掲載開始日:2025年8月4日更新日:2025年8月4日

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宮崎県知事定例記者会見(2025年7月15日)

項目

 配布資料

知事のフランス訪問について(報告)

から何点かご報告を申し上げます。

ず1点目は、先日フランスを訪問してまいりましたので、その概要についてのご報告であります。現在、九州の経済界と知事会が連携した九州地域戦略会議におきまして、サイクルツーリズムの振興を目的としたツール・ド・九州という大会を開催し、3回目である今年から本県も参加するわけですが、参考としておりますツール・ド・フランスの運営実態を調査するという大きな1つの目的と、それに合わせて、本県独自の取組でありますが、フランスのスポーツ団体、競技団体に対しての合宿の誘致や、フランスへの県産品の販路拡大に向けた現地の関係者との意見交換を行ってきました。そのような3つの目的であります。日程は資料にありますように4泊6日、機内泊がありますので、現地フランスでは3泊ということになります。

資料の4の訪問内容のところにありますが、ツール・ド・フランスには21のステージがありますが、今回我々が実際に現場を見たのは、ステージ4と5です。スタート地点の様子とフィニッシュ地点の様子を調査してまいりました。ツール・ド・九州にしても、このサイクルレースというものが、マラソン大会のイメージのようにスタート地点やフィニッシュ地点があって、そこを走るのではなく自転車に乗っていくというイメージは湧くと思いますが、スタート地点で相当な時間やエネルギーをかけて、スポンサー企業等がヴィレッジという大会関係者に向けてのブースで地域のPRを行う。さらには、キャラバンということでスポンサーなどが、日本の祭りでいう山車のようなものを繰り出して、いろいろなPRを行いながら参加された方、来場された方を楽しませる取組がされておりますので、現地で見てまいりました。今年10月には、延岡をスタートしまして佐伯までのワンウェイ、これをラインレースと言いますが、こういったツール・ド・フランスの取組を参考にしながら、スタート地点での盛り上げというものもしっかり考えていきたいと思います。皆さんにイメージを持っていただくために、私自身が現場で撮った動画をご覧ください。

(動画再生1)

これがキャラバンというもので、200台ぐらいの賑やかしの車がどんどん走ってきて、その企業のPRをするとともに、例えば帽子などいろいろなグッズを配っていく、それを楽しみに多くの皆様がレースの前から、こういったところに待っているということです。

(動画再生2)

この動画は、スタート地点の様子で、このような車が次々と百数十台、どんどん流れてくるというイメージを見ていただければと思います。これもキャラバンの状況でありました。

ース自体は、ステージ4がアミアンというパリの北部にある人口14万人程度のところからルーアンというところまでのワンウェイのラインレースと、ステージ5はカーンという人口10万人程度の町で、33キロ程度をぐるっと1周し、1人ひとり1分間隔ぐらいで出ていってタイムを競うタイムトライアルの2種類のレースを視察したということであります。

(動画再生3)

これはステージ4の最後、ゴールまで100mぐらいの地点です。174キロ走ってきて、マラソンにおける競技場勝負みたいな感じの最後の直線コースで、黄色のジャージのその時点のトップの選手が先行していたのですが、最後の最後に抜かれて別の選手が優勝したというレースでした。動画で見ていただいたと思いますけど、このような看板をどんどんと叩いて応援するというのは、延岡でやっているゴールデンゲームズのようなイメージ。ゴールデンゲームズはこれを参考にしたのかどうかはよくわかっておりませんが、こんな感じで沿道で、本当に通り過ぎるのは一瞬でありますけど、みんなこのために1、2時間前からここに立って待っているというワンウェイのレースの様子でした。

(動画再生4)

次に見ていただくのが、タイムトライアルです。1分間隔でどんどん選手が出ていって、最後のゴール直前の地点で、マイヨ・ジョーヌというその時点のトップの黄色のジャージを着ている選手が今から登場するのですが、さっきのワンウェイのレースはみんな同時にスタートしてどのような競り合いになっているかが分かりやすいですけど、これはその時点でのタイムが遅い選手から順番にどんどん出ていって、会場の画面には、選手が33キロを走っている中間地点で、今日の時点で何位の記録かというのが表示されて、動画で見ていただいたようなフィニッシュを迎えているというものであります。キャラバンやレースの雰囲気はこんな感じということで少し動画を見ていただきました。

