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掲載開始日:2025年2月26日更新日:2025年2月26日
知事室へようこそ
ここから本文です。
私から冒頭何点かご報告を申し上げます。まず1点目は、台湾訪問の概要についてご説明を申し上げます。お手元に資料があるかと思います。先週2月9日から2月13日にかけて、様々な用務が重なったこともありますが、台湾出張としては初めて5連泊という長期の出張となったところでございます。
資料の4の訪問内容をご覧いただきますと、まず、九州地方知事会と経済界で組織する九州地域戦略会議のメンバーで初めて台湾を訪問しました。これは半導体関連産業での結びつきを深めるためです。今、九州全体として様々な産業の工場等が立地する中で、「新生シリコンアイランド九州」を目指していくためのグランドデザインをこの九州地域戦略会議で策定したところであります。その説明をしながら、台湾の半導体関連産業の中枢を担う新竹サイエンスパークを訪問し、研究機関であるITRI(イトリ)、それから日本で言う経済産業省にあたる行政院経済部の関係者と意見交換を行いました。台湾の半導体産業は今、世界をリードする存在になっておりますが、どのように産学官連携を図りながらこのような体制を築いてきたのかというところを学びながら、九州全体としての取組姿勢をアピールしつつ、さらに連携を深めていこうといった内容でございました。。行政院経済部からは、資料の右上の写真にあります、いわば大臣にあたる方でありますが、郭経済部長が出席され、郭部長からこの場において、「台湾貿易投資センター」という施設を福岡市に開設するという発表がなされました。時期、規模、内容等の詳細については未定でありますが、TSMCも含め、また関連企業の九州への立地・進出が続いております。そういったところや日本の企業とのマッチングなどをサポートするセンターです。一般的な貿易投資センターは既にあったわけですが、特に半導体やAIも念頭に置きながら、それに特化したセンターの設置ということであります。九州地域戦略会議としても、そういった分野で台湾との関係を深めていきたいという思いでありましたので、その方向に沿う1つの発表をいただいたのかなと受け止めております。今後とも様々な面でそれぞれの機関との連携を深めていきたいと考えております。
2つ目のランタンフェスティバルというのは、本県が桃園国際空港が立地します桃園市と友好交流協定を結んでおりまして、一番初めは合唱等の民間交流がベースになったものでありますが、その友好交流協定を締結してから8年目を迎えております。コロナの頃は、桃園市からマスクや消毒液をいただいたりと、いろいろな形でお互いを思いやるやり取りもしてきたところでありますが、今回は桃園市の張市長を表敬訪問しました。そして、この時期に参りましたのは、「ランタンフェスティバル」という台湾の大きなイベントが、大きな都市が持ち回りで開催されており、9年ぶりに桃園市で開催されるということで、その開幕式に招待いただきました。「ランタンフェスティバル」としては初めて雨の開幕式だったということでありますが、交流を深めてきたところであります。
それから、業務協力覚書(MOU)については、資料にあります「中華民国三三企業交流會」という日本で言う経団連にあたる大きな企業で構成する団体と県の商工会議所が業務協力覚書を締結しました。半導体にしろ観光面にしろ、様々な面で台湾の経済界のキーパーソンと連携を深めていこうということでございます。
それから、資料には明記しておりませんが、台湾の航空会社も訪問しております。現在「宮崎-台北線」を就航しておりますタイガーエア本社を訪問し、陳董事長(会長)からは、今年の夏ダイヤから、週1便から週2便に増便するという発表をその場でいただいたところであります。去年の11月26日に就航記念式典と歓迎セレモニーがあり、その夜の懇親の場でも、「週1便のみならず、ぜひ増便をお願いしたい」と要望を重ねてきたところでありまして、それを受けていただいたことを大変ありがたく思っております。やはり週1便と週2便の違いとして、今回だと例えば金曜日に台湾に向かって月曜日に帰ってくるという行程を組みやすくなります。