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掲載開始日:2024年11月26日更新日:2024年11月26日

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あたごニュース『フィンガーライムを新たな特産品に~門川高校の挑戦~』

門川町にはトマトやへべすなどの特産品がありますが、今、門川高校が中心となって、新たに「ある果実」を特産品にしようと取り組んでいます。

ある果実とは…「フィンガーライム(別名:森のキャビア)」。

オーストラリア原産の柑橘類で、果皮と果肉が色鮮やかなことが特徴です。

今回は、フィンガーライムの産地化に向けて活動する門川高校の取組とフィンガーライムへの思いをお伝えします。

フィンガーライムとは

見た目が指に似ていることから、フィンガーライムと呼ばれています。

実を割ると、キャビアのような細かい粒々が…!

粒を噛むと、果汁がはじけ、爽やかな酸味と香りがします。

赤、ピンク、緑など様々な色の品種があります。

フィンガーライムフィンガーライム

いつもの食事に彩りを

フィンガーライムは、白身魚やバケット、ゼリー、チーズケーキなどの上にトッピングとしてのせるなど、料理のアクセントとして相性が良く、ドリンクとしてもスパークリングワインなどに入れて楽しむことができます。

料理に加えるだけで華やかかつオシャレになるので、いつもの食事に彩りを加えたい時などにオススメです。

へべすゼリーへべすゼリー

 

産地化を目指したきっかけ

県内や国内で栽培されている数もそれほど多くなく、珍しい果実であることから、町の農家さんが特産品にできたらおもしろいのではないかと思い、栽培を始めたことがきっかけ。それを知った門川町役場の職員もぜひ産地化を目指したいと考え、町をあげて栽培を始めました。
現在は主に門川高校を中心に栽培を行なっており、ふるさと納税の返礼品などとして活用されています。

門川町とフィンガーライム

門川高校では、令和3年度に地元の農家さんからフィンガーライムの苗を9鉢譲っていただいたことをきっかけに栽培が始まりました。

フィンガーライムの栽培にあたっては、苗を増やすためにまず接ぎ木をします。毎日の作業としては、水やりはもちろんのこと、肥料をやったり、温度管理、虫や病気の防除などを行います。
そして、10月頃になると食べ頃となる実も出てくるので、収穫作業が始まるのだそうです。

今回は、接ぎ木と収穫作業に取り組む高校生の様子を取材しました。

接ぎ木

3月。生徒たちは増産するため、毎年地元の農家さんに来ていただき、アドバイスをいただきながら、カラタチの木(柑橘類の接ぎ木によく使用される木)を使って接ぎ木をしました。

生徒たちは、初めてのことに戸惑いながらも、熱心に農家さんの手本を見て学び、試行錯誤しながら作業に取り組んでいました。

接ぎ木の様子接ぎ木の様子

収穫

毎年10月から11月頃には、収穫作業を行なっているそう。

この日は、ふるさと納税の返礼品として全国各地へ届けるフィンガーライムを収穫。

生徒たちは先生からアドバイスをもらいながら真剣な眼差しで収穫作業を行なっていました。

収穫作業収穫の様子

試行錯誤する日々

フィンガーライムの栽培にあたっては、栽培方法(鉢植あるいは地植)やフィンガーライムのビニールハウス内の最適な温度、どの肥料が栽培に適しているかなど、珍しい果実であるため、分からないことも多く、試行錯誤しながら栽培を行なっているそう。

いろいろな方法を試し、調査・分析を重ねたことで、だんだん最適な栽培方法等が分かってきましたが、種のない品種の栽培など解決するべき課題もまだ残っているので、より良い物を出荷できるよう今後も研究を続けるそうです。

生徒・先生の声

最後に、実際にフィンガーライムを栽培する門川高校の生徒さん、先生、門川町役場の職員に話を伺いました。

将来は、フィンガーライム農家に

話を伺った生徒さんは、高校卒業後、農業系の学校に進学し、将来はフィンガーライムを育てる農家になりたいという夢があるそう。

Q(生徒へ)フィンガーライム農家になりたいと思ったきっかけは?

Aが農家を営んでいるので、親の畑を引き継いで残していければいいなという思いで高校に入学しました。
ですが、高校に入学してフィンガーライムを栽培していくうちに、市場でよく見かける果実ではなく、あまりなじみのない新しい果実を栽培することにおもしろさを感じるようになり、高校卒業後、農業系の学校でさらに専門的な知識を学び、将来的にはフィンガーライムを育てる農家になりたいと思うようになりました。

Q(生徒へ)フィンガーライムの魅力は?

A「不思議な果実」であることです。実を割ると粒々したものは出てきますが、何の香りもしません。
ですが、口に入れて噛むと、ライムのような香りと味がします。例えば、へべすだと、口に入れる前から香りを感じますが、フィンガーライムは口に入れるまでまったく香りが分かりません。
この特徴が不思議でおもしろいと思いました。

Q(先生へ)フィンガーライム農家になりたいという生徒さんの話を聞いた時はどんな気持ちでしたか?

A直にうれしかったです。教師という職業をしている上で一番うれしい報告です。
今は、進学希望先への合格のために全力でサポートしていきたいという思いです。

生徒・先生の対話

フィンガーライム農家を目指す生徒と先生の対話の様子

販路拡大を目指して

フィンガーライムの産地化に向けては、課題が…
フィンガーライム栽培の今後について伺いました。

Q(先生へ)今後の展望を教えてください。

A適な栽培方法が分かってきたので、今後は収穫量を増やすことができるようになると思います。ただ、販売先がないため、収穫できても宝の持ち腐れになってしまうことを懸念しています。

現在はふるさと納税を始め、高校でのイベントの際に試食や販売をして、PRを行なっているところではありますが、フィンガーライムを知っていただく機会をまだまだ増やしていかないといけないと考えています。

(先生・役場職員へ)HPをご覧の皆様へメッセージをお願いします。

Aィンガーライムは、なじみのない方が多いかもしれませんが、活用方法によっては多くの可能性を秘めている食材であると思います。

これからの農業を担っていくであろう高校生が一生懸命育てています。

ぜひ様々な料理に活用いただけたらと考えておりますので、少しでも興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、門川町農林水産課(電話:0982-66-1148)までお問い合わせください!!

集合写真

フィンガーライムを栽培する門川高校生徒、地元の農家さん、門川高校教諭、門川町役場職員等

お問い合わせ

宮崎県東臼杵農林振興局
〒882-0872
宮崎県延岡市愛宕町2-15
電話番号:0982-32-6134
ファクス番号:0982-32-6139
メールアドレス:higashiusuki-norin@pref.miyazaki.lg.jp