第29回九州衛生環境技術協議会(平成15年10月9,10日、那覇市)
岩切 章、元明秀成、山本正悟、岩城詩子、齋藤信弘、鈴木 泉、三宅和昭*
*三宅小児科医院
宮崎県では、感染症発生動向調査事業において2003年第1週から第33週までで、発疹および無菌性髄膜炎に関する検査依頼はそれぞれ225検体および13検体であり、そのうち31検体からエコーウイルス9型(E-9)を検出した。そこで、当県におけるE-9の過去の発生状況や周期性について検出状況を調査し、今回分離された株のDNA塩基配列の相同性解析を行った。
その結果、宮崎県において3年毎のE-9の流行が認められた。主要なエンテロウイルスの流行には周期性と地域性があることが知られ、当県においても同様な状況がみられた。また、分離したE-9のVP1領域の塩基配列について相同性検索を行った結果、過去他の地域で検出された株とのDNA相同性が高く、E-9の病原性に関与していることが疑われているRGDモチーフも保存されていた。