タイガーエアは今、福岡県、佐賀県、宮崎県に就航しておりまして、例えば佐賀イン、宮崎アウトとか、逆もありますが、そういった旅行商品を組みやすい日程に今後なるのかなと考えております。昨年12月には、本県と台中市との友好交流協定を結びましたが、昨日は、2月16日に都城市で行われた音楽祭に参加された台中市をはじめとする合唱団の皆さんが県庁を訪問され、講堂で交流会も行ったところであります。しっかりと観光面にも結びつけるような取組、交流、それから航空便についてはさらなる増便を図っていくということ、そして今、半導体を中心として結び付きが強まっている経済面でも台湾との交流が宮崎の地域経済にもプラスになるようにしっかり展開してまいりたいと考えております。これが1点目であります。
次は、国スポ・障スポに向けた施設が完成しますので、宮崎県プールと宮崎県山之口陸上競技場の完成式典やオープニングセレモニーについての説明です。
まず、プールについては、資料にありますように供用開始は4月1日でありますが、その供用開始に先立って、完成式典を3月15日に行います。後ほど説明しますが、陸上競技場はオープニングセレモニーの日に供用開始するという段取りであります。そこがいろいろ事情があって違うところでございますが、資料にありますようにアーティスティックスイミングを披露していただいたり、デモ試泳といって泳ぎ初めみたいなものとして、松田丈志さんや県強化選手、私も参加させていただきます。あと、県の様々な選手等を対象としたスイムクリニックや、プールの外にクライミングウォールがありますので、オリンピックに出られた原田選手によるイベントも予定しております。プールという施設の都合もありますので、後ほど説明する陸上競技場のオープニングセレモニーについてはどなたでも観覧できますが、プールの完成式典については人数を絞って、そしてスイムクリニックに参加できる選手も一定程度に限定して行うことになろうかと考えております。
それから関連しますので次もご説明しますが、このプールのそばに一体的に整備している民間収益施設について、施設を総称して「ひなたメドレータウン」と命名されており、こちらの施設についての整備状況でございます。
資料に配置図もございますが、プールに隣接した地域にA、B、Cと大きく3つのカテゴリーで整備が進められており、放送局の移転、さらには宮崎大学のサテライトキャンパス、それからメディカルや飲食店などの集客のための施設の整備が進められております。
Aについては令和8年10月に、Bについては今年4月から、Cについても今年3月から5月にかけて開業されるといういうことで、Aについては時期が少しずれるところでありますが、プールの開業に合わせて、人の賑わいが生まれるような拠点の整備が進んでおります。この土地というのは元々、巨人のV9を支えた県営野球場があったところで、まさに「スポーツランドみやざき」の展開を考えた上ではその原点ともいうべき土地であろうかと思います。それが新たに2年後の国スポ・障スポ等も見据えながら生まれ変わって、「スポーツランドみやざき」の次のステージに向かう上での施設がこのように完成し、しかも街中に整備する施設でありますので、賑わいをもたらし、人の流れが新たにここに生じてくると考えております。今、宮崎駅前では「アミュプラザみやざき」等の整備がなされ、高千穂通についても整備されているところでありまして、そういったところと相まって役割を果たしていくのがこのプール及びこの「ひなたメドレータウン」になろうかと考えております。
なお、プールについては、イベント自体は3月15日にあり、供用開始が4月1日からとなりますが、この4月1日から2週間は無料開放を行うことになっております。それから、プールの利用料金などは、もうしばらくしてから発表されることになっております。関連する条例も今議会に提案しているところです。(正しくは「昨年6月議会に提案し既に議決」)それも踏まえながら、しっかりと県民の皆様にお伝えして、まさに賑わいの拠点となる施設であり、また本県で初めて屋内の50m温水プールができるということで、国スポ・障スポに向けての機運醸成にもつながろうかと思いますし、利用促進を図ってまいりたいと考えております。
