掲載開始日:2024年2月9日更新日:2024年2月9日
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宮崎県北部中央山間部に位置する美郷町は、「師走祭り」や「宇納間地蔵尊大祭」、「御田祭」という三大祭りが、今もなお受け継がれている歴史と伝統のある町です。
また、面積の約92%を森林が占めており、森林資源の豊富な町です。
そんな美郷町には、豊富な地域資源を活用し、「香り」で地域を元気にしようと奮闘する地域おこし協力隊員がいます。
名前は、山原陽菜(やまはらはるな)さん。
今回は、美郷町南郷地区で活躍する山原さんを取材しました。
大阪府出身。
大学卒業後、ITベンチャー企業で営業や管理職の仕事を行う。
退職後、鹿児島県沖永良部島に移住。
2021年5月、美郷町地域おこし協力隊に就任。
今回取材した山原さん。
いろいろな自治体の地域おこし協力隊の募集記事を見ながら、「温暖な気候」と「おいしい食べ物」がたくさんあること、サーフィンなどのアクティビティもあることから、宮崎県に移住したいと思うように。
その中でも、美郷町では、1日の寒暖差が大きく、植物が強く育ち、香りが出やすいという特徴があることから、「アロマプレイヤー」という「香り」で新ビジネスを立ち上げる人を募集していました。
元々、植物の自然治癒力に興味があったこと、アロマ事業を最初から最後まで自分に任せてもらえることに魅力を感じ、美郷町の地域おこし協力隊に応募したそうです。
現在は、美郷町南郷地区でアロマオイルの製作と、カフェを営んでいるそう。
アロマオイルのブランド名は、「KAZA(かざ)」。
「KAZA」は、宮崎県北部地域の方言で「香り」という意味があることに由来しています。
また、「YOKÜcafe」は、森林浴や食欲を満たす、そして「よくや」という言葉が美郷町の方言で「休憩する」という意味で使われていることから、ちょっとひと休みできる場所になってほしいという思いを込めて、名付けたそうです。
現在、クロモジ(枝・枝葉・葉)、ヒノキ(木部・葉)、金柑、柚子、へべすの8種類のアロマオイルを「KAZA」オンラインショップ、YOKÜcafe(美郷町南郷神門925)、南郷温泉(美郷町南郷神門151-1)などで販売。(令和6年1月時点)
このアロマオイルは、これらの植物や果樹のうち、これまで利用価値がなく、廃棄されていた部分を使用して作られているそう。
山原さんが特に好きな香りは、「クロモジ」。
今回は、8種類の香りの中でも「クロモジ」について紹介します。
山原さんの作るクロモジのオイルは、「枝」、「枝葉」、「葉」とさらに3種類の香りがあります。
クロモジのアロマオイル「枝」は、クロモジの枝1kgを山から取ってきても、1㎖ほどしか抽出できない、希少なアロマオイルなのだそう。
注1日本全土に広く自生している香木であり、美郷町内の山地に多く自生している。枝の香りが良いことから、楊枝や箸などに用いられている。
アロマオイル商品
(クロモジ「枝」、「枝葉」、「葉」)
「枝」…薔薇の花を連想させる深いスッキリとした香り。夜もゆるまらないあなたに癒しの空間を演出してくれます。
「枝葉」…スッキリとしつつ、甘みもあるバランスの取れた香り。どこか懐かしい、クロモジならではの香りです。
「葉」…どこか懐かしいスッキリとした香り。朝の体のエネルギーを沸き立たせるような香りで1日のスタートが切れます。
「自分のやりたいことができる!」と思い、移住したものの、大変だったこともあったそう。
それは、アロマ作りに精通している方が美郷町にいなかったこと。
そのため、約2年間はアロマに使用できそうな植物や果樹をいろいろな時期に採取し、蒸留してみることを何百回と繰り返す日々…
多くの時間と地域の方々の協力もあり、ついに、「どの時期に採取すると一番良い香りを出せるか」や、「蒸留時間はどのくらいが良いのか」など、アロマオイル作りのコツが少しずつ分かるように…!
アロマオイルを使った商品として、「KAZAカード」という商品も販売しています。
これは、ヒノキの素材を使用した木製のカード。
このカードの角にアロマオイルをつけ、傾けるとオイルが広がります。
これを名刺入れに一緒にいれておくと…
名刺が心地よい香りに包まれ、相手に良い印象をつけられることが期待できます。
この商品、イベントの際には、完売することも…!
会社員の方などに人気の商品なんだそうです。
「KAZAカード」商品
山原さんの運営する「YOKÜcafe」は、美郷町南郷神門925(西の正倉院前)にあります。
このカフェは、地域の特産品を使ったメニューを提供する土日祝日限定(その他、不定期で休みの場合もあり。休業日は、「YOKÜcafe」の公式Instagramでお知らせしています。)で営業しています。
美郷町南郷地区には、ゆったり休憩できるようなカフェスペースがなかったため、地域住民や観光客がふらっと立ち寄ることのできる場所を作りたいと思い、カフェをオープンさせたそう。
また、「YOKÜcafe」には、アロマオイルなどのワークショップの場となることや地域の人たちが集まるコミュニティスペースにできればという願いも込められています。
店内外観
店内内観
地域おこし協力隊の任期は、2024年4月末までという山原さん。
協力隊任期終了後も美郷町で暮らし続ける予定だそう。
最後に、今後の活動や美郷町への思いについて伺いました!
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