病原微生物検出情報 Vol.25、2、2004
(関連機関:宮崎県福祉保健部健康増進課、小林保健所、高鍋保健所、高千穂保健所)
岩城詩子、山本正悟、元明秀成、岩切 章、斎藤信弘、鈴木 泉
宮崎県では、2003年12月以降2004年1月6日までに、老人施設で3件、青少年研修施設と障害者関連施設でそれぞれ1件のノロウイルスによる感染性 胃腸炎の集団発生が起こった。これらの事例の患者総数は
176名(施設利用者157名、施設職員19名)で、関係者398名(施設利用者304名、施設職員94名)のうち44%が発症した。また、調べた患者 34名のうち27名(79%)の便からRT-PCR法によりgenogroup
IIのノロウイルスが検出された。
施設内集団発生に際しては、感染の拡がりを抑え発生を終息させるために、早期の疫学調査と病原体の特定が重要である。そのため、施設から管轄保健所への
情報提供が速やかに実施されるよう連携を強めるとともに、感染を予防するための講習会など衛生指導を実施していく必要があると思われる。