いろいろな目的で現地を見るとともに、ツール・ド・フランスを運営している会社「ASO」というツール・ド・フランスだけじゃなく、パリダカールやパリマラソンなど、幅広くスポーツ大会、しかも世界的規模のスポーツ大会を運営している会社の方々と意見交換をしております。現在、ツール・ド・九州はクラス1という国際的なレースの中の上から3番目の位置づけになるのですが、事務局としては、これをさらにもう1つ上のクラスに上げていきたいという問題意識を持っていて、そのためにはどのようにツール・ド・九州の魅力を高めていけばいいかという意見交換も行ったところでございますし、21のステージと申し上げましたが、プロのレーサーが21のレースを走る前日にレタップというものがありまして、ツール・ド・フランスと同じコースを、一般の自転車愛好家1万2、3千人が参加して走るというイベントをやっているということであります。ツール・ド・フランスは約3週間かけてフランス国内の3300キロ、ツール・ド・九州は約4日間で500キロということですから、歴史にしても距離にしても全然スケールが違うわけでありますが、レースの状況が逐次テレビで放送されて、その放映権が大きな収入になっているということと合わせて、レタップという一般参加の方のサイクルイベントを行うことで、さらに魅力を高めているということがあります。このレタップに当たるものをツール・ド・九州でやっているわけではありませんが、例えば、ダンロップフェニックストーナメントなどが行われるときに、それに合わせて芝を整備して、その直後のゴルフコースでラウンドしたいというゴルフ愛好家のリクエストが強いわけでありまして、ツール・ド・九州と同じようなコースを走りたいという自転車愛好家の皆さんを、サイクルツーリズムに結びつけていくという取組も、いずれ九州で考えていくことができればと考えております。レースのレベルを上げていくという話に加えて、一般参加をどうしていくのかというところも問題意識を持ちながら意見交換を行ったということと、ツール・ド・フランスに参加している約20チームのうち、1つか2つのチームがツール・ド・九州にも参加しておられるということで、九州の評価というものを、そのチームの皆さんや運営会社であるASOというところから聞いたのですが、歴史の浅い大会にしてはしっかりとした運営がなされているという良い評価もいただいたところであります。現在、ツール・ド・九州のディレクターをツール・ド・フランスの経験のある海外の方にお願いしておりますので、そのような人の繋がりの面でも、しっかりと海外の歴史ある大会を参考にしながら、ツール・ド・九州というものを形づくりつつあります。しっかり時間をかけて定着し魅力を高めていき、そして大事なことは、大会を行うということではなく、サイクルツーリズムに結びつけていくということを九州全体として連携してやっていきたいというのが1つ目であります。

それから、フランスの陸上競技連盟と柔道連盟を訪問してまいりました。これは、2015年にミラノの食博覧会があったときに、東京オリンピックに向けてドイツの陸上連盟や柔道連盟に対して誘致したのとは異なりまして、特定の大会に向けてということでの合宿誘致ではありませんが、せっかくフランスに行った機会を活用し、競技団体に対して、いずれ日本やアジアで大会が行われたときに、合宿地の候補として宮崎を考えていただきたいという思いでセールスを行ったものであります。

陸上競技連盟については、今回の世界陸上では、本県はイギリスとドイツを受け入れますが、フランスの陸上競技連盟は和歌山県に行くということを伺ってきました。空港からのアクセスや施設の魅力、これまでの受入実績というものをアピールしたところでありまして、いずれ宮崎のことも興味を持ってもらう、それからその他のスポーツ団体にも宮崎のことを話してみたいということも陸上競技連盟の役員の方が話をしておられました。

柔道連盟の方は少し異なりまして、施設云々というよりも、練習相手がいるかどうかというところが大きなポイントでありまして、ちょうど我々が訪問したときも天理大学に行っているという話で、天理大学、東海大学、筑波大学といった強豪チーム、そしてなるべく多くの日本の選手と練習ができるような環境というものを求めているという話がございました。我々は延岡に旭化成の柔道チームがありますし、ドイツなどの柔道チームを受け入れるときには、女子のチームはないものですから、大学の選手に来てもらったりして、そのような練習環境を整えたりしたところでありますが、そういった状況をお話してきたということと、ビジネスサポートデスクにおける販路拡大については、特に焼酎関係等の現地での評価、まだまだ知名度は低いということでありますが、フランスで行われた日本酒と焼酎のコンペティションKura Masterで、柳田酒造の青鹿毛がグランプリをとったということもありますし、そのような評価や実際の青鹿毛の魅力もあって、そういった焼酎を中心に注目が高まっているという話がありました。まだまだこれから時間をかけて、伸びしろのある焼酎をはじめ、それ以外の物産等についてもフランス、EUというマーケットを見据えながら、しっかりと販路拡大に努めていきたいと考えております。

