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掲載開始日:2025年3月5日更新日:2025年3月5日

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あたごニュース『宮崎県産品の魅力発信!椎葉のスイーツ「宮崎バターサンド」』

椎葉のスイーツといえば…?

宮崎バターサンド!」と言われるほど、大人気のお菓子を製造販売している「菓te-ri」。

これまでは椎葉村に店舗を構え、県内外で開催されるイベント等に出店するなどしていましたが、令和6年8月に2店舗目となる延岡店をオープンしました。

今回は、そんな大ヒット商品を生み出した「菓te-ri」店主の椎葉昌史さんを取材しました。

「宮崎バターサンド」の誕生

就職を機に、東京へ行き、飲食店で働いていた椎葉さん。30歳の時に椎葉村にUターンし、そば打ち職人から菓子職人となりました。

経営危機に陥った時期もありましたが、最後のチャンスと思い、「宮崎バターサンド」の販売を開始。

すると、誕生してまもなくテレビ局のアナウンサーの目にとまり、テレビ番組で取り上げられるなどし、その存在を知る人が増えていきました。

今回は、そんな「宮崎バターサンド」の誕生秘話とバターサンドに込められた思いなどを伺ってきました。

椎葉さん

「菓te-ri」店主の椎葉昌史さん

椎葉村にUターンしようと思ったきっかけは?

東京に住んでいる時に、ちょうど東日本大震災があり、惨状を目の当たりにして、気持ちに変化がありました。

「このまま東京に居続けても良いのだろうか。」、「地元に帰る。」という選択肢もあるのではないかと考えるようになり、最終的に椎葉村に帰ることを決意しました。

加工品作りをしようと思ったきっかけは?

最初はそば打ち職人をしていたのですが、椎葉村は地理的条件もあるため、そば屋さんで行列を作ることは難しいと思うようになりました。

加工品であれば、椎葉村外でも販売することができると考え、加工品づくりに挑戦することにしました。

最初は「そばの実フロランタン」という商品を作り、販売していました。椎葉村の店舗を始め、小売店に卸すなどして販売していましたが、その頃、新型コロナウイルスが流行し始め、次々と、取引先が店閉まいすることになり、「菓te-ri」の経営も危機的状況に。

そんな状況で誕生したのが、「宮崎バターサンド」です。

なぜバターサンドを作ろうと思ったのですか?

椎葉村では毎年、料理コンクールが実施されており、コロナ渦の時は経営も厳しかったので、「賞金を獲得したい!」という思いで、椎葉家も夫婦で毎年、7品ほど出品していました。

ある時、料理コンクールに何をだそうかと考えていた妻が、「冷凍庫にある栗の渋皮煮を使って、バターサンドを作ろう!」と言いました。

この栗のバターサンドを料理コンクールに出品したところ…見事最優秀賞!!!

このバターサンドが「菓te-ri」を存続させるための最後のチャンスと思い、店で販売することに決めました。

バターサンドの種類は、今や10種類以上。
どのように新商品の開発をしているのですか?

農家さんの方から「うちの果物を使って欲しい。」とお声かけいただくこともありますし、おいものバターサンドに関しては、農家を始めた同級生がいたので、使用させてもらえないかお願いしてというようにして、新商品を次々と作っています。

「次はこれを使用したい!」と思い、農家さんなどに話をしてみるというよりは、たまたま農家さんと知り合う機会があったとか、偶然食べたこの果物が美味しかったから使用してみようというように、その時にご縁があったものを使って商品を作っている感じですね。

最近の新商品は、「ティラミスバターサンド」と「せとかバターサンド」。この2つはどのような経緯で生まれたのですか?

ティラミスバターサンド

妻が作りたいと言ったことがきっかけです。(笑)
バターサンドはクリームを挟んでいるクッキーが製造途中に割れたりして、商品として使用できない部分がどうしても出てしまうのですが、ティラミスはポロポロになったクッキーをコーヒーに浸して作るケーキなので、これまで商品にできなかった部分も有効活用でき、SDGSにも繋がっています。味はというと、苦いわけでもなく、甘すぎもしない絶妙なバランスが特徴の商品となっています。

せとかバターサンド

日南市に行く機会があり、その時にお土産にせとかをいただきました。県北出身者の自分にとっては、「せとか」はなじみがなく、「こんな柑橘もあるのか!」という驚きがありました。
実際に食べてみると…めちゃくちゃおいしい!!
自分のようにせとかの美味しさをまだ知らない人にせとかの美味しさを知ってほしいと思い、商品化しました。

バターサンド(新商品)

「ティラミスバターサンド」と「せとかバターサンド」

「菓te-ri」をオープンしてから、一番うれしかった出来事は?

MIYAZAKIFOODAWARDを宮崎バターサンドで受賞できたこと。

「この商品が認められた!」という実感が湧き、とてもうれしかったです。

宮崎県の優れた農林水産物等を活用して開発された商品を審査・表彰し、販路開拓を通じて、フードビジネスのさらなる振興を図ることを目的に県が開催するもの。

延岡店をオープン。なぜ2店舗目を延岡市に?

延岡市に妻の友人がいて、この方がこれまでも椎葉村に移住して、菓te-riで働いてくれたりと、私たちの手助けをしてくれていました。この友人が「延岡店も出してほしい。」とずっと言ってくれていたので、2店舗目は延岡市に出そうとずっと考えていました。

そんな時にちょうど知り合いの方が、延岡市内に立地の良い空き店舗があるという話を教えてくれて、すぐに不動産屋さんに連絡をとりました。以前もお菓子屋さんをやっていた店舗だったので、設備もそろっており、すぐに契約することにしました。

そして、令和6年8月に念願の延岡店をオープンさせることができました。

今後の目標は?

地元にいる時は気づきませんでしたが、県外に出ていた時に改めて、宮崎県の農産物の美味しさに気づきました。
なので、「もっと多くの人に宮崎県産の農産物を食べてほしい。」という思いがあります。宮崎バターサンドを通して、宮崎県産の農産物を知ってもらって、それから実際に農産物そのものも食べて、美味しさを知ってもらいたいというのが一番の願いです。

菓te-riとしては、宮崎バターサンドのリーフレットの見直しを検討しています。バターサンドに使用している農産物を販売するサイトなどにとぶQRコードをリーフレットに掲載することで、より多くの方が宮崎県産の農産物に興味を持つきっかけになれば…と考えています。

バターサンド

編集後記

「栗のバターサンド」を料理コンクールに出品しようと決めた時、実は、干し柿のバターサンドにする案もあったのだそう。ですが、偶然、自宅にあった干し柿が傷みかけていたため、栗を使うことに。椎葉さんはあの時、栗のバターサンドにしていたからこそ、今の菓te-riがあるのかもしれないと話しておられました。

バターサンド販売後も、偶然テレビ局のアナウンサーの目にとまったことをきっかけに、テレビ番組に取り上げられるなどして、有名になったことから、運命に導かれるかのようだと感じました。

県内にいると、当たり前と思ってしまいがちですが、椎葉さんのお話を伺い、改めて宮崎の食の素晴らしさを実感するとともに、その美味しさは農家さんを始めとする食に携わる方々の努力の賜物なのだろうと思いました。

また、自分の作った商品が売れたらそれで良いというわけではなく、宮崎バターサンドには宮崎県の農産物の美味しさを知ってほしいという思いが込められているというお話が一番印象に残りました。

今後も椎葉村はもちろんのこと、宮崎県全体を盛り上げてくださるであろう椎葉さんのご活躍を見守り続けたいと思います。

お問い合わせ

宮崎県東臼杵農林振興局
〒882-0872
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