございます。先日、台中市を訪問しまして、協定を締結しました。台湾の自治体との友好交流協定の締結は台中市で3ヶ所目になります。平成29年に新竹県、それから桃園市の2つの自治体と友好交流協定を締結してまいりましたが、台中市で3ヶ所目になります。台中市の概要ということで、資料下段にございますが、人口は台湾で第2位であり、実際に行ってみてたしかに大都市でありました。面白いなと思ったのは、パイナップルケーキやタピオカミルクティーの発祥の地と言われておりますが、それに加えて、先ほどサイクルツーリズムに触れましたが、世界的な自転車メーカーであるGIANTの本社が所在しているということで、これまでもGIANTや台中市との連携のもとでサイクルツーリズムの誘致や交流活動、また民間ベースでの展開なども行えてきたところでありまして、この3カ所目の協定をしっかり観光、それから貿易・物産等の面に活かして、今後、宮崎の発展のためにうまく連携を深めて、取組を進めてまいりたいと考えているところであります。
私からは冒頭以上であります。
(読売新聞)
県政トピックスですけれども、今年も様々ありましたが、例年これは特にランキングとか順位付けはされていないと理解していますけれども、今回の発表も順番は特に意味がないということでしょうか。様々ありましたけども、総括して、知事ご自身にとってどういう年であったか簡単に伺えればなと思います。
(知事)
冒頭に災害の話も申し上げましたが、全国の傾向のみならず、本県でも様々な災害が発生した年であったかと考えております。それに的確に対応し、そしてさらなる防災力の向上に努めながら、でもその状況の中で今後につながる元気が出るニュース、それからいろいろな取組もあったのではないかというのが今年の1年であろうかと考えております。これまでなかったサンマリンスタジアムの活用等による「ひなたフェス」の開催についても紹介を申し上げたところでありますし、ハラール認証への対応が向上できたところや、それから、いよいよ台北線も再開したことなど、いろいろまた次につながる、元気が出る動きも出てきたのかなと総括しております。
(読売新聞)
もう一点、台中市との友好交流協定についてですけれども、2月にも今度、九州地方知事会で台湾へ行かれるかと思いますが、今後の台湾との交流の目標やビジョンを伺えればなと思います。
(知事)
九州地方知事会と経済界が一緒になって取り組んでいる「九州地域戦略会議」がありまして、その中で新生シリコンアイランドのグランドデザインも作成したところであります。台湾との連携をさらに深めながら、新生シリコンアイランドとしての様々な取組を進めていきたいと考えております。単に工場がたくさん立地しているだけではなく、人材の確保育成にも、それから研究開発機能の強化にも取り組んでいきたいということで、台湾のリサーチパークも訪問しながら連携を深めてまいります。そして九州全体で半導体関連産業の振興に取り組む姿勢をアピールしていこうということで、経済界と一緒になって訪問するのが2月の予定です。先日、私も工業技術院を訪問し、半導体関連産業の発展を支える様々な研究の様子も少し視察したところでございますが、九州一体となって、そういった大きな目標に向けてさらに進んでいく大きな一歩になるものと楽しみにしております。
(読売新聞)
特に観光面に関してですけれども、台湾の方々は豪雪地帯のツアーに非常に興味を持っておられるようで、その点では宮崎は不利になるかもしれないんですけれども、観光面での宮崎のアピールポイントや、実際に訪問されて、現地の方が特に関心を持たれていたことがありましたら伺いたいと思います。
(知事)
やはり九州は、北海道等と比べても地理的に近いというところはあります。時間距離の近さに加えて、食べ物などのアピールも重要です。先日も台中市との友好交流協定に合わせて、台中市内の有名レストラン10店舗で宮崎のフェアを行い、とても高い評価もいただいているところであります。そもそも台湾への和牛の輸出が始まったときに、宮崎牛が一番乗りしながら向こうの業者さんと連携してきており、台湾の中では宮崎牛の知名度がとても上がっている、評価が高まっているというお話もいただいております。そういったところもキラーコンテンツ、また突破口にしながら、食の魅力も含めてしっかりとアピールしてまいります。それから台湾においてはサイクリング、サイクルツーリズムがとても人気だということで、先ほど「ツール・ド・九州」という九州全体での自転車のロードレースの大会のことをご説明しましたが、それも台湾を一周することを「環島」と呼ぶようですが、それに学びながら、同じような面積の九州でもコースを設定し、しっかりとサイクルツーリズムを誘致していこうという取組を行っておりますので、そういった取組をしている九州の宮崎県ということで、食や、まさに宮崎の強みであるスポーツをアピールしていきたいと思います。それからやはりTSMCの立地も含めて熊本県には台湾から今、週12便の飛行機が飛んできておりますので、熊本県を訪れた方に宮崎県に来ていただくような働きかけをしっかりしていきたいと思いますし、それから台湾のプレゼンでも申し上げましたが、先ほど少し触れたアニメ「推しの子」は台湾でもとても人気のようで、聖地巡礼などで高千穂等も訪れてもらうなど、いろいろな情報をこれからも積極的に発信していきたいと考えておりますし、まだまだこれからというところですけど、塩月桃甫さんや中村地平さんのドキュメンタリー映画ができ、台湾での上映会も行われました。そういった文化での、また歴史的なつながりもしっかり向こうにお伝えしながら誘客、それからアウトバウンドにも結びつけていくことも大事だろうなと思います。本当にいろいろなものが今、動き始めているなと手応えを感じています。