以上がフランス訪問の関係であります。

宮崎県外国人材受入・定着支援センターの開所について

次は外国人材受入・定着支援センターについてということで、資料にありますとおり、現在、外国人労働者数、雇用する事業所数が増えているということは、グラフでお示ししているとおりであります。人口減少、少子化が急速に進む中で、就業人口の減少も急速に進んでおり、外国人労働者が大きな役割を様々な産業分野で果たしているということが現状であろうかと思います。例えば、15年後の2040年には、本県の就業人口は12.9万人減少する、とても大きく減るということで、現在約1万人の外国人労働者が県内でも活躍しておりますが、ますます増えていくことになるのではないかと。それをしっかりと受け入れることができるような体制ということで、様々な生活の困りごとの相談に関しては、これまでもカリーノ宮崎の地下1階に外国人サポートセンターを設置して対応してきたところであります。

今回設置します外国人材受入・定着支援センターは、そのような生活の困りごととは違って、いろいろな事業者が外国人材を受け入れようとしたときの相談に対応する、どちらかというと仕事の面での外国人材受入れに関して、様々な企業等の相談に対応していこうということで設置するものでありまして、運営会社は東洋ワークという宮城県の会社でありますが、他県でもこういった業務について実際に運営されている経験もあるということで、それも活かしていただきながら、取組内容としては、資料にありますように電話、メール、来所等によりまして、外国人材の受入れ、定着に向けた相談にワンストップで対応するということであります。開所日については、一番下に書いてありますように、あさって17日でありまして、開所を記念した講演を県電ホールで行うということであります。全国的な人口減少、外国人材の増加ということに対応して、県内においても、仕事の面、さらに暮らしの面でもそういった環境変化に対応できるような体制を整えるということでのセンターの開所のご報告でありました。

若山牧水賞第30回記念事業について

3点目であります。

今年は文化関係では30年という大きな節目、宮崎国際音楽祭も30周年でありましたが、若山牧水賞も30周年を迎えるということ、さらに今年は若山牧水生誕140年ということもありますので、牧水の功績を改めて顕彰する事業に取り組むということで、資料にありますように、様々な取組を用意しているところでありますが、今日ご報告するのは1と2であります。「短歌日記帳」と「短歌投稿キャンペーン」ということであります。せっかく若山牧水の生誕地であり、牧水賞を含めた様々な短歌賞も行われている、そして今全国的にも短歌の人気が高まっているという状況の中で、日本一の短歌県を目指していこうという本県の取組も背景としながら、これまであまり短歌に親しんで来られなかった方にも、より身近に感じていただこうということで、特に子育て中の世代等に対してということをイメージしながら「短歌日記帳」を作成し、牧水や牧水賞の歴代受賞者が家族や子育てについて詠まれた歌を掲載するとともに、ぜひ短歌を書いてみませんかということを促していくものです。資料にありますように、8月の上旬から市町村において、母子健康手帳を交付する際に順次配布するということ、また、希望に応じて窓口や県や市町村主催の子育てイベント等でも配布することで広げていこうという取組であります。

もう1つは「短歌投稿キャンペーン」でありますが、これはインスタグラムを活用したキャンペーンで、「あなたも短歌を詠んでみませんか」という呼びかけであります。最近、SNS上でも短歌が大変盛り上がっているということでありまして、そういった流れの中で、若山牧水という題詠と書いてありますが、若山牧水の名前の文字をそれぞれ1文字以上を使って短歌を詠んでみませんかと。これは、短歌コンクールや短歌賞ということではなく、優劣をつけて最優秀賞、優秀賞ということではなく、短歌をどんどん詠んで投稿してみませんかというような呼びかけ、キャンペーンということで、短歌チャレンジという表現をしております。投稿された方の中から抽選で50名に県産品が当たるということで、少し背中を後押しする、県産品が当たるのでどんどん詠んでみましょうと。決して優秀な作品を選んで、その50人に県産品を贈呈ということではなく、どの作品にも当たる可能性があるわけです。作品が良い悪いという話ではなく、とにかく親しんでもらうというところがポイントであろうかと思います。投稿者全員に当選のチャンスがあるということで、改めて短歌について、そして本県が生んだ国民的歌人である若山牧水について、30周年という機会に意識を高めていく、知ってもらおうという趣旨であります。

