掲載開始日:2024年1月22日更新日:2024年1月22日

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宮崎県知事定例記者会見(2023年12月26日)

項目

配布資料

発表事項(知事発言)

2023年県政トピックスについて

今年最後の知事定例記者会見となりました。今年1年も報道等の様々な面でお世話になりました。心から感謝を申し上げます。私から県政トピックスということで、お手元に資料も配付しておりますが、画面を使いながら県政を振り返り、思いをお話したいと考えております。

まずコロナとの3年に及ぶ闘いについて、5月に5類に移行したということで、大きな転機を迎えたのが今年であったかと思います。まだまだ夏場にインフルエンザが流行したり、それから呼吸器系の感染症の流行も言われております。引き続き警戒を強めながらでありますが、大きく社会のフェーズ、局面が変わってきたなと考えております。豚熱については、佐賀県で発生が確認され、九州全域がワクチン接種推奨地域に指定されて、11月にはワクチンの交付を終えて、接種も終えたところであります。佐賀県の事例から野生のイノシシも含めて大きく拡大しているような状況ではないわけでありますが、引き続き豚熱へ警戒しながら、それから鳥インフルエンザについては、今シーズンに入って全国で4例の発生が確認されております。家畜疾病への対応も引き続き必要であろうかと考えております。昨年は台風14号による大きな災害があり、今年も台風6号による災害もございましたが、「国土強靱化シンポジウム」なども開催したところであります。

こうして1年を振り返るタイミングで、今年はやはりコロナが5類に移行して社会、経済、暮らし、様々なものが動き始めたかなというイメージを持っております。そういうことで、今年を振り返って漢字1字で表すと、とよく聞かれたりしますが、宮崎からすると動くという「動」のイメージを持っております。先ほど言いましたように、コロナが5類に移行していろいろなものが動き始めたということ、それから後ほど説明しますが、世界とのつながりの中で宮崎の将来につながるようなイベントや事業も行うことができました。「日本一挑戦プロジェクト」が始動したといったこともございます。

G7宮崎農業大臣会合について、23年ぶりにG7クラスの会合を宮崎で行うことができました。1年を振り返ってみて、やはり印象深かった事業の一つであろうかなと考えております。食や農業の持続可能性がこれだけ世界的に注目される中で、農業県宮崎で開催することができ、そして初めて開催地の名前を冠した「宮崎アクション」が取りまとめられ、地域資源も活用しながら農業の持続可能性、イノベーションに取り組んでいくことが言われました。また、会合の中で、本県の食やおもてなし、有機農業も含めた農業の取組について世界の閣僚から高く評価いただいたことは自信になりましたし、高校生の提言も含めて子どもたちの活躍も印象に残りました。本県の強みである農業やおもてなし、それから食の魅力について、世界から評価いただけるという手応えを十分感じることができました。そういう意味において、単に会合が2、3日間開催されただけではないものを我々は手にすることができたのではないかと考えております。

1年を振り返ったときにキーワードとして「動」と申し上げましたが、「今年の漢字」がタックスの「税」でありました。でも振り返ったときに、宮崎のみならず全国で明るい話題としてはやはり野球が大きかったのではないかなと思います。宮崎ではWBCの合宿を受け入れて、合宿も盛り上がりましたし、その後7戦全勝で世界一になったのは全国的にも盛り上がりました。その後、プロ野球の日本シリーズは阪神の優勝に終わったわけですが、これも非常に熱く盛り上がったという印象がありますし、それに最後の最後には、大谷選手や山本選手がドジャースとの大型契約ということで、野球で元気をもらった、野球で全国的にも盛り上がったなと思います。「今年の漢字」の候補の中で、「球」という字があり、多分野球も背景に「球」がトップ10の中にランキングされていましたが、もっと野球をイメージするような1字があれば、「税」じゃなくそちらが選ばれたんじゃないかなという気もします。本県にとっては、先ほど話をしましたコロナが5類に移行する前でしたが、WBCの合宿、この辺りからいろいろなものが気分的にもモードが変わってきたのかなという印象を受けております。それからAGTC2023(アジアゴルフツーリズムコンベンション)について、まだコロナはそういう状況でしたが、世界35の国と地域から300人以上の方が参加しました。コロナの状況の中で、世界からお迎えしてこれだけの大きな国際会議を開催し、本県のゴルフ環境が評価されたということ、そして本県では韓国を中心としたゴルフ客の受け入れはしておりますけど、ゴルフツーリズムという長く滞在しての受け入れはまだまだこれからでありますが、スポーツ観光という面で大きなポテンシャルを感じることができたのがこのAGTC2023であったと思います。そのほかラグビーの日本代表合宿や、サーフィンは2年連続の開催、それからトライアスロンと、「スポーツランドみやざき」でスポーツを通じて地域経済、それから県民にも勇気や元気をいただいたなと思います。昨日、テレビの番組で紹介されていましたが、大谷選手と山本選手がビバリーヒルズの高級和食店で食事して、そこで宮崎牛が提供されていたとのことでした。それは我々が提供したわけではなく、そのお店で宮崎牛を取り扱ってもらっていたようですが、このようなうれしい話題もありました。

