第29回環境保全・公害防止研究発表会(平成15年1月 宮崎市)
関屋 幸一
県北部の五十鈴川について,平成10年度に大型底生動物による河川の水域環境評価方法に従って調査を実施した。その結果,上流から下流まで清水性〜やや清水性の水質を示したが,地点によっては有機汚濁が懸念される状況にあると判断された。ASPT値とDIについてはわずかながら相関がみられ,ASPT値が高くなるほどDIも高くなる傾向を示した。この二つの方法で総合的に評価することは,より適切な判断を行うのに有用であると考えられた。また,有機汚濁が懸念される状況にあるという具体的あるいは付加的な判断を行うに当たっては,好汚濁性の底生動物が1個体でも観察・採集されることが必要であり,その結果を算出・評価に結びつけやすい点では,1個体のスコアがそのまま反映されるASPT値による評価の方がDIによる評価よりも把握しやすいと考えられる。