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掲載開始日:2021年5月25日更新日:2021年5月25日

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臨時県議会知事提案説明要旨(令和3年5月)

項目

配布書類

発言

令和3年5月県議会臨時会の開会に当たり、はじめに、県議会の皆様におかれましては、臨時会の開催につきまして格別の御配慮をいただき、厚く御礼を申し上げます。

新型コロナウイルス感染症対策に係る報告

ただいま提案いたしました議案に関する御説明に先立ち、まず、本県の新型コロナウイルス感染症対策の状況について御報告申し上げます。

ここ数日、県内における1日あたりの新規感染者数は、徐々に減少しており、強く警戒しておりました大型連休明けの爆発的な感染拡大という状況には至っていないものと考えております。

また、県全体の直近1週間の人口10万人あたりの感染者数は、5月12日の30.8人をピークとして減少傾向に転じており、直近では、12.7人と、国の分科会が示すステージ3の目安を下回っております。

このような状況にあるのは、本県における「第3波」の検証を踏まえ、変異株のリスクにも対応すべく、従来よりも早め早めに強い対策やメッセージを打ち出してきた効果が現れてきているものと考えております。

県議会をはじめ県民の皆様や、事業者の皆様におかれては、外出や県外との往来の原則自粛、営業時間短縮の要請など、これまで取り組んできた対策に御理解と御協力を賜り、心より感謝を申し上げます。

現在のところ、新規感染者数は抑えられつつありますが、一方で病床占有率は徐々に上昇し、療養者数が高止まりするなど、依然として、県内の医療提供体制のひっ迫の度合いが高まっている状況が続いております。

また、県外に目を転じると、首都圏や関西では下げ止まりの傾向が見られ、国の「緊急事態宣言」の延長が検討されているとの報道がなされております。さらに、九州では今月に入り、本県を除く全ての県で1日あたりの感染者数が過去最多を更新しました。隣県の熊本県及び大分県でも100人を超える新規感染者が確認されるとともに、沖縄県は先日、国の「緊急事態宣言」の対象地域となるなど、九州全体で感染が増加しており、本県に感染が持ち込まれるリスクも依然高い状況にあります。

ここで、これまでの本県における「第4波」への対応を振り返りますと、4月下旬、都城市及び宮崎市において職場や会食の場等でのクラスターが発生し、両市を含むそれぞれの圏域の直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数が10人を超えたことから、4月24日に都城市及び三股町を、28日に宮崎市を、「感染警戒区域」(オレンジ区域)に指定し、会食等における感染防止対策を強化いたしました。

あわせて、全国的に「第4波」が猛威をふるいつつある中で、大型連休における県外からの感染持ち込みを防ぐため、県民の皆様に対し、大型連休期間中の不要不急の県外との往来自粛を要請するとともに、県外の方々に対しても、本県への不要不急の来県自粛を要請いたしました。

その連休中の5月1日、宮崎市の接待を伴う飲食店においてクラスターが発生し、宮崎・東諸県圏域の直近1週間の新規感染者数が20人を超える見通しとなったことから、感染拡大の端緒を捉えて早期の封じ込めを図るため、翌2日、同圏域を「感染急増圏域」(赤圏域)に指定し、原則外出自粛や宮崎市の飲食店等への営業時間短縮要請等の強い措置を講じたところであります。

しかしながら、翌3日には、再び宮崎市の接待を伴う飲食店でクラスターが続発し、県全体の直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数が15人を超え、今年1月上旬の感染爆発に至る直前と同様の状況に至りました。このため、同日、県下全域を対象として、県の対応方針に定めるレベル3「感染拡大緊急警報」を発令し、既に「感染急増圏域」(赤圏域)に指定している宮崎・東諸県圏域以外の県下全市町村を「感染警戒区域」(オレンジ区域)に指定いたしました。