(スポーツの)施設整備も進みまして、「アミノバイタルⓇトレーニングセンター宮崎」が4月に供用開始し、ラグビーの代表合宿でも活用されました。先日、青島太平洋マラソンで一緒になった「いちご」に所属しているハードル選手の清山ちさとさんに話を伺うと、ここでトレーニングもしているということで、非常に良い環境だと言っておられました。それから国スポ・障スポを見据え、延岡市のサブアリーナがまず完成したということと、来年いよいよ県プールと県陸上競技場が竣工を予定しております。今、姿かたちが徐々に見え始めております。「スポーツランドみやざき」として、将来につながるようなこうしたハード整備、環境整備も進みました。

宮崎県人会世界大会も初めて開催したところでありまして、このようなイベントが行われました。置県140年を記念しての大会でしたが、こうした場を設定することによって、いろいろな交流が生まれ、地域や世代を超えた交流が生まれる、久しぶりに宮崎に帰ってきた、また、初めて訪れることができたという喜びの声もありましたし、そのことを通じて我々としても宮崎の魅力を改めて見つめ直す機会にもなったと思います。でも、記念コンサートや大会も含めて本当に高揚感に包まれておりましたが、これで終わりではない、これはあくまでスタートであります。今の時点で決まっているわけではありませんが、何年かおきにこうした場を設けることも良いかと思いますし、こうしたことをきっかけにそれぞれの県人会がさらに活性化する、いろいろな活動を行う、また、横の連携を取っていこうという動きも生まれるのではないかというところが楽しみでありますし、問われることになろうかと思います。イメージとして、まず一石を投じたということで、そこから波紋が広がる。そしてさらに県人会ネットワークをいろいろな面で本県の発展に使っていくといいますか、貢献いただく、そういうもののスタートだったのではないかなと考えております。

文化という面で、神楽については、先日、ユネスコ無形文化遺産への提案候補が「書道」に決まったということで、神楽の登録は先送りになったわけですが、国立能楽堂での公演も大変好評でありましたし、今、全国40の神楽保存団体にお声がけして、そのほとんどとなる9割が参加していますが、ユネスコ無形文化遺産の登録を目指していくことについても、徐々に広がっています。それから県内の神楽の保存団体も「みやざきの神楽連絡協議会」を立ち上げて、これも先ほどの県人会と同じですが、それぞれの団体でいろいろな取組をされていますけど、横の連携をとることによって、いろいろな活動の参考にしてもらう、刺激にしてもらうといったものがスタートしました。これも楽しみであります。それから「読書県みやざき」として、「みやざき読書アンバサダー」への米良美一さんの就任もございました。

それから道路関係では、特に3月に東九州自動車道が四半世紀かかって日南市まで開通したことも非常に印象深い出来事でした。やはり実際に今、日南市や串間市方面への時間距離が非常に短くなったなと感じております。それから、国道10号門川日向の4車線化も完了したことや、九州中央自動車道蘇陽五ヶ瀬道路「蘇陽-五ヶ瀬東」、東九州自動車道「高鍋IC-西都IC」の4車線化、それから細島港複合一貫輸送ターミナルの着工式、さらには住吉道路の中心杭打ち式も行われ、道路、港湾等のインフラ整備が進み、これも様々な人の動きをもたらしていることを感じます。それから国際定期便「宮崎-ソウル線」がいよいよ再開されました。東京などに行くと、海外から日本を訪れる方が非常に多くおられ、しっかりそれを受け止めるべく、まだ「宮崎-ソウル線」しか再開されておりませんが、台北線も含めた他の国際定期便の再開に向けて来年さらに頑張っていきたいと思います。

