宮崎県グラフ誌「Jaja」じゃじゃ

 

Jajaバックナンバー

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延岡 のべおか

美しき水郷のまち。 伝統の鮎やなは秋の風物詩。

城山公園
城山公園/1603年、高橋元種が築いた延岡城址にある公園。外敵を防ぐために築かれた高さ22mの石垣は、礎石を外すとすべて崩壊する「千人殺しの石垣」と伝えられる。

東を日向灘、そのほかを九州山地に囲まれた延岡市は、市内を流れる五ヶ瀬川、北川、大瀬川の河口が一つになり、海へ注ぐ、豊かな水の郷だ。

水の郷を象徴する行事が10月から12月まで五ヶ瀬川で行われる伝統の漁法「鮎やな」で、300年の歴史をもつ。鮎は美しい色と香ばしい味わいから「香魚」ともいわれる。五ヶ瀬川で焼かれるアユの香りは、環境省の「かおり風景百選」にも挙げられている。

鮎やな
鮎やな/300年以上の伝統をもつ、延岡の秋の風物詩。堰き止めた川の一部に流れ口をつくり、すのこに落ちた鮎を捕獲する。

市の西側にそびえる行縢山(むかばきやま)も、延岡を代表する風物の一つで、雄岳、雌岳からなるこの勇壮な山は標高830m。途中には二つの峰の間から流れ落ちる、高さ77mの「行縢の滝」がある。

平成の市町村合併で、美しいリアス式海岸をもつ旧北浦町、鹿川渓谷や五ヶ瀬川の景観が美しい旧北方町、ホタルが舞う清流のまち・旧北川町の3町が加わり、その自然の魅力はいっそう増した。

豊かな自然とともに、歴史・文化を生かしたまちづくりも進んでおり、旧延岡藩主・内藤家ゆかりの面を使い、延岡城址の二の丸広場を舞台に繰り広げられる「のべおか天下一薪能(てんがいちたきぎのう)」は2011年で15回目を数えた。

大崩(おおくえ)山
大崩(おおくえ)山/標高1644m。祖母傾国定公園に位置する、花崗岩で形成された険しく美しい岩山。ロッククライミングの名所としても知られる。

スキューバとパラグライダー
写真左)スキューバ/延岡市の海岸沿いに広がる南北浦海岸は、日豊海岸国定公園に指定され、県内屈指のダイビングポイントとしても知られる。島浦島の北東部では、日本一の規模を誇るオオスリバチ珊瑚礁群をみることができる。 写真右)パラグライダー/延岡市北川町にある鏡山牧場公園は、標高645mに位置し、日豊海岸国定公園の美しい海岸線や祖母傾国定公園の山並みを眺めることができる。パラグライダー・ハンググライダーの離陸スポットでもあり、毎年5月には大会も開かれる。

下阿蘇ビーチと浜木綿村キャンプ場
写真左)下阿蘇ビーチ/美しい白浜が広がる下阿蘇ビーチは、その景観の良さから「日向松島」と呼ばれる。環境省の「快水浴場百選」の特選にも選定された。 写真右)浜木綿村キャンプ場/下阿蘇ビーチに面したリゾート施設。ケビンや常設テント、オートキャンプ場などを備え、テニスコートやパークゴルフ場もある。海水を薪で炊いて塩を作る塩田もあり、そこで出来た塩とにがりは隣接した「道の駅北浦」で販売されている。

東九州伊勢えび
東九州伊勢えび海道/特産の伊勢エビをPRしようと延岡市と大分県佐伯市が共同で行うキャンペーン。9月から11月の期間中、約30店舗が「刺し身とみそ汁付き」などの伊勢エビ料理を提供する。

のべおか天下一薪能
のべおか天下一薪能(てんがいちたきぎのう)/旧延岡藩主・内藤家から寄贈された、桃山時代から江戸時代初期の貴重な能面による薪能。毎年10月第2土曜日に、延岡城二の丸広場で開催されている。

二上山

天孫ニニギノミコトの陵墓参考地に比定されている可愛(えの)岳(727m)。「筑紫の日向の可愛山稜」(日本書紀)の、有力な参考地のひとつだ。大正3年の鳥居龍蔵博士らの調査では、この山に点在する巨石遺跡は、弥生時代のメンヒル(巨石による記念碑)ではないかとされた。古くから信仰の対象だったため、あまり人が立ち入らず不明な点が多い山だが、その神秘性から近年、スピリチュアルスポットとして注目され始めた。西南戦争で西郷軍が解散した地でもあり、麓には西郷隆盛宿陣跡資料館がある。