第77回日本感染症学会総会(平成15年4月17日、福岡市)
東 美香、河野喜美子、齋藤信弘、鈴木 泉、倉 文明*1、前川純子*1、渡辺治雄*1
*1国立感染症研究所
第77回日本感染症学会総会(平成15年4月17日、福岡市)
今回の集団感染では本年10月現在295名の届出があり、うち7名が死亡した。患者の検査では、24名の喀痰25検体の培養により3名から Legionella
pneumophila 血清群(SG)1が分離された。また、66名の血清124検体の血清抗体価測定(マイクロプレート凝集法)により5名、75名の尿81検体の尿中抗原測定(「Biotest」)により12名、計20名がレジオネラ症と確定された。
また、患者が共通して利用していた施設の浴槽水等、51検体から L.
pneumophila SG1、SG8、L.dumoffii、L.londiniensis 等が検出された。患者および浴槽水から分離されたSG1についてPFGE解析を行ったところ同一の泳動パターンを示し、これらは同一起源と考えられた。以上の結果により、今回の事例は循環式温泉入浴施設を原因としたレジオネラ症集団感染であることが判明した。