ちなみに、昨日、担当に知事も詠んでみませんかと言われて、詠んだのがこれであります。恥ずかしいですが、本歌取です。

幾山河越えさり行かば若き日の清水と牧の里に帰らむ

というのを詠んでみました。若・山・牧・水のうち1字を使いましょうということですけど、これは結局全部使いです。若も山も牧も水も全部使いというのと、「幾山河越えさり行かば」という歌の本歌取に挑戦したという、意欲的な歌ということになっております。「越えさり行かば」の元の歌が、「寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく」ということで、やはり旅を愛し、酒を愛した歌人ということで、寂しさを感じながらも憧れて旅に出るというのが牧水の姿勢であり、作風なわけでありますが、これはどちらかというと自分が若い頃を過ごした坪谷のことを思い出しながら、清水というのは坪谷には清流もたくさんありましたよね。牧は牧場といいますか家畜、牛もいたでしょうし、そのような農業が盛んな土地、美しい自然、農業に包まれた自分の故郷のことを思い出しながら、帰らむというのは本当に帰ることができるだろうかという反語的なイメージではありますけど、意味合いとしては、帰りたいな、いつか帰ろうっていうような気持ちの歌として詠んでみました。ちなみにですが、牧水という号は、自分が大好きなもの2つを組み合わせて、牧水という号を作ったということで、「水」の方は清流というまさに豊かな自然ということと、それから「牧」の方は、お母さんの名前ということで、この牧の里というのは、牧場のような環境を表すとともに、お母さんの住んでいる故郷に帰りたいということをかけてみたということで、蛇足でありましたが、こんな感じで楽しみながら作りましょうという、恥をかきつつあえて作ったものであります。

徳永二男氏 県民栄誉賞受賞記念ヴァイオリン・リサイタルについて

それから最後であります。

徳永二男さんのヴァイオリン・リサイタルということで、お手元に資料が行っているかと思います。宮崎国際音楽祭の大きな立役者である徳永二男さんに先日、県外出身者としてはアイザック・スターンさんに次いで県民栄誉賞を贈呈したところでありますが、徳永さんの方から県民栄誉賞の贈呈に対する感謝の思いで無料のコンサートを行いたいという申し出をいただいて、このように準備が整いましたということで、8月30日アイザックスターンホールで予定しております。入場無料でありますが、事前にチケットの予約、引き取りが必要だということであります。

改めて徳永二男さん、青木賢児さん等々と連携しながら、音楽祭の大きな軸を作っていただき、そして音楽監督は三浦文彰さんにバトンタッチされたわけでありますが、30回続く宮崎国際音楽祭、本県の文化振興の大きな核の1つを築いてくださった立役者であります。その感謝の思いとともに、県民栄誉賞を贈呈したわけでありますが、改めて皆さんにこのようなコンサートを提供していただくということで、ぜひこのコンサートでは、これまでの音楽祭を振り返りつつ、さらに今後の音楽祭をどう盛り上げていくかということも、来場された方には思いを馳せていただければと考えております。

私からは冒頭以上であります。

質疑応答

知事のフランス訪問について(報告)

(NHK)

それでは幹事社からまず数点お伺いします。ツール・ド・フランスについて、本場でご覧になられて、いろいろな雰囲気、観客の雰囲気とかも感じられたと思いますけど、改めてその感想をお願いします。

(知事)

映像で盛り上がっている様子をご覧いただいたかと思います。マラソン大会の延長で自転車のレースですねというわけではなく、お祭りと融合したようなスポーツイベントです。先ほどのキャラバンにしても、例えば神武さまや、延岡では大師祭のようなものがスタート地点で繰り広げられる、それも楽しみながらということで、100年以上の歴史を持つ大会がこのように大規模に、しかも世界3大スポーツと言われていて、オリンピック、サッカーのワールドカップと並ぶぐらい世界中で35億人もの多くの方がご覧になる一大スポーツイベントが、想像していた以上の盛り上がりとスケールで行われているということを改めて感じました。キャラバンの台数だけでも200台以上ということですし、それから23チームのバスなどもあるわけですけど、毎日フランス国内のステージを動いていくわけです。それから、放送関係の施設も実際見せていただきましたけど、とてつもない規模の人の参加、様々な機材。そしてフランス全土で行う最後は、シャンゼリゼがゴールだということで、これもフランスの魅力を世界に向けて発信するイベントになっているということを改めて感じたところであります。