その後も、宮崎市においてクラスターの発生が相次ぎ、7日には、「第4波」で最大となる1日当たり62名の感染が確認されました。そのうち宮崎市分については、積極的疫学調査以外の一般医療機関による検査、いわゆる保険適用検査によって陽性が判明する感染者数が30名を超えており、感染拡大につながりかねない火種が大きく広がっていることに、私は極めて強い危機感を抱いた次第であります。

40万人余りの人口が集中し、本県の社会・経済・交通の中心である宮崎・東諸県圏域について、あらかじめ「感染急増圏域」(赤圏域)に指定し、強い対策を講じていたにも拘わらず、爆発的な感染拡大が発生している状況や、大阪府をはじめ全国で感染が急拡大し、医療提供体制がひっ迫している状況等を踏まえ、速やかに県独自の「緊急事態宣言」を発令すべきであると判断し、5月9日、県の新型コロナウイルス感染症対策本部会議において同宣言の発令を決定いたしました。

この判断にあたりましては、このまま宮崎・東諸県圏域における感染爆発が続くと、県下全域に感染が拡大しかねず、また、県外から感染が持ち込まれるリスクが急拡大していることを考慮し、「第3波」のように1日あたり感染者数が100名を超え、元来ぜい弱な本県の医療提供体制がひっ迫して危機的な状況に陥るような事態は断じて阻止しなければならないという強い決意のもと、2度目となる県独自の「緊急事態宣言」の発令という重い決断を行なったところであります。

宣言の発令以降、宮崎・東諸県圏域につきましては、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数が5月10日の62.2人をピークに、減少傾向に転じましたが、依然として、飲食店等に対する営業時間短縮要請の目安としている20人という基準を大きく上回る状況にあることから、宮崎市の飲食店等に対する営業時間短縮要請の期限を、5月31日まで延長しました。

また、しばらく感染状況が比較的落ち着いていた都城・北諸県圏域におきましても、複数の接待を伴う飲食店が関係するクラスターが発生し、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数が20人を超え、保険適用検査による陽性判明者数が増加するなど、感染急拡大が懸念される状況になったことから、20日、都城市及び三股町の飲食店等に対し、翌21日から6月10日までの営業時間の短縮を要請したところであります。

今月末を期限としております県の「緊急事態宣言」及び宮崎市の飲食店等への時短要請の今後の取扱いにつきましては、現在、県内及び全国の感染状況等を慎重に見極めているところであり、今週後半には具体的な方針をお示しすることとしております。

さらに、ワクチン接種につきましては、高齢者向け接種を7月末までに完了させるべく、5月17日付けで新型コロナウイルス対策特命チーム内にワクチン接種市町村支援班を設置するなど、県の体制を強化しました。今後とも、ワクチン接種を担う市町村との緊密な連携を図りながら、感染収束への切り札として、ワクチンの早期接種を推進してまいります。

宮崎県内において、昨日までに確認された新型コロナウイルスへの感染者は、累計で2,969名となります。このうち、今回の「第4波」において3名の方がお亡くなりになり、この3名の方を含む合計25名の県民が、これまでに亡くなっておられます。改めまして、県民を代表し、哀悼の誠を捧げますとともに、御遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。

また、今日の時点でも、県内の医療機関や宿泊施設等において多くの方々が療養されております。1日も早い快復をお祈り申し上げます。

加えて、県内における感染者が急増する中、感染リスクと向き合いながら、県民の命を守るという強い使命感のもと、最前線の現場で昼夜を分かたず対応いただいている医療従事者や介護・福祉関係者の皆様、感染症対策に取り組んでおられる皆様、そして、県民のくらしを支える様々な業務に従事いただいている全ての関係者の皆様に対し、心より感謝と敬意を表します。

いま、全国を、そして本県を、新型コロナウイルス感染症の猛烈な「第4波」が襲っています。これは、昨年来、私たちが経験してきた「第3波」までとは、様々な点で様相を異にしており、強い危機感のもと対策に取り組んでいるところであります。

