宮崎県グラフ誌「Jaja」じゃじゃ

 

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東児湯 ひがしこゆ

文教のまち・高鍋を起点に、 個性を放つ、県央の町々。


宮崎市内から車で50分ほど、宮崎平野の北部に位置する高鍋町。江戸時代は、秋月氏が治める高鍋藩の城下町として栄えるとともに、全寮制の藩校・明倫堂を有し、優秀な人材を多数輩出した。
明倫堂を創設した第7代藩主・秋月種茂は明倫堂を藩士のみならず農民などにも門戸を開いて人材育成に努めたほか、藩の財政を再建するなど功績を残した。

高鍋町は近代以降も、県内で最も面積の小さい自治体ながら、県や国の出先機関や高校、大学などさまざまな施設が集まり、発展を遂げてきた。こうした気風に同調するように、高鍋周辺の町々は、一つひとつは小さいながらも、それぞれに協調し合い、成長を遂げている。「東児湯」と呼ばれる新富町、木城町、川南町、都農町の4町がそれだ。

豊かな土壌を生かし、ハウス農業が盛んな新富町、武者小路実篤が開いた「日向新しき村」で知られる木城町、日本三大開拓地の一つで農漁業の盛んな川南町、豊富な海の幸のほか、ブドウの産地でワイナリーをもつ都農町。小さな町々に秘められた、それぞれの魅力を感じてみたい。

高鍋大師と持田古墳群
宮崎観光遺産
高鍋大師と持田古墳群/85基の古墳からなる持田古墳群は5〜6世紀にかけて築造された。高鍋大師はこの古墳群の一角の、見晴らしのよい丘にある。古墳群の霊を慰めるために故岩岡保吉氏が開山したと伝わるもので、八十八ヶ所札仏と氏が刻んだ石像が700体以上ある。

木城えほんの郷と都農神社
写真左)木城えほんの郷/1万冊を超す国内外の絵本が閲覧できる「森のえほん館」をはじめ、カフェやコテージがあり、子どもと絵本を読みながら自然の中でゆっくり過ごせる。 写真右)都農神社/日向国一之宮と称えられる古杜。境内は約2600本の杉の木に囲まれ、荘厳な雰囲気が漂う。神武天皇が東征の際に立ち寄り祈願したと伝えられる。

軽トラ市と都農ワイナリー
写真左)軽トラ市/川南町のトロントロン商店街で毎月第4日曜日に開かれる朝市。約600mの通りに農産物、食料品などを積んだ軽トラック100台ほどが並び、大勢の買い物客でにぎわう。 写真右)都農ワイナリー/地元産のブドウを原料にした、フレッシュでフルーティな味わいのワインはどれも質が高く、海外のワイン専門誌からも高い評価を受けている。

都農神社

日向(宮崎)の一の宮・都農神社には、出雲神話の神様である大己貴命(おおなむちのみこと)(大国主命)がまつられている。一帯には古くから三輪姓が多いことから、奈良一の宮・大神(おおみわ)神社との関連を指摘する意見もあり、畿内と宮崎の関連を考えると興味深い。

地図