宮崎県グラフ誌「Jaja」じゃじゃ

 

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宮崎の「食」をアジアへ発信。
香港で人気を集める県産品。

宮崎の「食」をアジアへ発信

みやざきの魅力を世界へ――。県では人口減少や高齢者社会で国内市場が縮小するなか、富裕層が将来、日本を超える規模になり、中間層も2020年には20億人に増大すると見込まれるアジアの活力を取り込んでいこうと、中国、香港、台湾など東アジアをターゲットに、農畜水産物、木材、加工食品など県産品の輸出促進に努めている。中でも、香港は世界中から観光客が訪れる国際都市で、安全・安心で高品質な食を求める傾向が高く、関税もかからないことから、重要な市場と位置付けるとともに、2013年6月には香港事務所を開設し、県産品のPRを行うほか、輸出を行う県内業者に事務所や倉庫を貸し出すなど、現地での営業活動のサポートを行っている。

食の街として知られる香港には、すしや天ぷらなどの高級日本食レストランも数多くあり、現地の富裕層や海外からの観光客に日本食を提供している。宮崎牛は、その中でも最高ランクに位置する食材で、現地のレストランでは日本と同じようにシェフが客の目の前で調理する鉄板焼きスタイルで提供されている。

また日本の食材を扱ったスーパーマーケットでは、在住日本人だけでなく、日本産の食べ物を好む香港人で賑わっている。スーパーマーケットで高い人気を誇るのが「甘藷」だ。意外にも思われるが、日本産の甘藷は、糖度が高く、香港国内には同様の品質のものがないため、好んで食べられる。徳島県や鹿児島県、熊本県などからも出荷されるが、宮崎県は串間市大束産が圧倒的なシェアを占めており、サイズがやや小さいものの袋詰めが販売され、人気を集める。この「ミニ甘藷」は、10月から翌年6月くらいまで長期間貯蔵庫で保管される貯蔵甘藷と7月から収穫される早堀り甘藷により一年を通じて出荷できることが人気の支えになっている。

この他、水産物では串間市産のブリや北浦産のカンパチ、農産物では完熟きんかん、日向夏なども香港に向け出荷されている。ユニークなところでは、全国一の生産量を誇る宮崎市田野町産の「干し大根」で作った、たくあんも出荷され、粥を食べる習慣がある香港人の利用を期待している。

大らかな自然のもとで育った、ポテンシャルの高い宮崎の食材や食品が海を越え、アジアの人々に届く機会は今後ますます増えることだろう。

香港事務所の開所と宮崎県農産物のPRのため香港で開いたセレモニーの様子
2013年8月、香港事務所の開所と宮崎県農産物のPRのため香港で開いたセレモニーの様子

香港のスーパー「YATA」で行われた宮崎フェア
香港のスーパー「YATA」で行われた宮崎フェア

鉄板焼き
香港で高級食材として知られる宮崎牛。レストランでは鉄板焼きスタイルで提供される

高い糖度で人気のある宮崎の「甘藷」高い糖度で人気のある宮崎の「甘藷」。小さいサイズを袋詰めにしたものが出回っている