もう一つが、陸上競技場です。これについては都城市と共同で整備を進めてきたものでありまして、そのトータルの公園の名前がネーミングライツによりまして「霧島酒造スポーツランド都城」と命名されております。県としては「KUROKIRI STADIUM(クロキリスタジアム)」等を整備したところでございますが、4月12日の供用開始日にオープニングセレモニーとイベントを行います。オープニングセレモニーでは、フィールドの中でのテープカット、イメージソングの披露のほか、特別ゲストの清山ちさとさん、中川もえさんをお招きして、私も参加させていただいて、走り初めを行います。オープニングセレモニーが終わった後は、一般の県民の皆様にスタジアム見学ツアー、それから都城市で行われる国スポ競技などが体験できる体験コーナーなどを設けて、スタジアムのお披露目を行います。
県が「KUROKIRI STADIUM(クロキリスタジアム)」と投てき練習場を、それから都城市が「AKAKIRI FIELD(アカキリフィールド)」という補助グラウンドや多目的広場を、役割分担しながら整備を進めてきたところですが、都城市が行う外構工事等にもう少し時間がかかるということで供用開始がずれ込んで、4月12日のオープニングとなります。
なお、オープニングセレモニーの終了後は、こういった見学ツアーもあるわけですが、宮崎陸上競技協会主催の県記録会が「KUROKIRI STADIUM(クロキリスタジアム)」で行われることになっております。それから、5月3日には九州電力のラグビーチームである「キューデンヴォルテクス」の公式戦が行われるという予定が入っています。次々といろいろな予定が今後発表され、それぞれスポーツの拠点として活用されると思います。プールでは、早速4月19日と20日に宮崎県水泳連盟が主催する「ひなたカップ」という大会の開催が予定されているところでございます。
2年後に向けた施設整備ではありますが、しっかりと「スポーツランドみやざき」の将来につながるよう、そして、ここを拠点にスポーツの振興をさらに図っていきたいと思います。さらにまた賑わいづくりを図るための活用を進めてまいりたいと考えております。陸上競技場等の利用料金等についても、また改めて発表していきたいと考えております。
私からは冒頭以上です。
(NHK)
今回、初の長期にわたる台湾への訪問だったということですけれども、改めて知事の手応えはいかがだったでしょうか。
(知事)
まず九州地域戦略会議として、そして九州地方知事会と経済界が一体となって訪問するというのが初めての取組でありましたので、台湾の関係者に対して九州のことをしっかりと伝え、そして我々自身も様々な学びを得ることができたと考えております。台湾では、産学官が連携した「新竹サイエンスパーク」というところがあり、東京ドーム140個分の広さらしいですけど、そこに集約して、そこが半導体産業を引っ張る大きな拠点になっているということです。九州では、既に様々な工場や研究機関が各県に分散しておりますので、台湾のような作り方はできないとしても、分散して立地する研究機関等が連携して同じような機能を目指していこうというように、そのアプローチは違うわけですが、台湾に学びながら九州全体としてもそのような方向を目指していこうというグランドデザインを定め、動きが進められているところでありまして、日本全体を考えても半導体産業の一大拠点になるということで、我々がその役割を果たしていくんだという思いを改めて確認できた機会であったかと思います。それから、台湾への直行便の増便が図られることについても明るい話題であろうかと考えております。昨年11月の就航以来、搭乗率も順調だということでありますので、さらなる増便につながるような働きかけや、県民の利用促進も促していきたいと考えております。
(NHK)
やはり今回の目玉といいますか、半導体関連産業が大きく打ち出されております。ただ、九州においては、言い方はあれですけれども熊本県の一人勝ちみたいな側面がまだあるのかなと思いますが、知事は、今後この台湾、特にこの半導体関連産業での宮崎県との将来的な関係をどういうふうに展望していらっしゃいますでしょうか。
(知事)
