地方感染症情報センター運営に関する意見交換会（平成16年1月29日、長崎市、国立感染症研究所感染症情報センター主催）

岩城詩子

宮崎県衛生環境研究所では1995年以降、感染症情報の収集と解析を行ってきたが、2000年4月の新法施行に伴い、「宮崎県感染症情報センター」として感染症発生動向調査情報の収集解析と公開を実施することとなった。宮崎県の感染症発生動向調査情報は、81ヵ所の定点医療機関で調査され、県内9保健所へ報告される。保健所はこれらの情報を感染症発生動向調査システムで集計し、WISH-NETの直接報告送信方式により宮崎県感染症情報センター及び中央感染症情報センターへ送付している。宮崎県感染症情報センターでは報告のあったデータを感染症発生動向調査システムに取り込み集計した後、「宮崎県感染症作図システム」及び「全国感染症作図システム」を用いて、増加傾向にある疾患や通常と比較して異常値を示している疾患について明らかにし、必要な場合は各疾患について調査を行う。調査の結果得られた情報は専門機関対象の「宮崎県感染症週報」、及び一般対象の「こどものための感染症だより」として報告書（週報）を作成する。また、インフルエンザや感染性胃腸炎など、集団感染の危惧される感染症が発生した場合は、「インフルエンザ速報」や「感染性胃腸炎注意報」など臨時情報を作成し提供している。週報は、ファクシミリ、電子メール、ホームページを用いて発信するとともに、一般対象情報は新聞に、専門機関情報は医師会誌に、定期的な情報提供を行っている。また、医師会の運営するネットワークに感染症掲示板を持ち、感染症情報の定期的な提供と情報交換を行っている。今後は、他の情報センターと、より緊密な情報交換を実施することで、感染症対策の充実と情報センターの組織強化を図っていきたい。