第53回日本衛生動物学会南日本支部大会(平成15年10月25、26日、鹿児島市)
山本正悟、片山丘*1、元明秀成、古屋由美子*1、 吉田吉哉*1、岩切 章、鈴木 泉
*1神奈川県衛生研究所
宮崎県内における紅斑熱群リケッチア症の病原体はRickettsia japonica(Rj)であるが、そのVectorは依然不明である。このため2001年5月から10月にかけて、推定感染地6地区でflagging
法によりマダニ類を採集し、Rjの17kDaタンパク質遺伝子を標的としたPCR法により、媒介マダニの調査を行った。
採集されたキチマダニ(♂10、♀5)、タカサゴチマダニ(♂54、♀22、若虫7)、ヤマアラシチマダニ(♂16、♀9)、フタトゲチマダニ
(♂36、♀24、若虫174)の 計357個体中、ヤマアラシチマダニの♀1個体、フタトゲチマダニの若虫1個体からRjの遺伝子断片が増幅され、これらのチマダニが宮崎県における
Vectorである可能性が示唆された。