勝ち負けという話ではないと思いますけど、いろいろな事情があって、TSMCという本当に世界をリードする大きな工場が立地したことによって、関連会社の立地も進んでおります。もちろんそれ以外の日本の企業の集積もあってのことではあります。半導体に関しては、熊本県、それからやはり福岡県が2つの大きな核となっておりますが、本県においてもラピスセミコンダクタの第2工場が立地するなど、決して1つ県だけが半導体産業の集積地点になっているとは考えておりません。九州全体では、集積回路の出荷額も、全国の半分ぐらいになっているのではないかと考えております。その中で、元々グランドデザインを整備したときのように、大きな工場があり、そこでモノを作るだけではなく、研究開発の機能も含めながら九州全体として日本の半導体産業をリードできるような取組を進めていこうという動きが進んでいることについて、九州地域戦略会議ということで経済界と九州地方知事会が連携して様々な取組を進めてきました。九州観光機構といった組織もありますし、ツール・ド・九州なども行われております。そういった取組の延長線上で、半導体に関してもさらに連携を深めて、九州全体としての結びつきを深めていこうと考えております。その中で宮崎県として、やはり人材育成は極めて重要であります。九州大学を中心として各大学をオンラインで結んで同じ授業が受けられる仕組みもできておりますし、コンソーシアムでの連携など、いろいろな面で関係も深まっていようかと思いますし、関連のさらなる企業立地等の可能性も考えられるのではないかなと期待しております。
(NHK)
昨日、病院局の職員が飲酒運転で懲戒免職になりました。今年度だけで4人目ということであります。本来、法令順守の見本になるべきである県職員の懲戒処分を単年度で4人に行ったことについて、知事はどういうふうに受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(知事)
ご指摘のとおりであります。交通法令の遵守を含む規律の徹底については、繰り返し職員に対して促してきたところでありますが、今言われたように懲戒処分が相次いでいる状況を大変重く受け止めております。また、県職員として様々な範を示すべき立場にある者に、このような事態が続いているということを県民の皆様に対して申し訳ないという思いも知事として持っております。大事なことは再発防止の徹底ということで、通知、そして会議を行い、緊張感を持って再発防止に努めているところであります。特に飲酒運転というのは、本当に九州でも痛ましい事故が過去に起きていること、それから飲酒運転の事例などは同じようなパターンが繰り返されているということで、しっかりとそういった過去の教訓を受け止めながら、「二度と起こさないんだ」ということを組織全体として改めて徹底してまいりたいと考えております。
(NHK)
そもそも飲みに行くのに車で向かうというのがはじめ信じられなかったんですけども、そういった意識みたいなものが底流にあるのでしょうか。
(知事)
それは運転代行というシステムがありますので、車で行くことが必ずしも完全否定されるものではないと思いますが、運転代行を頼むはずだったんだけどなかなか捕まらず、「来なかったから、ちょっとだけならいいだろう」ということで車に乗ったという事例が過去にもありました。そのときに、やはりお酒を飲んでからの判断になってしまうと、判断能力が低下するのではないかと思います。そこにストップをかける仕組みが必要です。もちろん、そういうときにまずは車に乗って行かないことも安全策としてあろうかと考えておりますし、運転代行が来ないときでも車の鍵を誰かに預けておくとか、決して自分が酔った状況で判断しないとか、いろいろな仕組みがあろうかと考えております。
(NHK)
今回の事態を受けて改めて、職員、それから県民に対する知事としての所感、訴え、アピールをお伺いできますでしょうか。
(知事)
申し上げたとおりであります。大変重く受け止めており、申し訳ないという思いがあります。範を示すべき県職員として、交通法令を遵守すること、服務規律の保持を徹底することについて、改めて組織内で徹底を図っていきたいと考えております。
(宮崎日日新聞)
職員の懲戒処分について、本年度で4名ですけれども、年代を見ると21歳から31歳と、非常に若手が多い印象ですが、この辺りの分析ですとか、具体的な再発防止策を講じられているか確認したいです。
