トップ > 県政情報 > 広報・広聴 > 知事室 > ふれあいフォーラム > 令和4年度の開催状況 > 令和4年度知事とのふれあいフォーラム分野版(第1回)

掲載開始日:2022年6月13日更新日:2022年6月13日

知事室へようこそ

ここから本文です。

令和4年度知事とのふれあいフォーラム分野版(第1回)

内容

開催日時等

開催日時

令和4年5月26日(木曜日)午後3時から午後4時30分まで

場所

県庁5号2521号室

テーマ

これからの農林水産業について

参加者

農業、畜産業、水産業、林業の中堅・若手従事者14名

ふれあいフォーラムの内容

 知事挨拶

  • 大変お忙しい中、それぞれの仕事を抱えているところ、このフォーラムに参加いただき、まずは心から感謝申し上げる。
  • 農林水産業について、一言で言えば変化への対応だと思う。コロナやウクライナ情勢などさまざまな社会の変化を肌で感じ、そしてさまざまな実践をしていると思う。国全体における少子高齢化に伴う人口減少、マーケットの縮小、マーケットの嗜好の変化ということや、担い手の確保など、この人口減少という変化への対応があると思う。
  • 農業では、有機農業、SDGsが言われている中での、気候変動などへの対応、環境への配慮、畜産では、アニマルウェルフェアなども言われている。そのような状況の中、我々の武器とすべきはデジタル化ではないかと思う。それをいかにうまく有効活用していくか、本日の最初のテーマになろうかと思う。そのような変化に対応して、そして新しい技術をどううまく活用して、社会の変化を乗り切り、次の世代につないでいくか。
  • 本県の農業も農業産出額で5位、6位であったり、宮崎牛日本一や、スギの生産量も30年連続で日本一だが、そのまま順調に右肩上がりという保証は全くなく、下手をすると、グーッとさまざまな変化の波に乗れずに、減少傾向に転じるかもしれない。そうなるかもしれないという強い危機感を持つことや、厳しい状況であれば、変化に対応していくことで右肩上がりに転じることができるのではないかなど、考えていたところである。

ページの先頭へ戻る

 フォーラムの様子

nougyo1

nougyou2

nougyou3

nougyou4

 