大事なことは、名前をツール・ド・九州ということで、ツール・ド・フランスを参考にしながらやっておりますが、それと同じことをやれば、ツール・ド・九州が盛り上がるかというと決してそうではないと思います。九州は九州なりのやり方で盛り上げていく必要があるのではないかということで、しっかり自分たちのものとして考えていこうという議論を現場でしたところであります。まだどうするということが決まっているわけではありませんが、ぜひ本県としても、それから九州全体で連携しながら1つの大きなイベントとしていき、そのことによって九州のサイクルツーリズムの環境のアピールに繋げていきたいと考えています。

(NHK)

ツール・ド・フランスは100年ぐらいの歴史があるとのことですが、逆に100年かけてあれだけの盛り上がりを作ったんだということもあると思いますが、宮崎県において野球とかサッカーというのは非常に馴染みのあるスポーツだと思いますけれども、それと同じようなレベルまでいかなくても、この盛り上がりをどうやって作っていくお考えでしょうか。

(知事)

元々レースをやりたいというよりもサイクルツーリズム、自転車というものを、観光も含めて「スポーツランドみやざき」としてもっともっと生かしていきたいということでのコース設定なども現在行っているところでありまして、いろいろな大会も県内でも既に行われておりますが、自転車を日頃から乗って親しむということが、ヨーロッパは日本の状況と比べると、厚みが違うなということを改めて思いました。相当自転車を普段から使っている。そしてこの自転車レースを楽しむという文化が、根付いているものがあろうかと思います。

フランスに行って感じたことは、箱根駅伝も100年以上の歴史がある、箱根駅伝という例えば、とても大きく盛り上がっているスポーツイベントがあるので、アジアのどこかの国の地域がそれを参考にして駅伝の大会をやろうじゃないか、というのと同じ立場に九州があるのではないかと思います。駅伝におけるその歴史の厚みもないし、運営ノウハウやメディアにおけるカバーなど、それは全く違う状況の中で、でもリープフロッグという言葉があるように、発展途上国がこれまでITも含めて技術がない、でも技術がないからこそ、最新の技術でカエル跳びのように1足飛びで前進するというような発展が見られるということで、そのようなことを目指していこうという呼びかけもしたところでありますが、ツール・ド・フランスが長年にわたって築き上げられたいいところ、目指すところ、それを参考にしながら、九州ならではの大きな飛躍ができるような大会づくりをしていくことができればと思います。改めて九州地域戦略会議が夏と秋にありますので、今回の調査結果も踏まえながら、今年の大会、来年以降の大会に生かしていきたいと思います。

宮崎県外国人材受入・定着支援センターの開所について

(NHK)

国人材の受入れの件ですけども、その背景としては、少子化の中でいかに人材を確保するかとそれを外国に求めているということがあると思いますが、改めて、少子化が進む中での人材の確保といった意味での外国人への期待をお話いただけますでしょうか。

(知事)

様々な産業分野での人手不足が急速に進んでいる状況の中で、もちろん産業を担っておられる方々の働き方改革をしながらより効率的に働いていこうと、ITやAIなどを活用しながらやっていくということが1つの取組でありますし、それからもっともっと高齢者の方、女性の活躍というものも言われておりますし、そのような日本人や様々な技術も含めて、人材不足の解消に取り組んでいくということは進んでおりますが、それでは補いきれない部分を、外国人材で補うということが急速に進んでいる状況をグラフでも見て取れるかと考えております。この傾向は、人口減少にまだまだ歯止めはかかっていない状況の中で、これから10年20年30年は確実に同じようなトレンドで進んでいきますので、外国人材が必要とされてくる度合いがさらに強まってくると考えております。それを良い形で受け入れる。日本は黙っていてもアジアも含めて、海外から人材を受け入れることができるということではなく、各国間の人材獲得競争が既に進んでいる状況がありますので、しっかりと国全体の方針、それぞれの地域での受入環境を整えていく必要があるということで、今回のセンターの立ち上げということになります。

(NHK)

先ほど、将来的には宮崎県の就業人口が12.9万人減少するという数字を出されましたけれども、一方で外国の方が増えてくることに対して、ネットや選挙戦で排外的な言論ではないかと疑われてもおかしくないような言葉が飛び交う現状があります。こういった点について知事はどうお考えでしょうか。

(知事)

