宮崎県グラフ誌「Jaja」じゃじゃ

 

Jajaバックナンバー

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高千穂 たかちほ

神々が降り立った山あいの里。 数々の神話の舞台に出逢う。

高千穂神楽
高千穂神楽/町内には20以上の神楽が伝わり、毎年11月末から翌年2月にかけて各集落で奉納される。

九州山地のほぼ中央部、宮崎県の最北端に位置する高千穂町。町の中心部を五ヶ瀬川が貫流し、途中、川の流れが数億年かけ侵食して生まれた高千穂峡が神秘的に、かつ雄大にひらけている。

高千穂峡
高千穂峡/春の新緑、夏は涼を求めてボート遊び、秋は紅葉と四季を通じて楽しめる。阿蘇の溶岩流が急激に冷やされた柱状節理で形成される。

高千穂町は日本建国の神々が地上に降り立ったという天孫降臨神話が伝えられる。天孫ニニギノミコトは「筑紫の日向の高千穂のくしふるの峰」に降臨すると古事記に記されており、その場所と考えられているのが、町内にある「くしふる神社」である。

またアマテラスオオミカミが岩戸に隠れて世界が闇に閉ざされたときに八百万(やおよろず)の神々が集まって話し合いをした場所となったのが、神話スポットとして現在、大勢の人が訪れる天岩戸神社近くの天安河原(あまのやすかわら)だ。高千穂にはこのように神話の舞台となった場所が地名として残り、いにしえのロマンをいきいきと伝えている。

高千穂町は、秋も深まる11月になると、神楽の季節となる。町内には20以上の神楽が伝わり、秋の実りへの感謝と来年の豊穣を祈願し、各集落で奉納される。夜の静寂につつまれた神楽宿で、太鼓と笛の音色に耳を澄まし、神と人が一体となった舞いを眺めるのもいいだろう。

国見ヶ丘
国見ヶ丘/標高513mの高台にある雲海の名所。神武天皇の御孫・タテイワタツノミコトが、九州平定の際ここから国見したと伝わる。

鶴富屋敷と三ヶ所神社と五ヶ瀬ワイナリー
写真左)天安河原(あまのやすかわら)/天岩戸神社の西本宮から岩戸川を500mほど遡った所にある河原で、天照大神が岩戸に隠れた際に八百万の神々が集まって相談した場所であると伝えられる。 写真右)がまだせ市場/2010年4月にオープン。高千穂牛専門のレストランや精肉販売所、農産物や加工品などを扱う直売所、観光案内所等を備えている。

荒立神社と高千穂神社
写真左)荒立神社 写真右)高千穂神社

岩戸神楽

アマテラスオオミカミの岩戸隠れを再現した岩戸神楽は、全国各地で舞われているが、その発祥の地である高千穂には、現在、地域ごとに約20の神楽が伝承されている。太陽神であるアマテラスが岩戸に隠れ、アメノウズメの面白おかしい舞いに、わずかに顔をのぞかせたところを、手力男命(たぢからおのみこと)の怪力で岩戸がこじあけられ、世界は光を取りもどすという復活・再生のストーリーが、ちょうど冬至の季節をまたいで演じられるのは象徴的だ。高千穂神社では、通年、観光神楽として楽しむことができる。

地図