掲載開始日:2023年9月19日更新日:2023年9月19日

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宮崎県知事定例記者会見(2023年9月5日)

項目

配布資料

なし

発表事項(知事発言)

私から発表事項はありませんが、一つだけ、豚熱関係で。8月30日に、ついに九州の佐賀県の養豚場で豚熱の発生が確認され、大変強い危機感を持っているところであります。飼養頭数は本県が鹿児島県に次いで全国第2位と、南九州が一大養豚地帯ですし、九州全体としてかなり多くの頭数を飼養しているところであります。国では、ワクチンの接種推奨地域の指定も検討されております。本県では、佐賀県での発生を受けて緊急防疫会議を開催し、また、ワクチンの打ち手を確保するための研修会もスタートしたところでありまして、危機感を持ちながら粛々と準備を進めてまいりたいと考えております。一方で、農場防疫が非常に重要になってまいりますので、この発生の前から全ての養豚場を対象に立ち入り検査を実施して、野生動物の侵入を防ぐ防護柵の設置等の点検を行っているところであります。まずは、ウイルスを農場に持ち込ませない対策を行い、そして推奨地域に指定されれば、迅速にワクチンの接種を行います。それから野生のイノシシに対する経口ワクチンの散布については、これまでも演習等を行っております。そういった必要な対策を粛々と打っていきたいと考えております。13年前の口蹄疫、またその23年前もあったわけであります。鳥インフルエンザも含めて、度重なる家畜疾病の経験を経た本県であります。豚熱への警戒、さらなる拡大をなんとしても防ぐ努力をしっかりと進めてまいりたいと考えております。

畜産関係では、年明け以降子牛価格の下落が続いております。昨年、全国和牛能力共進会で良い成績を上げることができて、さあこれからというところで物価高等の影響を受けた子牛価格の低迷ですが、9月補正で県としても一定の手を打ち、国においてもいろいろな対策を実施されるということでありまして、今後とも支えていきたいという思いであります。

その中で先日、九州管内系統和牛枝肉共励会において、個人で10年ぶり(正しくは「9」)、団体で8年ぶり(正しくは「11」)に本県がそれぞれ最高賞を受賞したのは、弾みになるのかなと考えており、これが子牛価格の上昇機運につながってほしいなと考えているところであります。

豚熱を一つのきっかけとしまして、畜産の置かれた状況をお話し申し上げたところであります。物価高の影響は他の産業にも及ぶところでありまして、きめ細かくこの状況を見極めながら、必要な対策を今後打っていく必要があると考えているところであります。

私から冒頭、以上です。

質疑応答

佐賀県の養豚場での豚熱発生に伴う本県の豚熱対策について

(宮崎日日新聞社)

佐賀県の養豚農場での発生ということで、今2件出ているということですが、まず宮崎県を含めた九州で出たことがどういう意味を持つのか、知事はどういうふうに受け止めているのかお聞かせください。

(知事)

野生のイノシシでは山口県まで確認されておりました。農場での発生は兵庫県までだったと考えておりますが、九州が全国と比べても一大養豚地帯でありますので、そこへの侵入を何としても防ぎたいという思いで関係者と取り組んできたところであります。どのような持ち込まれ方がなされたのかなど、遺伝子検査等による国からの詳細な分析・調査結果を待ちたいと思います。それから野生のイノシシ等への拡大が見られるのかどうなのか注視しているところでありますが、日本全体を考えても、一大養豚地帯である九州での大きな拡大は何としても防いでいきたいと考えております。

(宮崎日日新聞社)

ワクチンについてお伺いしたいんですが、農水省の対策本部会議が今日開かれるようですが、おそらく接種推奨地域を決めるということだと思うんですが、ワクチンを打つのに現状、かなり人手と時間を要するようです。研修を既にスタートしていると思うんですが、今時点でどのぐらいの申し込みが来ているのかとか、10月まで申込期間の幅を取ってるということですけども、9月に集中して申し込みがあるような状況なのかとか、申し込みの状況はどうなっているのでしょうか。

