宮崎県グラフ誌「Jaja」じゃじゃ

 

Jajaバックナンバー

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小林・えびの こばやし・えびの

霧島がもたらす自然の恵み。 花と緑と水のまち。

えびの高原
霧島ジオパーク/霧島連山を中心とする環霧島地域は、豊かな自然や文化とともに、世界に誇れるジオパークをめざしている(平成22年9月14日、日本ジオパークネットワーク加盟)。霧島連山とその周辺では、火山が作り出す壮大な地形とそれらが生み出した自然の恵みを堪能できる。

宮崎県には、山を基点にした名勝地も数多く存在する。霧島屋久国立公園に位置するえびの高原はその代表だ。

えびの高原は希少な植物の宝庫でもあり、春は世界でここしか咲かない花、ノカイドウ(国指定天然記念物)を筆頭に、ミヤマキリシマやマンサクの花が咲き、夏はオオヤマレンゲやナツツバキ、秋はススキが高原を覆う。冬は氷点下になる日もあり、山肌に雪が積もったように白く見える「霧氷」が現れる。

高千穂峰とミヤマキリシマ
高千穂峰とミヤマキリシマ/えびの高原から高千穂峰、韓国岳にいたる登山は霧島の火口湖や遠く錦江湾を一望できる。初夏にはミヤマキリシマが高原一帯を紫紅色に染める。

周辺に点在する白紫池、六観音御池、不動池の3つの池をポイントにした「池めぐり自然探勝路」は高低差100mと歩きやすく、格好のトレッキングコースだ。

えびの高原を下り、小林IC方面へ向かうとすぐの場所にあるのが生駒高原。市街地を一望でき、背後には霧島の山々が連なるロケーションにある。春は菜の花、秋はコスモスと季節の花々が広大な敷地を埋め尽くす。えびの高原から生駒高原まで、さわやかな空気を味わいながら、花めぐりをしてみるのもおすすめだ。

霧島連山の麓に位置する小林市はまた湧水の里としても知られ、その一つの出の山湧水は「全国名水百選」に選ばれている。

天の逆鉾と生駒高原
写真左)天の逆鉾/高千穂峰の山頂に立つ天の逆鉾は、ニニギノミコトが降臨したときに峰に突き立てたとされる伝説によるもので、山岳信仰の舞台となった。 写真右)生駒高原/小林市からえびの高原に向かう途中に広がる標高500mの高原。春は35万本の菜の花と15万本のアイスランドポピー、秋は100万本のコスモスが埋め尽くす。

京町温泉
京町温泉/えびの市を代表する京町温泉郷は、市の中央部を流れる川内川沿いにある。泉質がよく、古くから湯治場として利用されてきた。かつて俳人・種田山頭火もこの地を訪れ「ありがたや熱い湯のあふるるにまかせ」と詠んでいる。

ホタルで知られる出の山には、諸県君泉媛(もろかたのきみいずみひめ)の伝承がある。熊襲平定の帰途に、この地を訪れた景行天皇との間にロマンスが生まれ、天皇が去った後は自ら化身して泉の守護神になったという。美しい湧水のほとりに、どんな語らいがあったのだろうか。