掲載開始日:2023年9月25日更新日:2023年9月25日
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日向市や門川町を中心に生産されている「へべす」。
江戸時代末期、日向市に住む長曽我部平兵衛(ちょうそかべへいべえ)さんが発見したことから、その名がつけられたそうです。
今回のあたごニュースでは、へべすの魅力に惹かれ、東京都から門川町に移住してきたへべす農家さんを紹介します。
すだちやカボスなどと見分けがつかないほどよく似ていますが、へべすの魅力といえば…
そして、柑橘系といえば、酸っぱいイメージもあるかと思いますが、へべすは爽やかな酸味であることも魅力の一つ。
さらに…
ビタミンCや8種類の必須アミノ酸を含んでいるため、健康づくりにも役立つことが期待できます。
写真は、へべす
今回は、門川町にある熊野農園の園主である熊野敏行さんを取材。
熊野さんは東京都出身。
へべすの魅力に惹かれ、門川町に移住し、へべす農家となりました。
移住に至ったきっかけと、へべす農家となった熊野さんの思いを伺いました。
妻の実家が門川町でへべす農家を営んでおり、妻と出会ったことで、初めてへべすを知りました。
へべすの栄養価やどんな料理にも相性が良いなどの魅力を知り、へべすを作りたいと思うようになりました。
また、門川町に移住する前は、室内で行う仕事をしていたため、太陽の下で働くことのできる農業の魅力を感じました。
満員電車で通勤していた東京での生活に比べると、通勤に負担感がない。
さらに、海や山など自然に囲まれた地域でもあるため、子どもを育てる環境としても良い場所だなと感じています。
取材中の熊野さん
農業は未経験ではありましたが、農林水産省が実施する「青年就農給付金事業(準備型)(注)」を活用し、1年間日向市の先進農家さんのところで研修を受け、技術を学ばせてもらいました。
農業は難しいなと感じることはありますが、JA日向平兵衛酢部会の皆さんの力も借りながら、順調にへべすを栽培することができています。
(注)青年就農給付金事業(準備型)とは
就農に向けて、先進農家等において研修を受ける者に対して給付金を給付する事業
園地内のへべす
へべすを通して繋がる縁を感じた時ですかね。
以前、東京吉祥寺の商店街が一体となってへべすを使った料理を提供しようという企画がありました。
この企画は、日向市のへべす農家さんと日向市出身のカメラマンさんとの間に繋がりがあり、そこから吉祥寺で居酒屋を営む方まで縁が広がり、企画されたものでした。
結局、その時期にコロナが蔓延し、実現できませんでしたが、今後はへべすを通じてもっと多くの人と繋がっていけたらと思います。
熊野家では、明太子パスタにへべすの果汁や皮をすりおろしたものをいれるのが定番。
ぜひ試してみてください!!
農家になろうと思った時、農業だけでやっていくのは、難しいと考えていました。そのため、加工品も作ろうと思い、研修等を受講していました。
現在は、「へべすが香る一味とうがらし」、「へべすが香る七味とうがらし」や「へべす果汁」を製造し、熊野農園オンラインショップで販売しています。
一味、七味とうがらしについては、へべすの皮から油分を抽出し、パウダー化できる技術をもった事業者さんとの出会いがあり、製造販売することになりました。
間違いなく、味噌汁に入れるのがおすすめです。
へべすが香る七味とうがらし
へべすが香る七味とうがらし入りの味噌汁
へべす農家は高齢化が進んでおり、若い農家さんがほとんどいません。
だからこそ、若い新規就農者を増やすために自分にできることがあれば、積極的に関わっていきたいです。
9月6日はへべすの日ということで、9月中は県内だけでなく、東京や大阪などでもへべすにちなんだイベントが開催されています。
今回、取材に協力いただいた熊野さんも話されていた「へべすを通して繋がる縁」。
県内だけでなく、県外でのイベント等も通して、縁が広がっていけば良いなと思います。
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