スギ関係では、スギ素材生産量が32年連続日本一であったり、林業産出額の木材生産部門で初めて日本一になったりということで、林業県としての確かな道を歩んでいることを改めて手応えを感じました。また、全共で「おいしさ日本一」になった宮崎牛のプロモーションを行なったり、「東京食肉市場まつり」もかなり手応えが感じられるものでありました。今、物価高等を背景にして枝肉価格、子牛価格が低迷しています。この年末にかけて子牛価格も少し回復傾向にあるということですが、本県の強みとしての宮崎牛のさらなるプロモーション、そして和牛生産をしっかり支えていく必要があると考えております。本格焼酎出荷量も9年連続日本一となり、フランスの焼酎のコンペティションで「青鹿毛」が最高賞を取ったり、そんな話題もあったなと振り返っております。それからかつお一本釣りも28年連続日本一ですし、「竜喜丸」が船として初めて日本一を取ったこともも元気の出る話題でありました。

それから、直近のラピスセミコンダクタ株式会社の宮崎第二工場の立地ですね。過去最高となる約3000億円の投資規模、そして700人の就業を予定されているということで、大きなプロジェクトが動き始めました。今、九州全体として熊本県のTSMCも含めて半導体関連産業の立地、そして関連の投資が進んでいる中で、本県としても大きな拠点ができて、実際は左側に見えている建物が早ければ来年末にも稼働していくということですが、それ以外も含めて大きな計画が進んでいるということです。先ほど企業立地推進本部会議を開催いたしましたが、「みやざき半導体関連産業人材育成等コンソーシアム」を立ち上げ、連携しながらまずは人材確保に向けての取組を進め、本県の子どもたち、学生たちのローム、もしくは半導体関連産業への人材供給ということも考えられますし、一度県外に行なった方が県内に戻ってくる受け皿にもなるといったことも楽しみにしておりまして、UIJターンも含めた大きなきっかけにしつつ、人材確保、それから周辺環境整備を含めて取り組んでいきたいと考えております。世界のトップシェアを目指していくパワー半導体の分野で大きなプロジェクトの一翼を担う本県として、このスピード感にしっかりと寄り添って役割を果たしていきたいと考えております。価格転嫁については、物価高の中で関係企業、関係業界と連携して、また来年は物流の2024年問題等もございます。経済の動きや円安の今後の動向、それから金融政策の動向も注視しながら、しっかりと産業振興についても、さらに取組を進めてまいりたいと考えております。

様々な分野の人材確保に向けての仕組み作りとして「特定地域づくり事業協同組合」も県内で今3ヶ所立ち上がったり、それから「宮崎県幼児教育センター」の開設もございました。それから人材確保に向けて今年初めてベトナムを訪問しましたが、今県内の在留外国人のうち、最も多くの割合を占めるのがベトナムの方になります。引き続きベトナム国立農業大学、さらにはナムディン省との連携を深めていき、ベトナム以外も含めて外国人材の確保もこれからもっともっと重要課題になってこようかと考えております。県立延岡病院では、化学療法センターや臨床研修センター等を設置しながら、さらなる充実を図っていく動きも進んでいます。

今年は私にとって4期目がスタートした初年度の年で、アクションプランも策定しましたが、さらにそれを将来につなげていくべく3つの「日本一挑戦プロジェクト」を立ち上げました。本県が全国と比べて2位や3位など比較的優位にある部分について、そこに甘んじることなくさらに高みを目指して挑戦していこうということで始動しました。先ほどの「動き』という言葉からすると、ここも関わってくる部分がございます。当初予算案の編成も行なっておりますが、しっかりとこれを後押しするような予算編成を行なってまいりたいと思いますし、それを様々な成果、結果に結びつけていきたいと考えております。