一つには、本県においても、5月以降、確認されている感染事例のほとんどが、従来株から変異株へと置き換わっているという点であります。変異株は、感染しやすく、年齢に関わらず重症化リスクが高いと言われていることから、これまでより強い警戒のもと対策を講じることが不可欠であります。

感染症の歴史をかえりみると、ちょうど100年余り前に世界的な流行(パンデミック)をもたらした、いわゆるスペイン風邪は、わが国の場合、大正7年(1918年)の秋に始まる「第1波」よりも、翌大正8年(1919年)の冬から再流行した「第2波」のほうが、ウイルスが強毒化し、感染者の致死率も高かったとされています。

私たちは、こうした歴史に学ぶ必要があると考えております。置かれている状況を冷静に見極めつつ、「県民の命と健康を守り抜く」「全ての県民が安心して十分な医療を受けられる体制を確保する」との強い決意のもと、引き続き、適時適切に対応を図ってまいります。

また、「第4波」がこれまでと異なるもう一つの要因として、飲食事業者をはじめとする県内の事業者の皆様、子どもたちや学生など、県民生活のあらゆる局面において、新型コロナの社会的影響が長期化し、それに伴う疲弊が大きく蓄積するとともに、社会的に弱い立場におかれた方々へのしわ寄せが重くのしかかってきているという点です。

こうした状況の中で、2度目の県の「緊急事態宣言」の発令に至り、県民の皆様に再び様々なご負担、ご苦労をおかけすることにつきまして、知事として重く受け止めております。

県民の一人ひとりが力を合わせて、心を一つに、この困難な状況を打開していくことができるよう、今回の補正予算でお願いしております緊急対策をはじめ、適時適切に必要な対策を講じることにより、今後とも、新型コロナの早期収束と県民生活の回復に全力を尽くしてまいる覚悟であります。

県議会の皆様をはじめ、県民の皆様の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

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補正予算案

それでは、本日提案いたしました議案の概要について、御説明申し上げます。

はじめに、補正予算案についてであります。

補正額は、一般会計について、補正予算第4号及び第5号をあわせまして、

  • 53億9,576万4千円

であります。

この結果、一般会計の歳入歳出予算規模は、

  • 6,379億1,414万6千円

となります。

今回の補正予算による一般会計の歳入財源は、

  • 国庫支出金53億5,968万9千円
  • 諸収入3,511万2千円
  • 繰入金96万3千円

であります。

なお、主な財源として、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金及び新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を活用しております。

以下、一般会計補正予算案に計上しております事業の概要について、御説明申し上げます。

今回の補正予算案は、新型コロナウイルス感染症の全国的な「第4波」や、宮崎市を中心とする爆発的な感染拡大、県独自の「緊急事態宣言」の発令等を踏まえ、緊急対策を講じるものであります。

第1に、県内における変異株拡大への対応及びワクチン接種の加速化についてであります。

変異株拡大への対応については、PCR検査体制の更なる充実を図るため、変異株陽性者のウイルスゲノム解析を迅速化するための検査機器を整備いたします。

また、入院受入病床を確保するため、コロナ患者が国の退院基準を満たした回復期以降も引き続き入院を必要とされる場合、その転院を受け入れていただく後方支援病院を確保してまいります。加えて、無症状等のため自宅で療養されている方に対し、医師や看護師の電話や訪問による健康観察を行うとともに、食料や生活用品を配付することにより、療養環境の改善に取り組みます。

ワクチン接種の加速化については、高齢者へのワクチン接種を早期に完了させるため、地域の医療機関で行う個別接種への支援や集団接種のための医療従事者の確保等を通じて、市町村のワクチン接種に関する実施体制の強化を支援してまいります。また、県による広域的な集団接種の実施等にも取り組みます。

さらに、ワクチン接種の副反応に関する専門相談窓口の充実など必要な体制の確保を図り、適切な情報提供や啓発活動に取り組みます。

第2に、水際対策の強化であります。

県境をまたいだ移動の安心を確保するため、仕事や帰省などで県外との往来をされる県民の方々や、国文祭・芸文祭に伴い来県される方々、また、来月以降、九州各県で順次、開催される全九州高校総体に参加する選手等に対し、PCR検査を行うための支援に取り組みます。