大変心配をしております。排外主義的なといいますか、やはり温かく受け入れる日本でありたい、宮崎でありたいという思いがしております。そのためにも、しっかりと安心して働いていただくことができるような、また、いろいろな困りごとに相談対応できるような環境を整えて、トラブルが生じないような環境整備というものが、これからもっともっと求められていくと考えております。現在、ヨーロッパなども特に移民を契機とした、排外主義や社会の分断、場合によっては極右極左の主張の高まり、そのような政党の台頭というものがありまして、大変心配される状況ではないかと考えております。ぜひそういった問題の起こらないようなあり方というものが、国全体として求められていると考えております。

知事のフランス訪問について(報告)

(読売新聞)

フランス訪問の件でお伺いしたいのですが、今回、柔道連盟と陸上連盟にトップセールスを行ったということで、宮崎の練習環境やこれまでの合宿実績等を報告されたかと思うのですが、改めて報告した上で、どういった反応があったのかと手応えをお伺いできればと思います。

(知事)

先ほど言いましたように、それぞれの競技連盟で違った反応がありましたが、陸上競技連盟については、宮崎の置かれた環境、施設の環境でありますとか空港からのアクセスの良さといったところもアピールし、今回イギリスやドイツが選んだ経緯、オリンピックのときも使っていただいたこと、そしてそれ以外のスポーツ合宿なども海外からのチームを受け入れているということ、宿泊施設、そういったところを興味を持って話を聞いてくださったかと思います。いずれ日本やアジアでの大会があった場合に、1つの選択肢として考えていただけるのではないか、それから、それ以外の団体についても、もしそのような大会があって、日本で合宿を検討しているというときの選択肢として、宮崎をアピールしていただけるのではないかと思います。

フランスの柔道連盟は、先ほど言いましたように、我々が国スポに向けて整備した延岡のメインアリーナ等の施設も含めてアピールをしたところでありますけど、それ以上にやはり練習相手、多くの日本の選手と対戦することにより、学ぶ・鍛えることを重視しておられるというご意見をいただきましたので、改めて旭化成との連携のもとでそういったところもアピールする。それから、井上康生さんが宮崎出身であるということには、フランス連盟も、2015年にドイツに行ったときも、「あの井上康生さんが生まれた宮崎なのか」ということで、ぐっとつかむことができて、興味を持ってもらいました。今度井上康生さんにお会いしたときに、多分フランスの担当の方などをご存知でしょうから、県としての取組を報告しつつ、以前松田選手のお声がけで韓国の競泳チームが合宿に来ていただいたように、ぜひ井上さんも含めた人脈を使いながら、今後に生かしていくことができればと思います。

宮崎県外国人材受入・定着支援センターの開所について

(宮崎日日新聞)

外国人材受入・定着支援センターの開所についてなのですが、開設場所は、カリーノ宮崎地下1階になるのでしょうか。

(知事)

はい、外国人サポートセンターに隣接して設置するということになります。

(宮崎日日新聞)

当日は記念の式典等は特にないのでしょうか。

(産業政策課)

先ほど知事の方から説明がありましたとおり、開所の記念講演という形で、式典に代えさせていただければと思っております。

(宮崎日日新聞)

人口減少が進む中で、農業をはじめ宮崎の産業をいかに守っていくかというのが今後重要だと思うのですが、改めて人手不足が急速に進んでいることに対する知事の危機感と、それを踏まえて外国人の労働者に対する期待みたいなものを教えていただけますか。

(知事)

頼らざるを得ない部分というものがとても大きいと感じております。ぜひこれからも選ばれる宮崎であり続けなければならないと考えておりまして、ベトナム国立農業大学との連携なども取り組んでいるところでありますが、ベトナムのみならずインドネシア、それ以外の国も含めて、しっかりと人材確保に向けての様々なパイプづくりに今後とも努めていきたいと考えています。

(宮崎日日新聞)

どの分野で活躍していただきたいという知事の思いはありますでしょうか。

(知事)

人手が十分足りているという分野は、おそらくないと思います。どこも人材を必要としているということであろうかと思います。本県の基幹産業である第一次産業のみならず、建設にしても、清掃の現場にしても必要になってくると考えております。

それから、これまでの技能実習と言われていた分野が念頭に浮かぶわけですけど、現在宮崎市内ではバングラデシュなどのIT人材も受入れをしておりますが、そういった高度人材、専門分野での人材というものも、これからもっともっと活躍していただく、そのことが宮崎の活力に繋がると考えております。他の県と比べて留学生の数などは、宮崎県内の大学等では多くはないのですが、そのような留学生なども、その後宮崎に定着するための取組を、大学とも連携しながらさらに進めていく必要があるだろうと考えています。