(知事)

まず家畜保健衛生所の獣医師等がワクチンを接種できるわけですが、それではもう間に合わないということを見越した上で、一定の研修を受けたことを持って対象を農場従事者等に拡大するといった要望が実現してきたということでありまして、それを受けてこの危機が高まってきたときに研修を行う準備をしてきたところであります。申込状況、今後のスケジュールについては事務方から。

(家畜防疫対策課)

登録飼養衛生管理者の研修会を9月1日から10月30日まで延べ40回開催予定としておりますが、県内3つの家畜保健衛生所に申し込みいただいているところでございます。今、合計350名程度の方にお申し込みいただいておりますので、今後の申し込みを終えて、400名程度は受講いただけるように取り組んでいきたいと考えております。

(宮崎日日新聞社)

引き続きワクチンについてですけども、接種推奨地域に指定された場合、知事の命令で接種を始めるという認識でいいのか、というのが一点。あと農場の方がワクチンを打った場合、1本あたり70円ぐらい手数料がかかることについて、頭数が多いところは1万頭とか5000頭とかいう大規模のところもあり、かなり恒常的な負担が出てくるのかなと思うんですけども、この辺りについて、県として何か国の支援に上乗せして、例えば独自に手当をしていくとか検討していることがありましたら教えてください。

(知事)

ワクチンに関しては今、北海道と九州を除いてその他の地域は全て接種推奨地域になっている状況であります。九州全体に広げないということからも、接種推奨地域の指定がなされれば、迅速に必要な判断を行ってまいりたいと考えております。ワクチンの負担という話でありますが、これは家畜保健衛生所の職員が打てば270円と伺っております。ただ農場関係者が打てば70円ということで、最初からある程度抑えられた金額になっていることに加えて、注射器だとか針については県で用意するという支援を行っておりますので、そのことによりご協力をいただいて、なんとか早期に接種を済ませていくことができればと考えております。

(宮崎日日新聞社)

続けて佐賀県の状況を受けてお尋ねしたいんですけれども、2例目の農場の1万頭の殺処分がまだ続いているところなんですが、報道ベースですけども9日ぐらいを目標にやりたいと。1万頭を処分するのに大体10日ぐらいかかる計算になろうかなと思うんですけども、暑さとか農場が大きいとかっていうこともあって、殺処分のスピードがなかなか上がっていないようですけども、翻って見たときに、宮崎県で仮に豚熱が発生した場合に、殺処分であるとか埋却など防疫措置へ現状考えられる懸念や、知事が心配だなと思っていることがあればお聞かせください。宮崎県は経験しているんですけれども、牛豚の殺処分は口蹄疫以来大規模にはやってないと思います。防疫作業も十数年前で、もう辞めている方もたくさんいらっしゃると思うので、その辺りを含めてどういう感触をお持ちなのかお聞かせください。

(知事)

口蹄疫の経験を受けてマニュアルが作成されております。私も見ましたが、どのように紐で結んで、どのように並べていってと、マニュアル自体は非常にきめ細かく整備されています。ただ、ご指摘があったように、13年前の現場を経験している職員も退職しておられ、今まさに現場を担う職員については未経験の職員が増えております。だからこそ毎年様々な演習や研修を行い、その経験を伝える努力もしてきたところでありまして、引き続き万が一に備えて、改めてそういった内容を確認して準備を行っていくことが必要であろうかと考えております。佐賀県の1万頭という数字も本当に驚いたところでありますが、佐賀県全体の飼養頭数8万頭のうちの1万頭が処分されようとしているというインパクトも非常に大きいと思います。ただ先ほど調べたんですが、九州全体の飼養頭数を見ると、佐賀県と福岡県が8万頭ぐらいで、あとが一気に2桁になって、鹿児島県が120万頭、本県が80万頭と、その2県がずば抜けた数字になっております。だからこそ、豚熱が南九州に入ってきたとき、その地域にとどまらず、国全体に大きな影響を及ぼすことになりますので、冒頭申し上げましたように農場防疫の徹底や迅速なワクチン接種等の必要な対策を進めてまいりたいと考えております。