これはイメージ図になります。今年はそもそもコロナであったり物価高、そして昨年は大きな自然災害もありました。そういった状況からいち早く立ち上がって元の成長軌道に戻していきたい、「宮崎再生元年」というような課題設定で取り組んできたところであります。今ここまでいっているということを言いたいわけではありません。コロナ等の影響を受けたところから確実に回復に向けた動きは感じられるところであろうかと思います。例えば宮崎空港の利用に関して言うと、国際線などは完全にまだコロナ前に戻っているわけではありませんが、国内線の利用は、この11月から12月はコロナ前を上回るぐらいの利用があります。それからホテル宿泊等についても今、人手不足等の関係で完全にフル稼働できない状況もありますが、コロナ前の8割から9割程度まで利用が戻っていると言われているのではないかと思います。確実にこのあたりまでの動きは出てきたのではないかなと思います。それをさらにコロナ前、さらにはそれ以上のものを目指していきたいということが、このイメージ図になります。したがいまして、「宮崎再生元年」として取り組んできましたが、特に世界とのつながりの中での合宿の受け入れや、国際会議等も開催地としての役割をしっかり果たしながら成果を出すことができました。そして、さらに前を向いて進んでいきたいという思いがしております。いろいろなイベントも天気に恵まれたなとも思います。侍ジャパンの合宿のときもそう感じましたし、G7宮崎農業大臣会合もそうでしたし、最近であればダンロップフェニックストーナメントやリコーカップも非常にいい天気でした。それから宮崎県人会世界大会も好天の中で迎えることができました。

まだまだ物価高や円安の経済や暮らしへの影響ももちろんありますし、本格的に進んでいる人口減少、人手不足といった様々な課題がありますが、しっかりと今年の成果をさらに来年につないで、さらなる県政の前進を目指してまいりたいと今年を総括したところであります。

私からは以上であります。

質疑応答

2023年県政トピックスについて

(MRT)

まず、この1年を総括する形で宮崎県政にとってどんな1年だったかまとめていただけますか。

(知事)

今頑張って総括したところでありますけど、世界とのつながり、世界に開かれた宮崎ということで様々な事業を展開することにより、宮崎再生に向けた動きを確実に進めることができた1年ではなかったかと考えております。

(MRT)

いくつかトピックを挙げていただいたと思うんですけれども、特に知事が印象に残っているものを教えてください。

(知事)

本当にいくつもあるわけですけど、先ほど申し上げましたようなG7宮崎農業大臣会合は非常に印象深かったと思います。先ほどお話しましたように、食の持続可能性、農業の持続可能性が世界的に注目される中、農業県宮崎で開催され、しかも宮崎の様々な取組や食が高く評価されました。そして次の世代、若い世代もそこで躍動したことは、宮崎の強みであるおもてなしも含めて、様々なものが世界からも高く評価されたという手応え、そして自信につながったと考えております。もちろん「宮崎アクション」を取りまとめてそれで終わりということではなく、それを実践していくということで、今、「日本一挑戦プロジェクト」の中で「グリーン成長プロジェクト」でも位置づけて取り組んでおりますが、この「宮崎アクション」をしっかり我々が率先して実践していくんだという次なる目標設定もできたのかなという手応えも感じております。しっかり未来につなげていきたいと考えています。

(MRT)

最後に来年は県政にとってどのような年にしたいかお聞かせください。

(知事)

先ほどの黄色い矢印がイメージに残ったかと思いますが、さらなる宮崎県の発展につながるように、まだまだ物価高の影響もありますし、本格的にこれから進む人口減少への対応も求められてきます。その中で、確実に県政が前進していくという手応えが感じられるような1年にしていきたいと考えています。

令和5年度におけるユネスコ無形文化遺産への提案候補の選定について

(宮崎日日新聞社)

先ほどユネスコ無形文化遺産登録について、今回残念ながら神楽が国の候補に選ばれなかったということで振り返りがありました。まず一点、今回選ばれなかったのはなぜかというところと、それを振り返っての課題、県としての今後の取組、そして次の登録目標年について、2026年を目標にしていたと思うんですが、その点についてまずお聞かせください。

(知事)

書道は神楽の我々の取組よりも以前から行われており、また、全国的な署名活動も行われていました。そして選ばれてみてふと思いますのは、これまで和食などいろいろなものが選ばれましたけど、書道も選ばれてしかるべきものだなと。別に書道と勝負して負けたとかそういうことではなく、まずはこのタイミングでは書道が先に選定されたということであろうかと思います。先ほどご報告しましたように全国でこの動きに賛同した動きも広がっていますので、その輪をもっと広げて、最終的には40団体全部が一緒に足並みを揃えて、またその40以外の神楽団体にも、県内のネットワークも作りましたが、励みにしていただくということが大事なわけであって、登録が目標というよりも、やっぱりそれだけ価値のあるものだっていうことを改めて自分たちも見つめ直していく、そしてそれを保存継承の取組を、さらに力を入れていくことが大事であろうかと考えておりますので、今おっしゃったようにその次の登録を目指して、これからも運動、それから働きかけを続けていきたいと考えています。