第3に、県内事業者への緊急支援であります。

宮崎市、都城市及び三股町の飲食店等への営業時間の短縮要請に伴い、地元市町と連携して協力金を支給するとともに、県の「緊急事態宣言」に伴う行動要請等により、売上が減少するなど大きな影響を受けている県内全域の全ての業種の中小企業・小規模事業者に対し、一定の要件のもと、県独自に10万円の支援金を支給することにより、厳しい状況に直面する事業者の事業継続に向けた取組を支援します。

また、県内の旅館やホテルなど宿泊事業者の感染防止対策を支援し、安全・安心な受入体制を整備します。

なお、今回の緊急対策に加えて、感染症対策の更なる強化や、経済と雇用を守る総合的な対策に取り組むべく、来る6月定例会に向けて補正予算の編成を進めてまいりたいと考えております。

以上、事業の概要について御説明いたしました。

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予算以外の議案

次に、予算以外の議案について御説明申し上げます。

報告第1号は、先ほど御説明いたしました新型コロナウイルス感染症対策のうち、宮崎市の飲食店等への営業時間短縮要請に伴う協力金支給に係る令和3年度宮崎県一般会計補正予算(第3号)の専決報告であり、早急に対応するため、専決処分を行なったものであります

以上、今回提案いたしました議案の概要について御説明いたしました。

宮崎県内で初めて新型コロナウイルス感染が確認されたのは、昨年3月4日でした。それから1年3か月が経過しようとする今も、ウイルスとの闘いは続いており、私たちは誰ひとりとして、新型コロナに無関係ではいられません。

先日、県内のテレビ報道で、今回の「第4波」において、ご自身も感染し、実父を新型コロナにより亡くされた、ある男性のインタビューを拝見しました。インタビューの中で、その男性が「みんなに危機感を持ってもらい、大事な人を亡くして初めて気づいても遅いということを、日本中、世界中の人に伝えていかなければならない」と話しておられたことが、強く印象に残り、私の胸に深く刻み込まれました。

このインタビューをうかがい、東日本大震災でご家族を亡くされた方が、ある防災シンポジウムで語っておられた内容が思い出されました。「震災の3日くらい前に戻りたい。そして、亡くなった家族を連れて安全なところに逃げたい。」「西日本や未災地の人たちは、私たちが「帰りたい」と焦がれる3日前の状況にある。」「自分の一番大事な人の命を落とさないように、何をしたらいいか家族で話をしてほしい。」

私たちは、このように感染症や自然災害等で過酷な体験をされた方々の声に真摯に耳を傾け、社会全体でその思いを受け止め、今後の危機管理に生かしていかなくてはならないということを強く実感しています。

コロナ禍にあって、連日、県内における感染者数を「今日は何名の感染を確認」と発表し、また、新型コロナによりお亡くなりになった方が確認される都度、その旨を発表しておりますが、そのお一人おひとりに、くらしの営みやご家族があり、それぞれの人生の歩みがあるということを忘れてはなりません。さらには、「コロナ禍」と言われる厳しい社会・経済状況が長期化する中で、新型コロナに感染された方々のみならず、様々な社会不安により心が折れそうになっておられる方や、将来に希望を見いだせずにいる方も大勢いらっしゃることに、私は、改めて思いをいたしているところであります。

これからも、こうした県民の方々や事業者の皆様の切実な声、社会的に弱い立場におかれている方々の声なき声にしっかりと耳を傾け、そのお気持ちに寄り添い、私自身が先頭に立ち、県民の命を守り、くらしを支える取組を進めてまいる所存であります。

本県における新型コロナウイルス感染症の早期の収束に向け、引き続き全力で取り組んでまいりますので、県議会をはじめとする県民の皆様の一層の御理解と御協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

以上であります。よろしく御審議のほどお願いいたします。

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