9月県議会定例会提出予定議案について

(宮崎日日新聞社)

補正予算案が発表され、先ほど牛の話もしていただいたんですが、この中でスポーツとか日本一挑戦プロジェクトに関わる事業がいくつか提案されていたと思います。具体的な目標像というか目標値であるとか、どういう形で表現するのかというのは度々伺っているんですが、この具体像について、河野県政4期目の大きな政策の柱だと受け止めているのですけれども、知事の中で早急にというお言葉もありましたけど、この具体像をいつどのような形で県民の皆さんにお示ししていくのか時期的なものも含めてお聞かせください。

(知事)

最終的な整理をしているところでありまして、9月議会では、県民の皆様にお示しできるのではないかと思います。これまで申し上げておりますように、やはりいろいろな準備検討が必要ですが、そうしたものを整理してから予算や手段を考えるのではなく、予算は先行して考え、そして目標設定をどのようにしていくのかも一緒に議論しているところです。スピード感も重視した対応だということはご理解いただきながらも、9月議会がもうすぐ始まりますので、その中では大きな方針を示すことができればと考えております。

佐賀県の養豚場での豚熱発生に伴う本県の豚熱対策について

(UMK)

ワクチン接種に初回だけでも50日余り要し、その後産まれる豚も接種対象だと聞いております。現場の畜産農家の方にとっては、より高いレベルで長期間にわたる作業が強いられることになっております。このあたりをどう受け止めて、協力を呼び掛けていくか改めてお願いします。

(知事)

平成30年に岐阜県で発生して以来ということで中部地方から始まってずっと広がっていった中で、他の地域の養豚関係者のこれまでのご苦労やご尽力も相当なものがあろうかと考えております。先ほど九州が一大養豚地帯と申し上げましたが、群馬県や千葉県も全国で1桁台の順位と、頭数が大変多い中でワクチン接種等も進められてきたということであります。何とか九州まで防ぐことができればということで今まで警戒しておりましたが、このような事態に至っておりますので、改めて関係機関が連携して、「日本の養豚を守るんだ」という思いで、そういう気概で力を合わせて乗り切っていきたいと考えています。あと大事なこととして、今我々が見ているのは豚熱だけでありますが、アジアでまん延しているアフリカ豚熱についてはワクチンが無いわけでありまして、水際防疫で持ち込ませないことも極めて重要です。全国知事会でもあえて私は発言して、畜産地帯のみならず全国的に警戒を強めるべきだと申し上げたところであります。今回豚熱が九州に入ったことをきっかけにして、豚熱の拡大のみならず、アフリカ豚熱であったり口蹄疫だったり、そういったところへの警戒を全国的に改めて高めていく必要があろうかと考えております。

(NHK)

そもそもですけれども、豚熱に対して、これだけ広がってしまうことへの懸念があるというところで、対策のところに重きを置いていきたいという知事の話もありましたけれども、豚熱が広まってしまう、県内に広まってしまうとどういうことが考えられて大変なのかというところについて、より一般の方に沿ったメッセージとしては、本県の産業として養豚農家への大きな打撃が考えられるという話なのか、それとも消費者のテーブルミートとしての豚肉にも危機感が及ぶと考えているのか、どういうお考えなのかお聞かせ願いますでしょうか。

(知事)