ページの先頭へ戻る

 主な意見など

1.デジタル技術などを活用した生産性向上に向けた取り組みについて

  • 去年からIoT機器を導入して、圃場の環境をまずは測定して、測定したものをどう生かすかというのを社内で取り組むようにした結果、収量も増えて表彰を受けられるぐらいになった。一方で、量が多くなると需要と供給のバランスが合わなくなり、出した品物が安くなってしまうという課題もあって、量と質は相反するところにあるのではと思いながらの今年研究の2年目である。
  • 農業生産の方に関しては環境モニタリング、温度などの測定にとどまっている。販売に関しては、イチゴ狩りに来たお客さんの顧客データをLINEのアカウントと紐付けして管理をしている。LINEであればリピート率も出るし、写真館もしており写真も送る。予約が入ったときにどのお客さんが来るかもLINEで見られるので、その方が来た瞬間に「今年もありがとうございます」と言える状態を作っている。
  • ゆずが海外で結構売れているらしい。海外でゆずは少ないので、宮崎県のへべすとか、宮崎にしかない希少性のあるものの輸出を狙っていくべきではないかと思っている。外貨をたくさん稼いで税金を納める会社にしたい。
  • デジタル化というと自社で開発したアプリがあり、圃場単位の管理をしている。畑が720カ所あり、昔は畑で作業した後に帰ってきて入力する人がいてという流れだったが、今はクラウド管理で直行直帰できるようにしたので、働きやすくなった。オートトラクターを入れたが、畑の平均面積が3反。オートトラクターが稼働するのに一番効率の良い面積が5反~6反と言われているので、3反というと本当に小さい。畑の集約というのを今、さまざまな法人さんたちで会を作って、県や市の方も交えて進めているところだが、1枚1枚の畑を大きくしていただきたい。
  • GAPを取得するに当たってトレーサビリティ、いつ誰がどこで何を作ったかをログが取れるように、全従業員がスマートフォンで圃場内で操作できるように一括管理している。圃場でいうと、施設園芸では最近、環境測定、環境制御が流行っているが、環境測定を導入し、温度、湿度などをデジタル管理している。
  • デジタル大好き人間が20年農業をやった結果、アナログに戻った。デジタルを否定するわけではないが、なぜかというと、デジタルシステムに対する費用対効果というのが第一次産業は恩恵を受けにくい。価格転嫁しにくい、価格決定権をこちらが持っていないというところが一番大きい。デジタルは好き、でもアナログに戻ってしまった。
  • これからの農業は栽培技術とマネジメントとデジタル、この3本柱でいかないといけないはずなのに、どうしてもデジタルが先行してしまう。そうすると栽培技術やマネジメントが置き去りになってしまう。3つの柱が揃って初めて稼げる農業ができると日頃から感じているところ。
  • 繁殖農家さんも職人気質というものがあって、牛の管理が感覚になっているところがあって、飼養管理を聞き取り調査するが、数字になっていないというのが始めたときの課題だった。それを解決するために、1回計ってみて数字化することで自分たちも見えるし、農家さんも数字で見られるので、しっかり自分のやり方というのを自分の代だけで終わるのではなくて、後継者や新しく入ってくれる人に繋げることができる。今クラウドの方にそのデータを載せていて、ヘルパーの人がいつでも見られるような形、その農家さんのページを見たらそこのやり方が載っているというのを農家さんに協力してもらいながら作っている。そして、次のステップとして各農家の牛の月齢などを把握しようというので、月齢といつ分娩があるのか、いつ出荷なのか、前回の種付けはいつだったのか、最低限のところだけを見られるようにアプリを作っている最中。そうすることで次世代に技術が少しでも継承できればと思う。
  • 5年ぐらい前にU-motionという牛の行動などがわかるシステムを全国でもほぼ初ぐらいで導入して、今900頭にそのセンサーを付けている。24時間、携帯でも管理できるようになっている。牛は2年間育てないといけないので、経営者の目線だったら、この牛悪いなっていうのがわかるが、頭数を抱えているとスタッフさんにお願いしなきゃいけない。また、出張に行っているときに事故があったりすることも多かったので、そういうシステムを導入して、事故を防ぐことを5年間で蓄積できてきたと思う。
  • 牛にはタグを付けていて、採食の時間などがわかり、それと連動して搾乳もしている。搾乳ロボットを導入したことで、1日3~5回ぐらいやっているが、そうすると牛としてはおっぱいが張り切らないうちに抜かれるというのでストレスが感じられない。その牛舎に入る頭数は決まっていて、たくさん出荷できる牛はこちらの牛舎に移しておいて、回数を多くすることで生産性が上がる。ただ、たくさん搾乳する牛舎から少ない方に移すことによって、搾乳回数が減るということで逆のストレスが発生するということが最近わかって、その牛舎に入れた牛は最後までその牛舎で飼わないと一産当たりの乳量が予定数まで達しないということがわかった。
  • 人手不足という状況があってシステム化したのだが、何とか軌道に乗るようになって今まで2、3人でしていた作業も1人でできるようになってきている。今はエサなども値上がりしているので、そこのコストをカバーするためにいろいろ取り組んでいる。