(毎日新聞)
先だって税制改正大綱が取りまとめられました。国民民主党の年収の壁問題については、政治的な押し合いへし合いの中で「123万円」という数字が出てまいりました。それ以外にもいろいろと内容的にはあるかと思いますが、とりあえずはこの「年収103万円の壁」の一応のラインが見え、一応のラインと言うしかないと思いますけど見えたことにおいて、先だって全国知事会の地方税財政常任委員長の立場でのコメントがリリースされてはおりますけれども、改めて現時点の受け止めと、今後の政府に求める対応などをお伺いできればと思います。
(知事)
「103万円の壁」を巡って議論されたこのテーマについては、これまでも申し上げておりますように、今、物価高・賃上げが進んで、また人手不足が進む中で、所得や雇用環境の改善を図っていこうという議論が展開されたことはとても前向きに受け止めているところであります。そして今回の落ち着きどころとしましては、この間の物価上昇を反映して、123万円ということで見直しがなされたということであろうかと考えております。これまでデフレで物価がほとんど上がっていなかったことで、いわゆる103万円については動かされていなかったわけですが、結果的にその部分の見直しがなされたことは前向きに受け止めておりますし、この議論の過程で178万円の議論などいろいろある中で、私ども全国知事会の提言・要望を踏まえて、地方税収や、それから地方の事務負担も含めていろいろ地方に対する配慮もいただきながら議論が展開されていったことは大変ありがたく受け止めているところであります。地方税については令和8年度からということになっておりますし、この123万円という今の案についてもまだまだいろいろな議論がなされるのではないかという報道も伺っているところでございます。引き続き地方としては、減収になりかねないところに対する国の責任ある対応を求めていきたいと考えておりますし、事務費負担の問題など地方の声を地方税財政常任委員長の立場から全国知事会として届けていきたいと考えております。ちなみに、今回の所得税の控除の見直し等によりまして、所得税が減収になって、その跳ね返りで交付税が減収になる見込みということで、具体的な数字はまだ出ておりませんが、当初の178万円である場合、7兆円、8兆円など何兆円単位というオーダーでの税収減となることへ我々は強い懸念を持っていたところであります。今のところ1000億円、2000億円などといったオーダーでの交付税の減収になるのではないかと言われております。今まさに地方財政の議論が進行中でありますが、税収もかなり伸びているようでありまして、恒久的に何兆円単位という大きな減収があるならば、恒久的な財源も用意してほしいということを我々は申し上げたところでありますが、そこまでの対応にはならないのではないかという状況も伺っているところであります。物価高に伴う今回の見直しでありますので、いわば自然体で、それぞれ交付税等も機能を発揮していくという落ち着きになるのではないかなと考えております。いずれにせよ国、地方を通じて本当に様々な影響が及びますので、そこはきめ細かく今後、対応を図っていきたいと考えております。
(宮崎日日新聞)
振り返りのトピックスにも出てきているんですけれども、サーフィンについて、ラグビーや野球、サッカーの施設整備は国スポもあってだいぶ進んできていると思うんですけれども、サーフィンも非常に大きな観光資源になりうると思っていて、韓国へのアプローチなどされていると思うんですけど、今後サーフィンをもうちょっと存在感を高めていく、世界に発信していくために、いろいろな支援などもあると思いますが、どういった環境整備などが必要だと知事は今お考えで、どういう考えを持っていらっしゃるかイメージを教えていただければと思います。
(知事)