(知事)
結果的に若い世代の県職員としての将来が断たれることになって残念な思いがしているところでございます。繰り返し服務規律の保持を徹底すること、それから過去のそういった事例を学びながら、同じ失敗を繰り返さないこと、これを組織の中で徹底していくことが重要であろうかと考えております。
(宮崎日日新聞)
なぜ若手が多かったかというところは、結果的にということでしたけれども、何か足りない部分ですとか、こういった再発防止策があるとか、何か考えてらっしゃることはありますか。
(知事)
同じようなパターンが繰り返されていることを重く受け止める必要があろうかと思います。先ほど言いましたように仮眠を取った後、朝に運転してしまうような事例が本当に過去に多かったと思います。そういったところをしっかり学びながら、またそういった情報も共有しているところでありますが、改めて組織の中で年代に関わらず、隅々までそこを徹底していくことが大事であろうかと考えております。
(共同通信)
昨日、全国の知事有志が、他候補の当選を目的として立候補する2馬力選挙などの問題を踏まえて国に抜本的な対策を要請する緊急提言をまとめられて、河野知事も賛同して参加されたということで、賛同された理由と知事ご自身はこの問題に対して今どういったお考えをお持ちか教えてください。
(知事)
選挙は民主主義の根幹であろうかと考えております。その根幹たる選挙制度の土台が揺らぎかねないような事例が今、全国で見られるところに強い危機感を抱いております。いわゆる2馬力と言われるような選挙のあり方、それからポスター掲示板の不適切なビジネスにつながるようなやり方、それから他候補の様々な活動を妨害するようなやり方が生じており、これは断じて許してはならないと考えておりますし、今、世界で民主主義が揺らいでいる状況にあるという認識のもとに、選挙のあり方が根本から崩れるようなことがあってはならないという思いでございます。選挙制度については、私が前に所属しておりました総務省に選挙部というところがありますが、基本的には各党、各派が議論しながらそこで合意を得て制度改正につなげていくものであり、役所だけでいろいろな規制をかけることがなかなかできない部分もあります。今、国の立法府でも様々な検討がなされているということであります。地方自治は民主主義の学校と言われることもありますが、本当に基本的で大変重要な部分を担う我々が現場で強い危機感を抱いていることをしっかりと立法府へも受け止めていただいて、さらなる検討、そして、法改正等の対応を進めていただきたいと考えております。
(共同通信)
話題が変わるんですけれども、ユネスコの無形文化遺産への登録を目指す神楽についてお伺いします。新年度は書道に次ぐ日本国内の提案候補が審議される重要な年だと思います。全国神楽継承・振興協議会において、宮崎県や河野知事の果たされる役割はとても大きいものだと思うんですけれども、目標の一つである無形文化遺産登録に向けて、この1年はどういった働きかけが必要になってくるとお考えでしょうか。
(知事)
大事な年になってこようかと思います。特に温泉など、他の様々な団体も積極的に活動しておられ、非常に熱心な活動を拝見する中で、神楽については、これまで全国の国指定神楽のご協力を得ながら、協議会の活動を進めてきたところでありまして、国の候補となるようにさらに働きかけを強めていこうとその準備をしているところであります。やはり国指定の40ある神楽の構成県がしっかりと連携しながら強くアピールする体制を作っていきたいと考えております。
(共同通信)
先ほどお話がありました温泉文化なども無形文化遺産登録を目指して活動されていて、それぞれ特徴がある中で河野知事は、他の文化とは違うといいますか、神楽ならではの魅力や残していく意義についてどのようにお考えですか。
(知事)