今おっしゃったところもありますし、我々は13年前に口蹄疫で大変な経験をしております。それは畜産や農業だけにとどまらず社会全体に及びました。特にこれはウイルスとの闘いであり、まさに新型コロナと同様でありますので、ウイルスを広げないため様々な活動の制約について、畜産なり農業の関係者のみならず一般県民にもそういった心配なり懸念がおよびかねないと、口蹄疫を経験した我々としては強い警戒感を持って家畜疾病である豚熱についても見ているところであります。産業として養豚関係への影響、そして各家庭に豚肉が供給されるかどうかという問題に加えて社会全体、また経済全体への深刻な影響が及ばないようにと考えております。特に一大養豚地帯でありますので、もし県内で広がるようなことがあれば、多くの方が集まるような集会が特に畜産地帯では行われにくくなり、そのことにより経済へ影響が及ぶということを口蹄疫でも経験したところでありまして、何としてもそうした事態を防いでいくことができればと考えております。

(NHK)

今日にも農水省からのワクチン接種推奨地域の正式な決定があると思うんですけれども、やはりワクチン接種を早く進めていくことが鍵になるのかなと思っているんですがその辺りのお考えはいかがでしょうか。

(知事)

そこはスピードが求められるものだと考えております。だからこそ様々な準備を進めてきたところでありまして、先ほど申込状況の数字も報告したところであります。関係の皆様の危機感も相当強いものが伺えようかと考えており、迅速に進めてまいりたいと思います。

(共同通信)

豚熱に関連して1点お伺いしたいんですけれども。前回の知事会見では口蹄疫を経験した県として全国知事会などで積極的に啓発など発言されているというお話がありました。今回の佐賀県での豚熱発生を受けて、何らかの対応を全国知事会で求めたり呼びかけたりするお考えは現時点でありますでしょうか。

(知事)

全国知事会では、先日の山梨県での会議でも豚熱およびアフリカ豚熱に対する対策ということで国への要望を取りまとめています。これは26年ぶりに豚熱が発生した岐阜県知事が委員長を務めて、私が副委員長を務めているところであります。その中で豚熱に対するワクチンや様々な財政支援を求めているところでありますが、さらに九州にも拡大したことをもって、要望活動自体は、岐阜県の知事に行っていただいているところでありますが、我々としても国の対応をこれからも注視し、必要な要望も行っていきたいと考えております。

令和4年台風第14号について

(読売新聞)

去年の台風第14号からもうすぐ1年になると思うんですけれども、1年経つことへの所感と、その後も先月の台風第6号や台風第7号など、県内外でいろいろな災害が起きていると思うんですけど、宮崎県として今感じている課題と、この1年どのようなことに取り組んできたか教えていただけたらと思います。

(知事)

昨年の台風第14号では、本県として平成に入ってからは平成17年の台風第14号以来の大変大きな規模の被害がありました。1年が経ちましたが、様々な土砂災害や崩壊している道路について、完全に復旧まで至っていないということでありまして、改めて早期の復旧に向けて力を尽くしていきたいと思います。五ヶ瀬町のスキー場について、アクセス道路がまだ復旧できないため、2期続けて営業できないというところが先日クローズアップされたところであります。椎葉村への幹線である国道327号についても、今回の台風で改めて土砂災害に見舞われて、何とか年内の復旧を目指している中で重ねての被害になってしまったところを重く受け止めて、さらに復旧に向けた作業を進めていきたいと考えております。それからまだまだ台風シーズンが本格化しているところで、台風第13号まで発生しています。やはり昨年の台風災害でも、防災減災国土強靱化の財源も活用しながら河川掘削等を進めてきた効果が非常に大きいものがあると考えておりまして、いつまた本県への直撃や大きな影響が及ぶ台風が近づいてこないとも限らないという緊張感のもとに、優先順位をしっかりつけながら、次なる災害の発生を防ぐための対策も並行して進めていきたいと考えております。

(読売新聞)

今おっしゃったように今後まだ台風シーズンが今月も続くと思うんですけど、改めて県民にどのような対策をとってほしいか、呼びかけ等のメッセージがあればお願いします。

(知事)