(宮崎日日新聞社)

すいません、もう一点。もう一度繰り返すんですが、次の登録は最終的には2028年の登録を目指すのかと、あと、本県は全国的な協議会の事務局を置いていますが、やっぱり県民の盛り上がりがまだ十分じゃないのかなという点も見えます。ライバルと少ない候補の枠を争う中で、例えば「温泉文化」は、群馬県や山陰などの17の道と県が知事の会を作って積極的な陳情もしています。知事自身が県の顔としてどのように取り組まれていくか最後にお聞かせください。

(知事)

温泉文化も積極的にやっておられると思います。これは少しビジネスとも結びついて、経済効果にも期待する向きがあろうかと思います。温泉文化も日本として誇るべきもので、そして宮崎県にももちろんあるわけですし、その動きに異を唱えるものではありません。そして、比べてどちらが優れているかとかそういうものでもないと思います。でも、おっしゃったようにやはり気運を高めていくことは大事だと考えております。先ほど説明しましたように、この全国の40団体の中での機運は高まっており、そして県内でもそれ以外の神楽団体ともしっかり連携をとっていこうという動きが出ているわけで、やはりそれをどんどん広げていくこと、そしてそのことを通じて、県民の間での意識ということもありましたが、神楽の価値、そしてその大切さを神楽に直接携わっているわけではない一般の県民の皆様にもっともっと知っていただきたいと思います。県民のみならず東京や大阪、福岡などでも公演を行なっておりますが、我々はまさに神楽の魅力の伝道師として先頭に立って取り組んでおります。できれば40団体だけではないですけど、全国の他の知事であったり市町村長等にも応援いただけるような気運を高める工夫にこれからも取り組んでいきたいと思います。

(宮崎日日新聞社)

最短でやはり2028年のユネスコ登録を目指すという認識でよろしかったでしょうか。

(知事)

はい。

国立社会保障・人口問題研究所による地域別将来推計人口の結果の公表について

(UMK)

直近の12月に入ってからのトピックスをいくつかご質問させていただきます。まずは先日、厚生労働省から地域別の将来推計人口が発表されまして、2050年の宮崎県の推計人口がおよそ79万7000人と承知しております。県の総合計画に基づく推計よりも2050年時点の推計人口が上振れしたということで、このデータの受け止めと、今後の人口減少対策の施策について抱負をお願いします。

(知事)

以前の推計よりも上振れという表現がありました。減少幅が少し緩やかになっているという部分はあります。それは移住も含めた今までのいろいろな取組による一定の成果もあるのかなと思いつつも、まだまださらに取組を強化していく必要があるとの緊張感をもって進めていきたいと考えております。特にコロナの中での地方回帰の動きもあって、移住が増えているところも背景にはあるのかなと思います。コロナが5類に移行して、次の局面になって、全国的には再び東京への集中が進んでいる動きがありますので、コロナをきかっけに地方に目が向いているその流れをさらに進めていくことも大事ですし、日本一挑戦プロジェクトの中で取り組んでいく少子化対策に国全体としても今はさらに拍車をかけて取り組んでいる中で、本県が全国2位じゃなく、さらに1位を目指していくための動きも大事です。それから先ほど黄色いV字回復の矢印もお見せしましたが、特にコロナの影響で婚姻数が大きく減ったことにより、今後さらに少子化が進むことを懸念しておりますが、コロナが5類に移行して、出会いや結婚が回復のトレンドになるのではないかなと思います。そこをぐっと後押しすることによって、出会い・結婚がさらに力強く進んでいき、少子化対策にもつながるような取組を進めていきたいと考えております。

(UMK)

今の点でいいますと、3つの日本一挑戦プロジェクトですね。子ども、若者、そういったものを通じて後押ししていきたいという受け止めでよろしいでしょうか。

(知事)

そう考えています。

農業産出額について

(UMK)

令和4年の農業産出額が発表されまして、前年から金額的には上がっているけれども順位を落としたということで、この結果の受け止めと、農業県、食料供給基地としての役割を果たす上でどういった支援を来年以降されるか教えてください。

(知事)