(UMK)

外国人材の受入れについてなのですが、外国人の人材も他のところに比べて少ないと思うのですが、どういったところが課題で、選ばれるためにはどのようなことが必要とお考えでしょうか。

(知事)

やはり賃金水準というのは、都市部と比べるとあまり多くはないというところになります。海外から出稼ぎのような形で、日本で稼ぎたいという思いで来られる方は、より賃金の高いところで、ということを志向する方も多いと思いますが、やはり安心して働くことができる環境というものをトータルで、日本の方の移住誘致と同じです。トータルでの暮らしやすさでありますとか、安心して働けるような環境づくり、宮崎の魅力というものをしっかりアピールしていくことが大事だろうと思います。

(UMK)

賃金以外の魅力を上げていくということで、例えば外国人にとって「ここだ」というものは何かありますか。外国の方にとって、賃金以外で宮崎の魅力はここなのではないかと思われることはありますか。

(知事)

暮らしやすさではないかと思います。この温暖な気候や、食べ物が美味しい、それから穏やかでやさしい県民性といったところです。外国人材の方々は、SNS等を通じて相当情報交換をするようでありまして、現在実際に働いている方が、今申し上げましたような、暮らしやすさや働きやすさ、そういったところで宮崎は良い場所だという評判が口コミで広がっていくことが大事だと思います。

中国による日本産牛肉の輸入再開に向けた動きについて

(NHK)

発表事項以外について幹事社から1点お伺いします。

中国の日本産牛肉の輸入再開に向けた動きの関連なのですが、20年以上、日本産の牛肉は輸入が禁止されていたわけですけれども、先日、輸入再開に必要な協定が発効したと、政府が発表いたしました。国内の産地の中でも、これを受けて歓迎する声も聞かれますけれども、知事は今回の政府の発表をどのように受け止めてらっしゃいますか。

(知事)

この交渉を以前よりとても強い関心を持って見守っておりました。中国という巨大なマーケットが開くことになれば、和牛生産の現場も様々な課題を抱えておりますが、大いに活気づくのではないかという期待を持って、その交渉事を見ております。令和元年、2年にも、その気運が急速に高まったことがあり、当時の駐日大使も宮崎を視察され、私も一緒に食事をしたことがあって、習近平主席が来日する一歩手前ぐらいまで行って、その時にもしかするとそのような機会もあるのではないかという状況があったわけですが、コロナでそれが見送られたというところから、今日に至っておりますので、そういったこれまでの流れの中で、いよいよ実現に向けて道が開けつつあるのかなと興味を持っております。ただ、すぐに輸出ができるということではなく、いろいろなプロセスがこれからも必要になってこようかと思いますが、現在、世界の自由貿易が少し揺らいでいる状況の中で、しっかりと貿易相手国と販路を確保していくということはとても大事だと考えております。

台湾の輸入が再開したときに、和牛で宮崎牛が一番乗りをすることができ、しっかりとしたパートナーとの商流ができているというところが、今の台湾への輸出促進に繋がっておりますので、中国のマーケットが開くかどうかの動きは、今後とも注視しながらタイミングを逃すことなく迅速に必要な動きを進めていきたいと考えています。

米国の関税措置について

(NHK)

一方でアメリカの関税上乗せというのが大きな課題かと思いますけれども、それに対する知事のお考えを改めて教えていただけますでしょうか。

(知事)

アメリカの関税措置により自由貿易体制が大きく揺らいでいるということを強く懸念しております。それがそれぞれの国同士の貿易や世界経済に与える影響は、極めて大きいのではないかと考えておりますし、日本だけを捉えても、特に自動車への影響が極めて大きい。そしてこれが関連産業も広範囲にわたる非常に裾野が広い産業であり、そして九州のことを考えると、九州が自動車生産、輸出も見据えた1つの大きな拠点になっておりますので、九州の経済への影響というもの、それから宮崎の経済への影響というものも心配されるところであります。政府には引き続き粘り強く交渉を行っていただきたいと考えております。

中国による日本産牛肉の輸入再開に向けた動きについて

(NHK)

アメリカがそのような状況の中で、ひょっとしたら中国という巨大なマーケットが拓けるかもしれない。やはり期待は大きいところがあると思いますが、改めて知事の受け止めをお聞かせください。