まずは命を守ることが最優先であろうかと考えております。地震などと比べても台風については天気予報などの情報により接近が確実にわかるわけでありまして、まずは命を守るための必要に応じた早めの避難を心がけていただくこと、接近に伴っての準備をしっかりしていただくことが大事であろうかと考えております。

子牛価格の対策について

(宮崎日日新聞社)

話が畜産に戻るんですけれども、牛の繁殖農家への支援についての質問です。9月補正予算案で発表された繁殖農家への県の緊急対策は、国が8月に発表した支援拡充策を後押しする形の支援だったと思います。この件に関して、これまでの国の支援に対する受け止めと、今後、国にさらに求めていきたい点があれば教えてください。

(知事)

特に年明けからの下落傾向がずっと続いておりました。物価高の影響に伴い、なかなか牛肉の消費が思うように伸びない状況が背景にある中で、一方で餌代が上昇し続けている状況であろうかと考えております。私も年明けから全ての市場を回って、現場の皆様の声を伺いましたが、先ほど言いましたように去年の全国和牛能力共進会であれだけの成績を得て、「よし、これから」というところで、なかなか元気が出ない、大変厳しい状況だという声をずっといただいていたところであります。国においても、これまでも様々な対策を打っていただいて、そして今回さらに拡充すると大変ありがたく受け止めているところでありまして、それに加えて本県としても一歩も二歩も踏み込んだ今までにない対策を行いたいと考えております。本県にとって、畜産が農業産出額の6割強を占めるということもありますし、本県の強みでもありますので、大事なことはこれをしっかり支えていくというメッセージを伝えていくことであろうかと思います。国が対策を打つ、県も市町村も、それからJAも一緒になりながら、それぞれ役割を果たしてこれからも何とか畜産を守っていき、そして今、価格が多少回復傾向にあるかというところや、先ほど言いました九州管内系統和牛枝肉共励会の成績もありますので、何とかそれを弾みに回復にグッと結びついてほしいと考えております。また今後とも、やはり動向は注視する必要があろうかと考えております。年末に向けては需要期でありますので、回復傾向が見られるのが一般的な状況ではありますが、今後どのように推移するのか、餌代も含めた様々なコストがどう推移するのか注視していきたいと考えております。

神楽のユネスコ無形文化遺産登録推進に係る国への要望について

(共同通信)

ユネスコ無形文化遺産の登録を目指している神楽についてお伺いします。昨日、文化庁京都庁舎に要望に行かれたと思うんですけれども、今泉審議官や担当者の方々とどのようなお話をされたのか、ご感想も含めて教えていただければと思います。

(知事)

今、国の重要無形民俗文化財に指定されている40神楽のうち、35神楽に全国神楽振興・継承協議会に加盟していただいて、保存・継承への努力を重ねていく、そしてユネスコへの登録を目指していこうということが進んで、昨日、協議会として初めて文化庁に要望しました。そこに私と教育長も同席したという位置づけになりますが、神楽を保存・継承していくことの重要性については文化庁としても十分認識していただいてるということでありまして、改めて一緒になって力を合わせていこうという意見交換を行ったところであります。ただ、ユネスコの無形文化遺産への登録というのが、日本がかなり数が多くなっており、他の国とのバランス上、日本の登録申請は2年に1回ということになっておりますし、日本としてどういう項目をそこに推薦するのかといったときに神楽のみならず他にもいろいろ競争相手といいますか、様々な項目がある状況の中で、せっかく協議会も立ち上がり、全国的な機運が高まっているところでありますので、文化庁からもその動きへの支援をいただきながら、なんとか実現を目指していこうと意見交換を行ったところです。

(共同通信)

関連で、今のお答えにもありましたが、温泉文化や書道など他の文化についても関連団体が2026年の登録を目指して、要望されたりといろいろな活動を加速されています。その中で、神楽が選出されるために、行動だったり働きかけはどういうところが必要になってくると思われますか。