3500億円台に5年ぶりに回復したということで、本県の農業の中でも中心である畜産が伸びたことにより、そうした数字になってこようかと思います。全国的には4位から6位になりましたが、これは特に野菜等の価格の上昇の影響が、他の県でより大きく出たものと分析しております。いずれにせよ全国代表する食料供給県として、今は物価高、特に肥料や飼料価格、資材価格の高騰で大変現場は厳しいという声も聞いておりますが、国や県の対策、それから市町村、JA等と連携しながら、さらには「宮崎アクション」でまとめられた農業の持続可能性を実現すべく農業振興に取り組んでいきたいと考えております。

Jリーグ秋春制移行について

(宮崎日日新聞社)

3つの日本一挑戦プロジェクトに最後触れていただいたんですが、その中のスポーツ環境に関わる部分になってくると思うんですけれども、先日、Jリーグが今のシーズンと逆転するような形でのシーズン移行を決定しました。奇しくもというか2026年からシーズンが移行するということで、約2年後からキャンプの時期には影響が出てくるのかなと思うんですけども、この点についての現状の受け止めと、どのような危機感を持っているのか、もしくは期待感を持っているのか、具体的に今はキャンプに17チームがきていますけれども、どういうふうに県としてアプローチをしていくのかというビジョンをお聞かせください。

(知事)

以前よりシーズンの移行は議論されておりましたが、国全体のサッカーの振興等を考えて大きな決断をされたなというのがまず印象にあります。そして、本県としてやはり冬場の温暖な気候を生かしながらシーズン前の合宿の受け入れがこれまで進んできたところでありますが、スケジュールが見直されることによって、そこが大きく影響を受けるのか、今後どうなるのかなというのはまだ正確に見通すことはできませんが、ただ、冬場の時期はウィンターブレイクとしてシーズン途中のいわば小休止期間が設けられるということで、その間にトレーニングする必要もあろうかと思いますので、春季キャンプなどの機会が全くなくなるかどうかはわからない部分があります。そして本格的なシーズンオフが夏場になるということで、夏場の宮崎は暑いですよね。大丈夫かなというところもありますが、慣れた環境の中で、夏場といっても宮崎の場合は海洋性気候ということでジメジメした大変な暑さではありませんし、これまでの受け入れノウハウや施設等がありますので、いわゆるシーズンオフのキャンプについても、せっかく屋外型トレーニングセンターなども整備しましたし、それから新たな陸上競技場なども活用できるかと思いますので、積極的に売り込みをしていきたいと思います。今後、Jリーグの各チームが全体、年間を通じてのトレーニングスケジュールをどのように考えるのかいうこともございますが、これまでに築いてきた関係もありますので、しっかりとそれぞれのチームと連絡を密にしながらキャンプの誘致に取り組んでいきたいと考えています。

(宮崎日日新聞社)

関連して、夏場の誘致も考えているようですけれども、聞くと夏場はシーズンオフではないですけど中断期間などにあたるときは、本拠地で夜間にトレーニングをするチームもあるようですけれども、夜間の照明施設というのはトレセンは整備されていますけれども、ある施設はそんなに多くない、というかほとんど多分ないのかなと思うんですけど、もし夏場の夜間の誘致を考えるなら必要になるのかなと思うんですけど、その辺りを支援していく考えがあるのかどうかお聞かせください。

(知事)

なるほどなと思いました。まだそこまで頭が整理できていませんでしたが、先ほど申し上げましたように、チームの皆さんといろいろな意見交換をすることによって、そうした需要やニーズがあるのであれば、我々としてもそれに対応した準備をしていくことも大事だろうかと考えております。今すぐにそういったところを予定しているということでありませんが、いずれにせよ状況が変化したことに伴って、引き続き我々キャンプ地として、また様々な大会も含めての開催地としての役割を今後とも果たしていくために何をすべきかというのは、よく整理、情報収集して取り組んでいきたいと考えています。プロは移るわけですけど、アマチュアや大学などは別のスケジュール感で動くわけですから、そこのギャップもありますし、いろいろなことをこれからよく見極めていく必要もあろうかと思います。

県民栄誉賞について

(西日本新聞)

「県民栄誉賞」のことで伺いたいと思います。先日、青木賢児さんに贈られました。私は生前に贈られるべき賞だったんじゃないかなというふうに考えています。特に佐藤館長に引き継がれた時点とか、そういったタイミングもあったんじゃないかと思うんですが、亡くなられた後に受賞となった経緯をどのようにお考えなのか教えてください。

(知事)