  • ネット販売の話だが、どうしても跡継ぎ問題や魚の魚価が上がらないという問題があって、自分たちは物理的に近い距離に市場があり、そこで売れてというのが一番いい流れなのだが、魚価が上がらないという課題から、昨年度からふるさと納税やポケットマルシェというアプリを使って個人に対して販売を開始している。出しているのはカンパチで、東京の人などは家で魚を捌けない人がいると聞いたので、瞬間冷凍して解凍したら切るだけで刺身として食べられる状態にして販売している。あとは、魚がおいしくなる血抜きなどそういうものを積極的に取り入れて消費者の目にとまるようにしてネット販売をしていきたい。
  • 大きい船や、遠洋系の船というのは、デジタル化がすごく進んでいて、宇宙戦艦みたいなモニターだったり、まき網の船や日南のカツオ船などはすごい機材を積んでいて、機材だけで何億とかする。そこがデジタルの行き着いた先だと思うが、そこに行き着くことで捕り過ぎる問題などが出てきているのかなと思う。沿岸漁業、大きくはない個人の漁業をデジタル化でいかに助けることができるかということを、今やっている。実践しているのは勤怠管理をデジタル化すること。簡単に使えるアプリを作ってみたらいいんじゃないかとか、そういうところからICT化していければいい。
  • 水中ドローンを使って、海底など今まで見えなかったものを実際に見ることができれば、イメージが変わってくる。また、フィッシュアナライザという鮮度計のようなものがあるが、それを使って数値化していき、それを魚価に反映していく。さらに、それを使ったブランド化。宮崎県はおそらくやっていないと思うが、他県では結構、フィッシュアナライザを使って、このサイズで脂質が何%以上のものを何々というブランドにして出しますということをやっている。
  • 林業のデジタル化について、できるところとできないところがある。1つの作業を細分化して、ここはデジタルでもできるけど、こっちは人力をシステムに変換してこれに対応して細分化したものをくっつけていく方が理にかなっているのかなと思う。それから、デジタル化を進めるところは進めるというようなマッチングが大事。特に林業はあまりにもシステム化してしまうと、会話が生まれなくなる。スマホ、タブレットを使うことによって、会話が生まれなくなり、現場に行ったときにチームワークに影響を与えることもあるので、デジタルとアナログの組み合わせなのかなと思う。
  • 最初に林業の世界に入って思ったのが、経験者と話が合わない。というのは、経験を積んだ人は大体経験が基の話が多かったので、そういうところでデータ化とか、どうにかならないのかなと思った。去年、自分よりも経験が浅い人はどうなのか、山について話をした。ドローンを飛ばして写真を撮って、ここがこういう場所でというのを上から見た写真を使って話をした。自分たちが今からここを切っていく、そういうのは元々自分も1年目のときにはわからなかった。付いて行って、ひたすら作業していくというのをやっていたが、今は事前に写真を撮って、見て、次の作業を決めるということを今から取り組んでいこうかなと思っている。ドローンの操縦資格を取っているが、そういうのも経験がある人とない人の穴埋めというか、そういうところでデジタル技術が1つのツールになる。
  • 林業は元々取り扱うものが大きいので、工場自体のライン化が進んできた。今後は働き手の問題や、働き方の問題があるので、そういったところに、ICTというよりかIoTの形で、AI化、リモート化というのを現場レベルでできてくるといい。
  • 他のところを視察をしながら、今後、自分たちの産業に適したIoTを考えながら、技術開発も含めて進めていきたい。リモートワークではないけれども、ZOOMなどえる技術がかなり発達した。実は今回、とても助かったのが、全国の木材青壮年団体連合会のメンバーも企業の方々と一緒に勉強会をしようということになった。国産の主たるライバルは輸入元のアメリカやヨーロッパの木材になるが、そういったところのサプライヤーさんやメーカーさん、商社さんと現地をリアルに繋いで、現状そっちはどうなっているのと、そういう話が聞けたりしたので、早めに先手を打つことができた。そういった技術というのは、今もう当たり前にできているので、これを常態化していくことの方が大事。コロナ禍が終わったから使わないではなく、使うところは使っていくということが必要だと感じた。
  • ジャンルの違う皆さんが集まって話をしたとしても、何かしらのベースの問題やアイデアなどを使えたりするので、畑の違う方々と一緒に話すことが、もしかしたら自社のヒントになるのではないかと思った。

ページの先頭へ戻る

 知事総括

  • ヒントをいただいたような気がする。農林水産業の中でのそういういろんな刺激を与えるっていうのもあるし、例えばここにIT技術系の人がいれば、またそういう課題はこんなことができますだとか、そんなヒントをいただくこともできるかもしれない。そういうマッチングや、そういう場を作っていくことが、まさに行政の役割なのかもしれない。
  • 今日は貴重な時間をいただいて、改めて感謝を申し上げるとともに、本当に皆さん、それぞれのトップランナーとして頑張っておられるなというところ大変心強く思っている。
  • それぞれの成功事例をどんどん作っていただくことが、またその裾野を広げていくことだと思っている。

ページの先頭へ戻る

お問い合わせ

総合政策部秘書広報課広報戦略室 

〒880-8501 宮崎県宮崎市橘通東2丁目10番1号

ファクス:0985-27-3003

メールアドレス:kohosenryaku@pref.miyazaki.lg.jp