(知事)

全国的な機運を高めて、様々な応援をいただくことであろうかと思います。今おっしゃったように温泉も登録を目指していこうという動きがあって、正式名は忘れましたけれども、なんとその温泉関係の協議会の会長を熊本県知事が務めておられるということで、先日九州知事会でもそういう話になって、熊本県知事には、「神楽はうちが呼びかけていろいろやっていて、熊本県の神楽も入っているんですね、ぜひ力を合わせてどちらも登録されるように頑張りましょう」とそんな話をしたところであります。九州全体で考えたときも、世界に誇りうる資源があるのは大変ありがたいことでありますが、我々は温泉の動きよりも早く取り組んでおりますし、ユネスコの申請に必要な学術的な整理もある程度蓄積されていますので、全国的な機運をしっかりと高めていき、何とか早期の登録を目指していきたいと考えています。

(共同通信)

最後に一点、全国的な機運を高める方法というのは具体的にどういったことを考えていますか。

(知事)

協議会の運動をさらに広げていきます。協議会に入っていない国指定の神楽もまだ数団体ありますし、全国で40神楽と申し上げましたが、国の重要無形民俗文化財に指定されていないたくさんの神楽もあり、そういったところからも一つの代表として、40神楽の登録を目指そうといった気運を広めていくことも大事だろうと考えております。東京での公演を行ったり、それから九州の神楽フェスティバルを行ったり、本県としてもいろいろ取組をしてますし、神楽協議会に参加されている全国の団体がその地域における中心的な役割としてさらに広めていくような輪を広げていくことが大事かなと考えています。

ローム(株)の本県立地について

(宮崎日日新聞社)

同じく週末からの出張で、京都市のローム(株)に企業訪問されたと思うんですけど、取締役執行役員とも協議されたと拝見しました。これから正式な協定を結んでいく形になろうかと思うんですけど、ローム側から県や地元の市町村に対して、どういった支援をいただきたいというご要望のようなものがあったのか、またそこに対してどういうふうに県として対応できるのか考えがあればお聞かせください。

(知事)

ローム(株)における用地取得の方針が発表されてから、私としては初めて、国富町長と一緒にローム(株)の関係者へご挨拶したのが今回の訪問でありました。その中で、最終的な売却を巡っての最終合意といいますか、いろいろな詳細については、まだ整理中ということであります。それを受けて投資や雇用等の計画については明らかにしていく方針だということで、今回は具体的な話を伺ってはおりません。これまでローム(株)が記者発表で表明されていたように、会社としては今後このような中期計画を持って、一定期間5100億円の投資ということで、大変意欲的な表明をされていることについての説明も受けましたし、パワー半導体の需要が今とても高まっており、いろいろな引き合いがあるので、それに対応して供給能力を高めていくための今回の工場であるといった説明をいただいたところであります。私としては、どれだけの雇用が発生するのかとか、どれだけの投資になるのか、これは企業誘致のときに立地補助もありますのでそういっためどをつける必要もありますが、そういったところはローム(株)からも全く話はありませんでしたし、早ければ来年中にも工場を稼働すると言っておられるところでありまして、雇用の数にもよりますが、やはり道路も含めた周辺交通にどのような対応が必要なのかについても、キヤノンの工場が立地したときは市町村と一緒に道路整備を行ったこともご説明したところであります。いずれにせよわかっていないことがまだまだ多いものですから、今回はそのような形での最初の挨拶ということで、詳細については今後整理し発表され、随時連絡を取りながら様々な準備を進めていきましょうという話をしました。例えば道路関係や人材確保の問題だとか、いろいろ問題意識も持っておられるのかなということで、ちょっと探るといいますか、ボールを投げてみましたが詳細なところはまだということであります。

EUへの県産農畜水産物の輸出について

(宮崎日日新聞社)

