掲載開始日:2025年12月18日更新日:2025年12月22日
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今回は、日向市東郷町に自生する薬草「日向当帰(ひゅうがとうき)」について紹介します。
今回取材したのは「日向当帰再生保全会」の黒木絵里さん。
日向当帰再生保全会では、日向当帰の栽培・加工・販売を行うことで個体数の増加、そしてその認知拡大に向けた活動を行なっています。

黒木絵里さん
「日向当帰」というワードを初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか?
日向当帰(別名:日本山人参)は、大分県南部から宮崎県北部にかけての限られた地域に自生する日本固有のセリ科の植物で、現在絶滅危惧2種(国際自然保護連合(IUCN)が定めたレッドリストにおけるカテゴリーの1つで、近い将来に絶滅のリスクが高い種。)に指定されています。
その根は平成14年(2002年)11月に厚生労働省による医薬品のリストに登録されており、動脈硬化予防、免疫力向上などの効果が期待されています。また、葉には薬効成分であるYN-1(イソエポキシプテリキシン)という有機化合物が多く含まれることが近年の研究で判明しています。
日向当帰は、お茶やサプリメントとして手軽に摂取することができます。

日向当帰の葉

日向当帰の種
黒木さんの勧めで、畑に生えていた日向当帰を生で食べさせていただきました!写真だとわかりにくいですが、のこぎりの刃のような形をした深い緑色の葉をもつ植物です。
如何にも苦そうな感じがしますが・・・。
実際に食べてみると、思ったよりも苦くないかも!?
はじめはパセリやハーブのような爽やかさを感じました。噛むにつれて徐々に苦みを感じましたが、嫌な苦みではなく後味もすっきりしていました。
(個人差があります)

畑に生えていた日向当帰
黒木さんと日向当帰の関わりについてお聞きしました。
日向当帰は人が口にするものであるため、衛生・品質の管理には細心の注意を払っているとのことですが、そのほかにもこだわりがあるそうです。
日向当帰は種を蒔いてから収穫できるようになるまでに3~5年かかると言われています。東郷の畑では、まだ栽培年数が浅く収量が少ないため、現在は高千穂町で栽培されたものを商品にしているそうですが、信頼できる農家さんから取り寄せるようにしているとのこと。
また、黒木さんの畑では農薬を使用していません。通常の農業では畑の湿度や温度を調整するためにビニール製の資材を使うことが多いですが、できるだけ自然な状態で栽培するため、ビニールの代わりに草を使用しています。
日向当帰再生保全会で販売している商品は、日向当帰の葉と茎を使用しており、粉末加工をする際に焙煎して苦みを抑えているそうです。黒木さんおすすめの飲み方は、お湯で飲むこと!温かくすることで香ばしい香りが立ち、苦みを感じにくくなるんだとか。
日向当帰の粉末をお湯に溶かして飲んでみました。見た目は緑茶とほぼ同じです。
若干苦みを感じましたが、ほのかな甘みとともに素朴な味わいがしました。
冷水に溶かしたものも飲んでみたのですが、あたたかいほうが香ばしさがあり、飲みやすく感じました!
(個人差があります)

日向当帰のお茶
日向当帰の魅力をもっと多くの人に知ってもらうため、黒木さんが思い描く今後についてお聞きしました。
今年の目標は「宮崎県外でPRする機会をつくること」でしたが、博多阪急さんや大分のカフェで宣伝することができたため、夢が叶いました!来年の目標は「収量を増やすこと」です。しかし、ただ増やすのではなく、地域の人たちとともに栽培の規模を拡大し、日向当帰を通して東郷を盛り上げていきたいです。
また、将来的には東郷の畑で育った日向当帰を、日向市のふるさと納税の返礼品として広めていきたいです!

販売している商品
黒木さんとは以前の業務でお会いしたことがきっかけとなり、今回の取材も快く引き受けていただきました。実はあたごニュース担当者である私自身、黒木さんとお会いするまで日向当帰を知らなかったのですが、黒木さんご自身が「ご縁がご縁を呼ぶのも日向当帰の魅力なんですよ」と語られていたことが強く印象に残りました。その温かなお人柄に触れ、日向当帰が持つ魅力の一端を感じることができました。
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