宮崎国際音楽祭をここまで育てて、大きな礎を築いてくださった役割は間違いないとこれまでも評価していたところでございます。宮崎国際音楽祭は来年が29回目、そしてその次は30回目といった大きな節目にあたってこれまでも様々な感謝の意を表したり、表彰したりと、この音楽祭のみならず、そういったイメージを持っておりましたので、元々30回目という大きなタイミングの中でそうしたことも考えられるのかなという思いでありました。残念ながら思いのほかといいますか、早くお亡くなりになったということであります。もちろん今のご指摘のように、生前に「県民栄誉賞」を贈呈すべきであったという声を県民の方からもいただいておりまして、そういう思いはあるわけでありますが、いずれにせよ、これまでの思いとしては、準備といいますか、そのような思いでありました。

(西日本新聞)

過去の受賞者を見ていると、スポーツ関係の方がすごく多くて、文化関係は極めて少ないと思います。青木さんもそうですが、例えば短歌県を作ってきたっていう意味では伊藤一彦さんもまだ県民栄誉賞を受けられてないという意味ではすごく偏ってるんじゃないかと思うんですが、私は偏りと考えてますけど、その辺りの偏りについて知事はどのようにお考えでしょうか。

(知事)

実は議論がありました。最初は「県民栄誉賞」ではなく、感謝状の贈呈とも担当の中では考えたようでありますが、宮崎国際音楽祭に対する貢献を考えたときに県民栄誉賞にすべきではないかと、そしてスポーツの場合は、例えばオリンピックのメダルと非常にわかりやすいので、これまでも受賞者が多かったということはありますが、今おっしゃったように文化の面で大きな貢献というものが、スポーツにおけるメダルや優勝と比べるとやはり評価が難しいといいますか、一工夫いる部分で、そこはしっかり考えていく必要があるのではないかということも、今回をきっかけに議論したところであります。スポーツ、文化も含めて幅広く貢献され、また、宮崎の知名度発信に貢献された方は、これからも積極的に検討の俎上に載せていきたいと考えております。

(MRT)

その他の質問がある社はお願いします。

東九州新幹線について

(宮崎日日新聞社)

東九州新幹線のことで質問させていただきたいんですけれども、11月議会で新八代ルートを検討していくとお話があったかと思うんですけれども、調査・検討に向けた事業費、調査費は新年度予算案に計上していくというお考えなのでしょうか。

(知事)

その方向で検討しております。

(宮崎日日新聞社)

そうしたときに調査というと、もう少し具体的に言うとどういったものを調査していくようなイメージでしょうか。

(知事)

回新たなルートだけではなく、東九州新幹線についても、以前調査を行い、事業費等の試算なども行なったところでありますが、現時点で改めてその試算もしていく必要があるのではないかと考えておりますし、これまで同じようにしてこなかった新八代からのルートについては、どのようなルートが想定されるのか、そして需要見込みやそのときの事業費の試算等も必要になってくるのではないかなと思います。

(宮崎日日新聞社)

改めて新八代ルートにかける狙いといいますか、知事のお考えをお聞かせください。

(知事)

いずれにせよ、東九州新幹線の整備に向けてこれまでも毎年要望活動を繰り返してきた状況の中で、県民世論のさらなる盛り上げが必要じゃないか。特に今年の骨太方針に新幹線についての記述があったこともきっかけにしながら、さらに関係する県と一緒に次なる整備に向けて気運を盛り上げていこうと思います。大分県は久大ルートという別ルートの検討をされました。本県としても、東九州新幹線がまずは構想にある路線ですから、関係県と連携しながらそこを要望しており、あまり他のルートをそこで議論すると、差し障りがあるのではないかということで内部での検討にとどめておりましたが、幅広く世論喚起をする上では、今回、新八代からのルートについても改めて検討して議論していこうと、今回の表明を受けて、やはり新幹線に対する関心がずいぶん高まってきたのかなと感じております。これもやはり事業費にしても並行在来線の問題にしてもなかなかハードルが高い課題ではありますが、将来に向けての夢ということで、しっかり議論・検討を進めていきたいと考えています。

(宮崎日日新聞社)

この前、新八代ルートの調査を表明したとき、延岡市長からは理解できないといった意見もありましたけれども、そういうことに関しては今後どのようにお考えになっていますでしょうか。

(知事)

その後直接市長にもお話をしましたし、そのときに宮崎日日新聞が大分県知事のコメントを載せていただきましたが、思いは同じですね。やはり世論喚起するために様々な調査・検討している一環であります。私は沿線の期成同盟会の会長をしておりますので、年明けにも改めて国土交通省に要望に伺いますが、あくまで我々が要望しているのは東九州新幹線である、そこに変わりはありません。