神楽の価値については、伝統的、歴史的な価値があること、またそれが地域コミュニティの維持にあたって極めて重要な役割を果たしているというのは、文化的な観点からとても意義深いことであろうかと考えております。ユネスコの無形文化遺産は、やはりそういった価値ある文化を今後とも守り、それから伝えていこうというところが趣旨であろうかと考えております。温泉文化も大事ではあろうかと思いますが、ビジネスを優先に考えるものではないと思います。温泉文化の皆さんがみんなそうだと言っているわけではありません。温泉文化については、学術的な蓄積がどれだけあるだろうかとよく言われることがあります。神楽については、様々な研究者がこれまでも研究し、いろいろな伝統芸能等とのつながりや歴史的なものは厚みがありますので、我々は自信を持って登録を目指して活動を続けていきたいと考えております。神楽が登録されたときには、やはり地域の皆さんにとって大きな励みになると思います。今、少子化・高齢化、そして担い手の確保に困難な状況というのはどこの団体も直面している課題でありますが、例えば風流踊で無形文化遺産に登録された五ヶ瀬の荒踊なども、登録されたことによって、やはり地域が、自分たちがいわば世界の宝になったという誇りのもとで、いろいろな活動をさらに展開していこうというモチベーションにつながるわけでありまして、ぜひ宮崎のみならず、頑張って保存・継承に取り組んでいる全国の団体の背中を後押しできるような、励みになるような方向を目指していきたいと考えております。世界農業遺産のときも感じましたが、これは日本の神楽のみならず、世界的にこういった伝統的な舞いや踊りのようなものは必ずあると思います。でも、それを日本のように大切に守り育てて、国指定の重要無形文化財へと位置づけて保存継承しているのは、世界のモデルにもなるのではないかなと思います。そこがユネスコに対してアピールする、非常に大きな価値となるものであろうかと思います。高千穂郷・椎葉山という条件が不利なところでも農業を継続・維持するために頑張っているところが評価されて、「まさにあれが農業遺産のモデルですね」と審査委員がおっしゃったことを思い出しておりますが、神楽についても、そういった意味で私達日本のことだけではなく、世界に向けてこうした形で守っていこうよというモデルとなるものだということで、しっかり思いを共有して取組を進めていきたいと考えております。
(時事通信)
2馬力選挙の話です。先日、千葉県知事が、自身を応援するために立候補するという人物に対して「迷惑だからやめてほしい」と発言されました。仮定の話になってしまうんですけど、もし知事がご自身の選挙の際に、知事を応援するために立候補する人物が現れた場合、どのように対応するか、また、知事の対立候補の方が明らかに2馬力選挙に該当するようなことをやっていた場合にそれぞれどのように対応するかお願いします。
(知事)
いずれにせよ、選挙としておかしな形であろうかと考えておりますので、そういったものはやめていただきたいということを強く感じております。公職選挙法の中で、数量制限というものがあります。数量制限にも真正面から抵触するのではないかということも言われております。数量制限をかけることによって、お金を持った方もそうでない方も公平に選挙に参画できるというのが一つの考え方でありますので、まずは2馬力というものはそれに抵触するのではないかなと感じております。
(時事通信)
先日、村上総務大臣が、「全国の市町村は極端に言えば300から400ぐらいでいいんじゃないか、極端なことを言えば県庁もいらない」という発言をされていまして、おそらく個人的な見解だと思うんですけれども、知事としての受け止めをお願いします。
(知事)
正確に文脈や発言を見ているわけではなく、私もその言葉だけを拝見したところですが、人口が減少することについての強い危機感を総務大臣なりにそういった表現で発言されたのかなという受け止めであります。それから、人口減少もありますし、効率的な地方行政システムはどうあるべきかということについて、以前は道州制のような議論もありましたし、政令指定都市はもっと独立させて特別市にするべきだという議論もあります。行政システムの形としてはいろいろ考えられることについての一つの表現なのかなと思います。どれぐらい先のことを見据えてそういうふうにおっしゃったのかというのは正確に把握しておりませんが、いずれにせよ冒頭申し上げましたように、人口が減少する中で行政システムをどう考えるかという一つの問題提起かなと考えております。
(NHK)
どうもありがとうございました。
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