(知事)

極めて巨大なマーケットであり、経済も発展する、富裕層も相当な数がおられるということで、輸出先としては大きな期待が寄せられるところであります。ただ、東日本大震災以降の水産物の輸入停止により、産地に大きな影響を及ぼしたということを考えると、もしマーケットが開いたとしても手放しでは喜べないといいますか、一定の警戒を持ちながら、やはり輸出先の多様化も含めて考えていく必要がある。全部がそこに集中してしまうというようなリスクを犯すことがあってはならないだろうと考えております。

最低賃金改定に向けた動きについて

(時事通信)

先ほど宮崎県の賃金水準が、都市部に比べて多くはないというようにおっしゃっていたかと思うのですが、関連して11日から厚生労働省の方で最低賃金の目安に関する議論が始まりました。7月末には目安の見通しが示される方針ですけれども、現時点で知事の最低賃金に関するお考え、増額も含めてお考えをお聞きしたいのと、様々なコストが増額する中で中小企業の負担というのは大きくなるかと思います。骨太の方針では、目安を超えて賃金改定を行う都道府県に関しては、交付金補助を行うというような方針が示されていますけれども、それも含めて中小企業への支援に関してどのようなお考えをお持ちかお聞きしたいです。

(知事)

国を挙げて賃金水準を上げていく、物価高が進む中で、実質賃金が低下している。その状況を改善していかなくてはならないという大きな方向性があるということであります。最低賃金に関しても、国が大きな目標を設定しながら、流れに乗せていこうという動きであろうかと思います。そのような大きな動きがある中で、最低賃金に関する審議会の仕組みがありますので、その中でしっかり本県の経済状況も含めて議論して、定まってほしいと考えております。特に宮崎の場合は、圧倒的に小規模事業者が多く、経営の立場においては、賃上げの原資を確保できるかどうかという不安を抱えてこの議論の推移を見ているということであろうかと思います。最低賃金が上がるか下がるかによって何か支援ということではなく、基本的に賃上げ原資を確保できるように、経済の活性化を図っていくという産業振興の政策は変わりなく取り組んでいく必要があると。賃上げということのみならず、物価高の対応というのは、今後も引き続き状況を注視しながら必要な対応を検討していく必要があろうと考えております。

物価高対策は、例えば今の参院選でも大きくクローズアップされており、それはもっともだと思いますが、その将来を見据えると、現在の国際情勢を考えるとまだまだ物価高が落ち着く保証はないというような強い懸念も持っているところでありまして、中東情勢も含めて、それがどのように物価、経済に影響を及ぼしていくのか、それに対する対応というものがとても重要になってこようかと思います。国がどのような対策を打つかや、県の状況を踏まえた対応というものを、今後とも必要に応じて検討していきたいと考えています。

第27回参議院議員通常選挙について

(西日本新聞)

参院選についてお尋ねですけれども、自民党の長峯さんと、立憲民主党の山内さんですが、県政にとってどんな役割を果たしてきたと知事からご覧になってお感じになっているかご所見をお伺いします。

(知事)

参議院のみならず衆議院についても国会議員の先生方は、国とのパイプということで、様々な情報収集や県の提案・要望に当たっても、一緒にスクラムを組んで後押しをいただくという意味で、力強い存在として頼りにしているということであろうかと思います。

(西日本新聞)

今おっしゃったことは一般論だと思うのですが、長峯さんに関してはどういった活躍ぶりだったかということと、山内さんも県議でいらっしゃったので、知事からご覧になってどのような政治家かというのをお聞かせ願えればと思います。

(知事)

今の一般論で申し上げたような流れの中で、長峯先生についても様々な国への要望を後押しいただいたと思いますし、県議、市長としての経験を生かしていただきながら、宮崎の地元の声というものを国に届けていただいてきたと考えております。

山内元県議についても、県議時代から様々な問題について議会で議論をさせていただいて、とても刺激をいただいたという印象を持っております。様々な視点、問題意識というものは、印象深いものがあろうかと考えております。

(西日本新聞)

それと延岡市長選が始まっていますけれども、告示日に知事は元県議の出陣式に出られていましたけれども、これはどのようなお考えで出陣式に臨まれたのかお聞かせください。

(知事)

これは県議時代に様々なお世話になったということも背景にしながら、陣営の方から出陣式への参加について要請があり、それを受けて出席したものであります。他の陣営からは特に「来てほしい」という要請はありませんでした。

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