(宮崎日日新聞社)

大分県と足並みは一緒にということですか。

(知事)

はい

ゆたかさ指標について

(宮崎日日新聞社)

話題が変わるんですけれども、県が2017年から運用していた「ゆたかさ指標」ですが、担当課に話を聞いたところ、指標としての打ち出しは昨年度までで終了していて、今はやっていませんということだったんですけれども、なんでお話を伺ったのかというと、県民意識調査で「ゆたかさ指標」のことを知らないという方が2年連続で6割から7割ぐらいいらっしゃって、県民に浸透したとはなかなか言いがたい実績が出てしまっているんですけれども、まずこの県民に浸透しなかった要因を知事はどのように分析しているのかまずお聞かせください。

(知事)

あれはやはり我々が実際に宮崎に暮らして、その良さや、例えば賃金などの単なる数字で表せない宮崎の良さを何か指標で表すことができないか、何とかして伝えることができないか。宮崎はいいところだよとバクッというのではなく、もう少し具体的なもので示せないかということでいろいろと工夫したわけでありますが、全国共通の指標として各県が使っているものではなく、そういう意味でなかなか話題になりにくく、そして指標の出し方にしても多少テクニカルな部分があり、すとんと伝わってくるものではなかったため、ああいった指標を綿密にいろいろなデータに基づいて出すよりも、例えばいろいろな会社のアンケート調査での、宮崎が暮らしやすいかだとか、宮崎に良さを感じているといった全国順位などの方がわかりやすかったりするわけですよね。ゆたかさ指標が問題だったというよりも、一つのアプローチとしてやってみましたがなかなか伝わらなかったので、どれをどういうふうに伝えていくのかという伝える手法であったり、分析する手法について我々としてさらにいろいろな工夫をしていかなければならないなというのがこの問題であろうかと考えています。

(宮崎日日新聞社)

端的に言うと県民に伝わりにくく、わかりにくかったということでしょうか。

(知事)

そうですね。

(宮崎日日新聞社)

指標として打ち出しはしないということですけれども、それぞれの7分野の指数は、例えば移住や県内就職を考えている高校生へのアピール資料には使っていくという話だったんですけれども、この「ゆたかさ指標」という取り組みについて、知事の中ではどのように総括しているのか、新しいゆたかさを提案したいということだったと思うんですけど、どのように総括しているのでしょうか。

(知事)

先ほど言いましたように「ゆたかさ指標」で考えている宮崎の暮らしの良さなどについて、引き続き様々な形でアピールしていくことに変わりはありません。ただそれを今回の「ゆたかさ指標」というフォーマットの中で伝えようとすることは、なかなか限界があるなと感じているということであります。でも、物価が安いということについては、比較の中でこれはもう個別に全国順位が出て、宮崎県は最も安い部類になりますし、通勤・通学時間が短いことなど個別のデータに変わりはありません。それをトータルで、しかも県民が何を大事にしているかということも加味したのが「ゆたかさ指標」であって、それは一つのアプローチであったと思いますが、今後その伝え方をさらにいろいろ工夫していくということであります。

知事の年末年始について

(宮崎日日新聞社)

年末の会見で必ず恒例で聞くようになっているんですけど、年末年始の過ごし方について、コロナも明けて、移動も自由になっていると思うんですけど、何か変化とかがあったら変化も含めて、これまでコロナ禍の3年間との変化も含めて、年末年始の過ごし方はどういうふうにされるのか教えてください。

(知事)

私は呉市の実家に帰る予定にしております。コロナが最も激しい頃は、まだ年老いた両親もいますので、実家から来るなといった声もありましたけど、今はそういう状況もありませんので、帰る予定にしております。それから今心配しているのは鳥インフルエンザ等の動向で、今は幸い県内では発生しておりません。以前は、鳥インフルエンザが何件か発生して、対策の真っ盛りというときはずっと県内にとどまっておりましたが、今のこの時点では呉市で過ごす予定にしております。

(MRT)

これで終了させていただきます。

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お問い合わせ

総合政策部秘書広報課広報戦略室報道担当

〒880-8501 宮崎県宮崎市橘通東2丁目10番1号

ファクス:0985-27-3003

メールアドレス:kohosenryaku@pref.miyazaki.lg.jp