農林水産省が、パリに続いてベルギーのブリュッセルに輸出支援プラットフォームの拠点を新しく構えるということで、EUへの農水産物の輸出を強化していきますと発表されました。宮崎の農水産物の輸出先を見たときにアメリカと、香港などのアジア圏が中心でEUは1割切るぐらいだったかと思うんですけども、輸出先としてのEUの宮崎とのマッチングであったりポテンシャルとか、輸出品目を見るとお茶関係がよく輸出されているようで、逆に言えば牛肉など宮崎が得意な畜産物はアメリカなどに比べるとまだ少ない状況かなと思うんですけど、輸出先としての本県におけるEUの魅力や、そこにアプローチしていくためにどういう取組をやっていきたいかあれば教えてください。

(知事)

おっしゃるとおり極めて魅力的なマーケットであろうかと考えております。アジアのみならず欧米へ販路を拡大していくにあたり、アメリカについては様々な取組をこれまでも行ってまいりましたが、EUはまだまだこれからという中で、ミラノ万博をきっかけに牛肉や焼酎など、私も現地にまいりまして、いろんなプロモーションを行いましたが、数字の上ではまだまだこれから伸びしろがあると考えております。楽しみだなと思いますのは、先日、フランスの焼酎のコンペティションで、柳田酒造さんの「青鹿毛」が焼酎部門で最高賞を取られました。EUを中心にフランス、イタリアなどでかなり取り組んでおられ、アメリカなどで実際に私もプロモーションを行いましたが、焼酎自体の輸出がやはりまだまだこれからというところで、EUにおいて行われた大会での評価が焼酎の輸出増につながり、そしてそれがEUにとどまらずアメリカに広がっていくとか、そのような展開も考えられますので、そういったものを足がかりにしながらさらに進めてまいりたいと思います。宮崎牛に関しても、今おっしゃったように香港や台湾などアジア、それからアメリカが輸出先として多いわけですが、先日はJA経済連もスペインでプロモーションを行われたということで、JAにおいてもEUマーケットを意識して、「おいしさ日本一」という全国和牛能力共進会の結果をきっかけにした取組が進められておりますし、それに加えて特にオーガニックのお茶などが伸びていると考えております。焼酎などの反応を見てて面白いなと思いますのは、「KuraMaster」の審査員とも意見交換したことありますが、アメリカも多様なので一律ではないんですが、アメリカではジンとかウォッカと同じような感じでカクテルのベースとしてマーケットに入っていこうとしておりますが、フランスなどでは、我々と同じように焼酎の香りも楽しみながらというところもあって、そういった文化の違いにどのようにアプローチしていくかというのは、やはり国によって違うのかなという感じもあり、そういう意味でEUは、アメリカのマーケットとはまた違った魅力であったり伸びる余地があるのかなと思います。グローバル戦略で、地域ごとにどのような方向でという方針は定めておりますが、さらに力を入れていき、また、イギリスがいわゆるTPPに加わったことによる影響が、どう追い風になるのかも非常に関心のあるところではあります。コロナの前は、ロンドンのジャパンハウスで、ラグビーの合宿を受け入れたきっかけに宮崎のプロモーションを行いたいといったこともありました。イギリスは今EUから離れておりますが、ヨーロッパという広い視野の中でイギリスとのつながりが突破口にならないかなということも思います。昨日、国際博覧会推進本部事務局(万博事務局)も訪れ、まだ詳細ははっきりしておりませんが、万博においても様々な県産品のプロモーションの機会を提供する方向で考えているので、ぜひ宮崎県さんもいろいろ考えてみてくださいと言われておりますし、オリンピックでやったホストタウンのようなものを万博でも考えていると言われました。具体的にどのように進めていくのかまでまだ整理できておりませんが、2年後の万博も見据えながら、最初の質問に戻りますが、EUというマーケットに関しても様々な情報発信がこれからもできるのかなと楽しみにしております。

(宮崎日日新聞社)

以上で終わります。

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