世界大会も行われた木崎浜については、サーフィンセンターも整備して、環境を整えたところであります。お倉ヶ浜には既にそういった施設がありますが、これまで大きな主要な大会が行われた2ヶ所については一定の整備がなされているところであります。さらに今後サーフィン振興を図っていく上で大事なのは、宮崎市の木崎浜、それから日向市のお倉ヶ浜以外にもとても魅力的なサーフィンスポットはたくさんありますので、サーフィン関連団体からは、ぜひそういったところでも大きな大会を開催していきたいという声を伺っておりまして、日南市や串間市においてもそうしたスポットはあるわけですが、駐車場・トイレ等の環境整備が課題になっております。自治体の首長とお会いするときには、そうした問題意識を共有しながら、何とか少しでも整備を進めていき、「宮崎県全体としてサーフィンの環境整備に向けてより力を合わせていきたいですね」と問題意識については共有しているところであります。しっかりそういった関係の市・町と連携しながら、少しずつ環境整備を整えていきます。さらには、これからも継続して全国規模の、また世界規模の大会を誘致することも大事なことでありましょうし、今、県内で何か具体的な計画があるわけではありませんが、静岡県など他の県では、人工の波を作るサーフィン施設の計画がいろいろなところで進行中だということでありまして、それがどのように今後サーフィンの振興において人気を集めていくのか見ていく必要があろうかと考えております。でも、宮崎は天然の波の良さが売りでありますから、質問いただいたように、いろいろな環境整備や誘致をこれからも積極的に進めることによって、サーフィンの聖地としての宮崎のポジショニングを確かなものにしていきたいと考えています。
(宮崎日日新聞)
あわせて、資料の同じページでスカイ・ブラウンさんがスケボー競技でメダルを取られていますアーバンスポーツがまだ宮崎のスポーツブランド作りというところでまだ明確な位置づけがあまりないと思うんですけれども、若い世代を中心に世界的にも非常に人気が高い一方で、競技がけっこう都市部で行われているようですが、こういったアーバンスポーツ分野での環境整備は「スポーツランドみやざき」として取り組んでいく考えがあるのかお聞かせください。
(知事)
サーフィンの陸上トレーニングとしてもスケボーが活用されているようですので、そういった環境を整えていくことが大事だろうと思います。スカイ・ブラウンさんの出身が高鍋町ということもあって、高鍋町長はぜひスケートボードの施設を作りたいという構想を持っておられるようでありまして、それはそれで一つ楽しみでありますし、今いろいろな団体などからいろいろな声を伺うことにしておりますが、県総合運動公園のプール跡地をどう活用していくかというところの中で、「そういったものを作ってほしい」という声を聞いたこともあります。それは決まっているわけではありませんが、今申し上げましたように、それぞれの市町村においても様々なきっかけで環境整備を進め、それから県としてもそうしたことをきっかけにしながら、問題意識としては、先ほどのサーフィンの環境整備とも関連付けつつ、スケートボードの競技環境を整え、場合によっては大会の誘致も今後の課題になるのかなと考えております。
(西日本新聞)
先ほどのサーフィンのインバウンドに関連して、多分九州で初めてということですけれども、ゴルフでもワンストップ窓口を作って、今年、インドネシアから第1陣が来ました。今後さらにこれを拡大するにはどういった課題があるかということと、可能性をどのように見ていらっしゃるかということをお聞かせください。
(知事)
今のインドネシアからの団体誘致について、今回の初めての取り組みは、昨年本県で開催した「アジア・ゴルフツーリズム コンベンション」の直接の成果と考えております。あのような大会を開催したことで、宮崎の環境がゴルフツーリズムに携わる方にアピールでき、今回初めての受け入れにつながったわけであります。受け入れにあたっての課題としては、もちろん空港からのアクセスの良さやゴルフ場の質の高さ、それから食の魅力等については変わらないところでありますが、海外の方を受け入れたときの言葉の対応、それから様々な文化・習慣へしっかり対応できるかというところをしっかり磨いていく必要があろうかと考えておりますし、今ゴルフ場は予約がかなりいっぱいになってきているということもありまして、そういったインバウンド受け入れのキャパシティがどうなのかというところは、現場も考えていく必要があろうかと考えております。先日訪れた台湾でも、やはり宮崎のゴルフに経済界の方はとても関心を持っておりまして、特にやはり「フェニックスカントリークラブでやってみたい」、「あそことゴルフ場の友好関係を結べないか」と、そんなことも言っていただき、大変ありがたいことだなと考えておりまして、しっかりそういったニーズを受け入れるべく、窓口や、それからそれぞれのゴルフ場の環境整備についても関係者と一緒になって取組を進めていくことができればと考えており、これも宮崎の大きな伸びしろだと考えています。
(宮崎日日新聞)
JRの関係でお伺いしたいと思います。日南線のあり方の協議について、1ヶ月ぐらい前にJR九州から表明がありましたけれども、その後具体的にいつから協議を開始したいであるとか、こういった協議をしていきたいという打診、もしくは打診があったのかも含めてお聞かせください。
(総合交通課)
現在の状況についてご説明いたします。JR九州の社長から定例記者会見で表明があったのが11月28日です。その後、今月上旬にJR九州本社から担当者がこちらに来られまして、趣旨について対面で説明を受けたところでございます。ただ具体的な話はございませんでしたので、今後、日程調整をして、話をしていきたいと考えているところでございます。現状は今のところそういった状況でございます。
(宮崎日日新聞)
改めての趣旨の説明があったということですが、改めてJR九州から正式に説明を聞かれて、どういうことが論点になりそうだなとかいうところについても、見えてきたところや報告があればお聞かせください。
(知事)
私は細かく詳細に報告を受けているわけでありませんが、基本的なスタンスは変わりありません。地域住民の皆様の大事な足であるということ、交通手段であるということを考える中で、様々な選択肢を含めて、今後どのように足を確保していくのか一緒になって考えていきたいと思います。
(宮崎日日新聞)
2025年の県政トピックスの資料にも入っているんですけれども、例えば都城志布志道路が全線開通する、あと県の陸上競技場・プールが供用開始されるなど新たな動きがある一方で、口蹄疫の発生確認から15年を迎えるんですけれども、全体含めて、来年がどういった意味合いを持つ年になりそうか、ご意見を聞かせてください。
(知事)
まずは陸上競技場・プールの供用開始もあって、その時点では2年後になりますが、国スポ・障スポの準備が本格化するということです。これは「スポーツランドみやざき」の将来にもつながりますし、大きな経済効果等ももたらすものでありますので、その準備を本格的に進めていくとともに、それから県民としてもそれをもっと実感ができる年になっていくと考えております。都城志布志道路の完成もありますし、例えば県立宮崎病院のグランドオープンということもあって、これまで進めてきた環境整備が完成して、様々な県民サービスの向上につながっていく年であろうかなと考えております。また、そうした施設整備とも絡めて、県立芸術劇場もリニューアルしておりましたが、オープンし、宮崎国際音楽祭が30回、そして若山牧水賞も30回を迎えるということで、文化という面でも大きな節目の年になります。国スポ・障スポについても、大会の開催が「スポーツランドみやざき」の将来につながるという思いで進めていくわけですが、やはり30回という節目を迎えた宮崎国際音楽祭、若山牧水賞を将来につなげるべく、しっかりと盛り上げていく、発信していくのが来年であろうかと考えておりますし、もう少し視点を引くと、関西万博がいよいよあと100日で開幕します。その機運が全国的に高まっているんだろうかということはございますが、九州7県共同で出展してアピールいたしますし、しっかり九州への誘客にもつながっていくように連携して取り組んでいくことが来年の大きな課題になってこようかなと思います。それから「スポーツランドみやざき」としては、世界陸上に向けて海外のチームの合宿の検討もされているところでありまして、キャンプ地としてのさらなるステータスを高めていくような取組も進めていきたいと思います。
(宮崎日日新聞)
あと「口蹄疫発生から15年」という節目についてはいかがでしょうか。
(知事)
これは今まさに鳥インフルエンザとの闘いも進めておりますが、家畜疾病について、本県にとっては農業が基幹産業であり、その大層を占める畜産をこれからも支えていく必要があると考えております。その中で物価高、それから和牛については枝肉価格の低迷等もあり、いろいろ力を入れておりますが、畜産をこれからも保っていくためには家畜疾病との闘いが改めて宮崎にとって大事であり、口蹄疫や、牛豚のみならず鳥インフルエンザ、さらには今警戒を強めているアフリカ豚熱への警戒を改めて強めていく1つのきっかけにしていく重要なご指摘であろうかと考えております。宮崎にとっては口蹄疫から15年という節目でありますが、来年には阪神・淡路大震災発生から30年を迎えるということでありまして、やはりそういった節目に合わせて、これまでの経験、教訓を活かしながら、さらに防災や家畜疾病対応を強化していきたいと考えています。
(宮崎日日新聞)
毎年最後の定例会見でお聞きしているんですけれども、年末年始はどのようなご予定で過ごされるおつもりでしょうか。
(知事)
今のところ実家の呉市で過ごす予定にしております。暦どおりだと9連休になるんでしょうか。今のところ1月4日には帰ってくる予定にしておりますが、ずっと呉市に滞在するつもりであります。滞在中も鳥インフルエンザも含めて大きな災害等が発生しないでほしいなと、本当に心から願っているところであります。自分のことのみならず、今年は様々な災害が多かったということで1年を総括したところでありますが、ぜひ平穏な年末年始、そして元気よく2025年を迎えることができればなと願っております。
(読売新聞)
これで終わります。
(知事)
1年お世話になりました。ありがとうございました。皆さま、よいお年を。
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総合政策部秘書広報課広報戦略室報道担当
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